4月にスタートした深夜ドラマ『子宮恋愛』(読売テレビ系)は、過激なタイトルと「私の子宮が恋をした。」というセンセーショナルなキャッチコピーで、放送前から注目を集め、放送されるたびに話題となっています。
その内容のインパクトゆえに、主演の松井愛莉には「またこういう役?」といった声も上がり、ネット上では賛否が分かれています──。
◆第1話から下腹部のアップ描写が話題に
『子宮恋愛』は、夫とのセックスレスに悩むアラサー女性が別の男性に惹かれていく姿を描いたラブストーリー。松井愛莉が演じる主人公は、本音を言えないまま、子どもを望んでも向き合ってくれない夫や、生理の重さに日常を左右されるなど、女性が抱える“生きづらさ”をリアルに表現しています。
しかし第1話では、夫役の沢村怜との濃厚なベッドシーンに加え、同僚から「“主人”って言い方やめたら? 人生の主人公でしょ」と言われてときめく場面で、松井の下腹部がアップになり、水がポチャンと落ちる効果音が流れる──といった深夜ドラマならではの演出が盛り込まれました。
特にこの同僚との場面はX(旧Twitter)で切り抜き動画が拡散され、「子宮が恋に落ちるって表現、さすがに気持ち悪い」「あからさまに下腹部を強調するなんて原作に無い」など、視聴者の間で賛否が巻き起こりました。
結果としてドラマは初回から大きな話題となり、第1話はTVerで100万回以上再生されるヒットとなりました。
◆性的な話題作に多く出演している松井愛莉
こうしたドラマ内容の賛否とともに、主演の松井愛莉に対しても「もっと仕事を選んでほしい」といった心配の声がネット上で少なくありません。
松井は近年、漫画原作の性的・過激なテーマを扱ったドラマに多く出演しており、ラブホテルのスタッフとしてさまざまな恋愛相談を受ける『ラブホの上野さん』(フジテレビ系)や、ハイスペック社長を奴隷にする派遣社員役の『この男は人生最大の過ちです』(ABCテレビ・テレビ朝日系)、婚約者である高学歴商社マンと筋骨隆々の肉体労働者の男性との間で揺れるお嬢様を演じた『エロい彼氏が私を魅わす』(FOD)など、ヒロインとして多数の作品に出演しています。
さらに少しさかのぼりますが、『オトナ高校』(テレビ朝日系)では性経験豊富な“エロ小悪魔教師”を好演したほか、実写化された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)では、原作通りとはいえ「あなる」というあだ名のキャラクター・安城鳴子役を演じて当時話題を呼びました。
もちろん、それ以外にも多くのドラマ・映画に出演しており、俳優業でしっかりとキャリアを積んできた松井。しかし、これらの作品群が印象として強く残っていることから、「松井愛莉、仕事に恵まれてないのでは?」「本人がやりたくて選んでいるならいいけど……」「元アイドルで170cm長身の正統派美人だからこそ、役とのギャップが気になる」など、さまざまな反応が寄せられています。
◆「松井ならやりきる」制作サイドにとって頼れる女優
性的なテーマの作品に多く出演していることから、松井愛莉のキャリアを心配する声もある一方で、主演作が続いているのは実力の証とも言えるでしょう。
たとえば『エロい彼氏が私を魅わす』では、脚本家・野島伸司が松井を名指しでヒロインに起用。『高校教師』『未成年』など数々の話題作を手掛けてきた野島氏が信頼を寄せる存在であることは、大きな評価です。
また制作側にとっても、“攻めた設定”の作品で真っ先に名前が挙がる存在になっている可能性は高いでしょう。本人がどこまで作品を選んでいるのかは定かではないものの、「どんな仕事でも全力で引き受ける姿勢がカッコいい」「他の女優が断りそうな役も堂々と演じていて好感が持てる」といった声もネット上では散見されます。
◆清純派ひしめく20代後半女優の中で、一線を画す松井愛莉
今回の『子宮恋愛』では、繊細で気が弱いけれども、道ならぬ恋に目覚め、成長していく女性を演じています。勝気な女性も臆病な女性も演じ分けられる幅の広さに加え、180cm超の俳優と並んでも映えるスタイルと、表情の豊かさを兼ね備えているのは元モデルならではの強みでしょう。
生々しくなりがちな深夜ドラマの演出も、彼女のビジュアルと演技力によって“作品として成立”させている部分があるのかもしれません。
28歳の松井は、現在の20代後半女優の中でも異色の存在です。広瀬すず、今田美桜、橋本環奈、杉咲花、小芝風花など、清純派・小柄な女優が並ぶ中で、松井のキャリアは確かな個性とポジションを築きつつあるように見えます。
『子宮恋愛』の今後の展開はもちろん、松井愛莉が次にどんな“攻めた役”を演じてくれるのかも注目です。
<文/エタノール純子>
【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中