絵本作家として知られる安野光雅の展覧会「安野先生のふしぎな学校」が、高知県立美術館で2025年7月12日(土)から9月7日(日)まで開催される。
画家・安野光雅が描いた絵本原画や挿絵を紹介
安野光雅は島根県出身の画家。教員として図画工作を教えながら、本の装丁や挿絵などを手掛け、のちに独立。『ふしぎなえ』で絵本作家としてのデビューを果たし、自然あふれる故郷で育んだ豊かな好奇心や創造力や、教員としての試行錯誤の経験から、多くの独創的で親しみやすい作品を生んだ。その繊細な筆致と独特の作風は、国内外で高く評価されている。
展覧会「安野先生のふしぎな学校」は、安野の創作活動の原点となった教員時代に着目し、学校の授業科目に見立てた全10章で構成。安野の故郷・津和野町立安野光雅美術館に収蔵されている作品を通じて、画家や絵本作家、装丁家、デザイナーなど、多彩な顔を持つ安野の画業を振り返る内容となる。
安野が繰り広げる物語の世界
「こくご」と題した章では、安野が手掛けた絵本の“物語”に着目。日本や世界の昔話にユーモアあふれるアレンジを加えた作品や、安野ならではの空想世界を表現した絵本や挿絵などが登場する。また、「えいご」の章では、外国の児童文学にも造詣が深かった安野が「イソップ寓話」をもとに独自のストーリーを展開する『きつねがひろったイソップものがたり』のほか、英語版の絵本も展示する。
好奇心掻き立てる『すうがくの絵本』『天動説の絵本』
安野は、物事を順序立てて考え、その仕組みや法則を自ら見つけて理解することの大切さを絵本を通じて伝えようとしてきた。「さんすう」と「りか」の章では、こうした願いを込めた作品群を紹介。『はじめてであう すうがくの絵本』や、地球の不思議を描いた『天動説の絵本ーてんがうごいていたころのはなしー』など、好奇心を掻き立てる作品が並ぶ。大人も新たな発見ができそうだ。
国内外の人々の暮らし描いた絵画
また「しゃかい」の章では、安野が訪れた国内外の人々の暮らしを描いた作品を取り上げる。世界各地を巡ってスケッチした『蚤の市』のほか、高知県の川を水彩で表現した《鏡川》も公開される。
ポスターや本の装丁も展示
そのほか、遊び心に満ちた森の風景を描いた『もりのえほん』を紹介する「ずこう」や、ポスターデザインや本の装丁など、安野が手掛けた幅広い仕事に触れることができる「自由研究」など、様々な観点から作品を知ることができる章を用意。「ふしぎな学校」に入学して、安野光雅の世界を存分に味わってみて。
【詳細】
「津和野町立安野光雅美術館コレクション 安野先生のふしぎな学校」
会期:2025年7月12日(土)〜9月7日(日) 会期中無休
会場:高知県立美術館
住所:高知県高知市高須353-2
開館時間:9:00〜17:00(入場は16:30まで)
観覧料:一般 前売 1,120円/当日 1,400円 (1,120円)、大学生 950円(760円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※年間観覧券保持者無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳および被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県および高知市の長寿手帳所持者は無料
【問い合わせ先】
TEL:088-866-8000
【写真付きで読む】安野光雅の展覧会「安野先生のふしぎな学校」高知で、絵本原画など約150点展示
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