放送中のドラマ『人事の人見』(フジテレビ系)に出演している女優の前田敦子さん(33歳)にいま、再評価の波が起きています。
前田さんは先日5月10日に放送されたバラエティ番組『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)に出演。その様子がネットで大好評を得ました。
◆顔の圧で乗り切ろうとする前田敦子に大反響
前田敦子さんは『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)の人気企画「ボムマジ爆発」に出演。
ドッキリとして招集されたチャレンジャーが、出題される言いにくいフレーズを全員が1度も噛まずに5周言い切れれば成功となり、賞金10万円を獲得できるという企画で、3回失敗してしまうと全員のイスが爆発し、座面にしかけられているビリビリをくらう罰ゲームが待っています。
今回は『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』のレギュラーメンバーであり、『人事の人見』で主演を務めるTravis Japanの松田元太さんとともに、ドラマで共演する前田さんと松本まりかさんが企画に挑戦。
自分が多少甘噛みしても目を見開いて乗り切ろうとしたり、松田さんが明らかにミスをしていてもスタッフに「今の何がダメですか? わかんないです」、「大丈夫です!」とスタッフに詰め寄ったりしていた前田さん。
その後も最後までバキバキの目をしながら顔の圧力と声の勢いを見せるなど、番組の盛り上がりに大いに貢献していました。
◆元絶対的センターの光と影
放送中にはX(旧Twitter)で「前田敦子がこんなに顔芸できて面白いって知らなかった」、「あっちゃんの好感度かなり上がった」、「さすがAKBの全盛期にずっとセンターだっただけあって度胸ある」といった反応がありました。
今年34歳になる前田さんと言えばご存じのように2005年にAKB48のオーディションに合格してデビュー後、絶対的センターとしてAKBの国民的人気を支えたメンバーです。
当時は、CD購入者による投票でメディア選抜の順位が決まるシステムが採用されていたことから、他のメンバーを上位に押し上げたいファンも多く、結果的に前田さんへのアンチが増える原因になったとも言われています。
大島優子さんと人気を二分していた第3回総選挙で、1位に返り咲いた際の「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください!」という前田さんのスピーチは、今でも記憶に残っている人が多いでしょう。
2012年にAKB48を卒業すると女優業にシフトチェンジしましたが、当時は元アイドルという肩書きから主演に抜擢されることについて否定的な声も多く、なかなか人気女優という位置には行くことができていなかった印象です。
そして2018年には俳優の勝地涼さんと授かり婚の後、出産を経て2021年に離婚を発表。
華々しかったAKB時代を多くの国民が知っているがゆえに、当時とのギャップが大きく映っていた人も多かったのではないでしょうか。
◆離婚や子育て、人生経験から成熟した表現力
しかし着実に女優業のキャリアを積んでおり、絶えずドラマや映画に出演している前田さん。
AKB48卒業直後には厳しい目が向けられていた演技力も、年齢を重ね、さらに人生の紆余曲折(うよきょくせつ)を経験したことで厚みが増したと評判になっています。これはどんなアンチの声があろうとも、作品の規模や役どころを問わず、自分に来た仕事にすべて一生懸命に取り組んできた成果と言えるでしょう。
特に30歳を超えてからはアカぬけた印象で洗練された大人な雰囲気を醸し出しており、女優としても熟している印象です。実際に現在放送中のドラマ『人事の人見』でも正義感の強いヒロインを演じており、その全力投球な演技は高い評価を得ています。
10代の頃から芸能界の酸いも甘いも経験し、離婚や子育てなど、さまざまな人生経験からくる深みのある表現力が、女優としてのキャリアを長く積んで今まさに花開いているのでしょう。
◆事務所独立で自分らしく生きる姿に応援の声
また前田さんは2021年から所属していた太田プロダクションとの契約を終了し、独立して株式会社Atsukoを設立しました。
事務所に所属していた頃にはできなかった、プライベートと両立しつつ、自分がやりたい仕事を取捨選択しながら取り組むことができているのでしょう。そうしたのびのびと自分らしく生きている姿も等身大のアラサー女性から応援の声が多いゆえんなのかもしれません。
今回のドッキリGPのように人間性がかいま見える企画で好感度がアップした前田さんですが、今後も女優としてもますます評価がうなぎ上りになっていくのではないでしょうか。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中