静岡県熱海市にある「熱海ミニ横丁」は、2025年7月、累計来場者数4万5000人を突破(Airレジ統計による)。地元客のみならず観光客の足も絶えず、連日にぎわいを見せている。運営を手がけるのは、地元・伊豆半島を拠点とする伊豆半島合同会社。地域に根ざした運営体制の強化が図られている。
【写真】脂ののった旬魚だけを厳選!「刺身盛り合わせ」
「熱海ミニ横丁」店舗正面
■店舗新体制と商品の拡充
新たに店長に就任した中森英人さんは、和食職人としての長年の経験に加え、自ら漁師として海の現場でも経験を積んできた。その知見を活かした「炙り〆サバ」や絶妙な焼き加減の魚料理が名物となっている。
【写真】脂ののった旬魚だけを厳選!「刺身盛り合わせ」
幻の酒米「雄町(おまち)」を使用した純米大吟醸「熱海桜」の店内提供が7月18日より正式に開始。また、地元販売および問屋ルートを通じた販路拡大も8月1日より進行している。
酒好きの心をくすぐるコレクションがそろう
さらに、数年越しに開発された新商品として、アナゴを原料としたスナック菓子「ウナギっポイ」が秋に発売される予定。ユニークなネーミングとしっかりとした味わいで、熱海における新たな土産物となることを目指している。
■予約制度とサービスの改善
同店では混雑緩和のため、2025年夏より新たに週末の90分時間制と、平日の予約制度を導入(予約受付は電話のみ)。より多くの来訪者が快適に過ごせる環境を整備した。予約者限定で「コース料理+日本酒ペアリングメニュー」の提供も開始。日替わりのコース料理には、旬の食材や仕入れ当日の鮮魚がふんだんに用いられ、店長が選定する日本酒との組み合わせが楽しめる。
■圧巻の酒類ラインナップ
「熱海ミニ横丁」では、1000種類以上のドリンクを取りそろえている。なかでも日本酒の品ぞろえは充実しており、「十四代」「而今(じこん)」「新政」「黒龍」といった希少銘柄から、「田酒」「鍋島」などの定番人気銘柄まで幅広くラインナップしている。
圧倒的な充実度を誇るドリンクの品ぞろえ
3メートル近い壁面には、日本酒をはじめ焼酎、ウイスキー、テキーラ、シャンパン、ワイン、リキュールなどが天井までぎっしりと並ぶ。そのなかには、拳銃型や消火器型のユニークなボトルや幻の酒・アブサンなど、コレクター心をくすぐる品も多い。
天井までびっしりとボトルが並ぶ
「山崎」では12年、18年、スモーキーバッチ ザ・セカンドなど、「マッカラン」では12年、15年、18年、レアカスクなどの銘柄も常備されており、その光景はまさに「酒の図書館」といえる。
棚にはジャンルを超えた酒類がずらり
■100種超の珠玉の料理
料理メニューは100種類以上。地元静岡や伊豆半島を中心とした食材を使用し、国内外から厳選した食材を使用している。備長炭を使った炭火焼が定番で、巨大イワシ、ホッケ、赤ムツ、金目鯛といった魚料理は、外はパリっと中はジューシーに焼き上げられ、食材の旨味を最大限に引き出している。肉料理では、鹿児島県の契約養鶏場から仕入れた朝挽きのハツ、モモ、カワ、ぼんじり、鴨肉なども人気。
なかでも刺身の盛り合わせは不動の人気メニューで、地元で水揚げされた黒ムツ、真鯛、太刀魚、本マグロなどの旬魚に加え、毎日1種の“ウルトラ級刺身”が加わる。
「自家製カラスミ」は、店舗オーナーが自ら製造し、都内の高級店にも卸されている逸品で、「炙り〆サバ」は来訪者から「日本一おいしい」との声が上がるほどの名物料理となっている。
魚料理はサクッと香ばしく、ふっくらとジューシーに焼き上げられる
刺身の盛り合わせは不動の人気メニュー
■体験型の空間設計
店舗内は、昭和レトロと現代アートが融合した空間設計が施されている。浮世絵、昭和ポスター、レトロな陶器、射的台、ヴィンテージのおもちゃ、オールドボトルコレクションなどが並び、訪れるたびに新しい発見がある。空間全体が手作業で装飾されており、約3年の歳月をかけて“未完成の美”を表現した唯一無二の体験型居酒屋となっている。安全面にも配慮されており、定期的に補強工事を実施している点も評価が高い。
まるで昭和と現代が融合したかのような空間
■プロフェッショナルが集う厨房
店長の中森英人さんは、魚の目利きと調理技術に長けた職人で、「焼き」の技術は定評がある。その評判から、近隣の有名宿や和食店の料理人たちが臨時スタッフとして厨房に立つこともあるという。
店長をはじめ、プロフェッショナルな料理人がこだわりの食材を調理する
■「唯一無二の居酒屋」を築いた、代表の信念
「熱海ミニ横丁」を手がけた伊豆半島合同会社の代表・布施和広さんは、伊豆半島出身のクリエイター型プロデューサー。広告業界および外食産業で豊富な経験を積み、数多くのヒット企画を裏方として支えてきた。
「横丁ブーム」「激辛ブーム」など、全国的な食の潮流を仕掛けた立役者としても知られ、日本を代表する大規模な食フェスでは主催者や宣伝代行者としての実績を持つ。
さらに、「熱海桜 純米大吟醸」「熱海ラムネ」「毒饅頭」「赤鬼まん」「よだれ肉まん」といったオリジナル商品も発案・監修。「関わるものはすべてヒットに導く」という信念のもと、地元熱海から全国・世界に向けた食の提案を次々と形にしている。
■国内外の食通が集結
来場者は静岡県内(沼津・清水・浜松)が最多で、続いて神奈川県(小田原・横浜)、東京都(23区)、愛知県(名古屋)が多い。海外からは中国(上海)、韓国(ソウル圏)、台湾(台北)、香港、アメリカ(ニューヨーク)などが多く、魚介を目当てとした来訪が主となっている。
新鮮な魚介を求めて、海外からの観光客も多い
■地元・観光客ともに支持される、ユニーク&話題の熱海オリジナルグルメ
店内で提供される自社開発のオリジナル商品「熱海桜 純米大吟醸」「熱海ラムネ」「熱海温泉 毒饅頭」「赤鬼まん」「よだれ肉まん」などは、地元客・観光客を問わず人気を集めている。「ウナギっポイ」は秋の発売予定で、その他コラボ商品も進行中だ。
熱海ラムネ
■今後の展望
同店は料理、酒、空間、サービスといった各要素の質を高め、全体として完成度の高い形へと移行している。個性ある店舗構成と独自の体験型スタイルにより、ほかに類をみない居酒屋としての存在感を強めている。
利用客の中心は地元・熱海の住民に加え、観光客も多く、近年では1泊2日の滞在中に複数回訪れる例もみられるという。国内外から訪れる来場者の間で、「熱海に来たら立ち寄る場所」として定着しつつあり、旅行先での印象に残るスポットのひとつとなっている。
今後も同店では、単なる飲食の提供にとどまらず、来場者に印象深い体験を提供する場としての価値向上を図る方針だ。
熱海の新スポットとして人気を集めている
店舗情報
店舗名称:熱海ミニ横丁
所在地:静岡県熱海市咲見町7-33 ユニオンビル1階
電話番号:0557-82-2588
休日:不定休
アクセス:JR熱海駅から徒歩7分
料理や飲み物、空間、そして人の力で唯一無二の魅力を放つ「熱海ミニ横丁」は、訪れた人それぞれに心に残る体験を提供している。新しい熱海の名所として、ますますの発展が期待されている。
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
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