合同会社ネオンライト(ENDLESS SUMMER Studio)は4月24日、『パーガトリー・ブルー』の状況について報告した。同作は2025年7月に「うぶごえ」にてクラウドファンディングを実施した。しかし「うぶごえ」からは、入金予定日より5か月以上が経過しているにもかかわらず、一切送金が行われていないという。同社はうぶごえの代表取締役に対して、刑事告訴の手続きを実施中。法的措置を進める一方で制作は止めておらず、ゲームは必ず届けるそうだ。

『パーガトリー・ブルー』は、主人公だけに見える幼馴染の少女を救おうとする、選択と決断の近未来美少女SFノベルゲームである。東京湾で未知のエネルギーが発見され、日本がエネルギー大国となった未来。主人公の相馬璃人は、次世代型スマートシティでのインターンシップに参加し、新しい日常をスタートさせようとしていた。そんなある日、彼は疎遠になっていた幼馴染の少女と再会。アイドル活動を休止中の彼女は、なぜか主人公以外の人間から認識されなくなっていた。キャラクターとしては、クレイジーな言動が目立つという高校時代の先輩・左右田春奈も登場。近未来 × 美少女 × 謎で、青に囚われたひと夏の記憶が描かれる。

同作は、cittan*(田中文久)氏が代表を務めるインディーゲームスタジオENDLESS SUMMER Studio(合同会社ネオンライト)が手がけている。同氏は、サウンド制作会社スーパースィープに約11年間所属し、ゲームの楽曲制作や効果音制作などを務めてきたクリエイター。cittan*(Sprite Recordings)名義では、美少女ゲーム『LAMUNATION!-ラムネーション!-』の2ndOP楽曲「N.O.S」なども手がけてきた。そんな音楽活動の中で、同氏は自分のやリたい表現がすべて実現できないと感じたのだという。そこで、思春期から影響を受けてきた美少女ゲームカルチャーへの恩返しも込めて、『パーガトリー・ブルー』の制作をスタートした。制作にあたっては同氏が原案・シナリオ・音楽を担当。メイン原画などをドルゾ〜氏が務めるなど、数名のスタッフが加わる形で本作の制作が進められているようだ。

そして2025年7月には、「うぶごえ」での『パーガトリー・ブルー』のクラウドファンディングが実施された。同クラウドファンディングでは2025年9月までのキャンペーン期間中に、485名の支援者により目標金額700万円の156%にあたる1093万5092円が集まっていた。

うぶごえは、2021年1月にサービス提供が開始されたクラウドファンディングサービスだ。同サイトは、岡田一男氏が代表を務めるうぶごえ株式会社が運営。サービス開始時のプレスリリースでは、業界初の手数料システムを採用したと謳っており、支援者の決済金額にシステム利用料330円と購入額の数%(2025年7月の本クラウドファンディングでは14%)を上乗せする形式が採用されていた。

しかし2026年4月に、同サイトにてクラウドファンディングを実施したイシイジロウ氏によるプロジェクト『シブヤスクランブルストーリーズ』において、うぶごえからの入金が滞っていると発表。さらに4月15日からはうぶごえのサイト自体が閲覧できない状態となり、記事執筆時点においてもアクセスできない状態が続いている。なおうぶごえの公式X(旧Twitter)アカウントによれば、同サイトは復旧中なのだという。

そうしたなかで発表された合同会社ネオンライトのプレスリリースによると、『パーガトリー・ブルー』においてもクラウドファンディングの支援金を代理受領しているうぶごえから、一切の送金がおこなわれていないのだという。本作のプロジェクトでは、もともと2025年11月末に入金予定日となっていたが、11月時点でうぶごえによる入金は行われなかったとのこと。ネオンライトの督促に対して、うぶごえの担当者は2025年12月に「12月15日着金予定」と回答したものの、再び入金はされず。12月17日には、うぶごえ代表の岡田一男氏より債務弁済誓約書を受領し、12月26日の入金が約束されたが、それでも入金はおこなわれなかったと説明されている。

その後、うぶごえ側は2月にも振込予定を伝えたが、その際も入金が行われなかったとのこと。当初の入金予定日であった2025年11月30日から5か月以上が経過しているにもかかわらず、うぶごえからは一切の送金がおこなわれていないわけだ。

ネオンライトは、うぶごえによる入金が行われない状況を受けて、2026年1月に弁護士に正式に依頼。2026年2月からは、岡田一男氏が業務上横領を行なったものとして、渋谷警察署にて刑事告訴の手続きを行い、同署刑事課知能犯捜査係で銀行口座の照会などを開始しているという。うぶごえ及び岡田氏に対する民事訴訟についても、今後の推移を踏まえて判断するとしている。

そうした法的措置を進める一方で、cittan*氏は『パーガトリー・ブルー』は必ず完成させ、支援者やゲームを待っているプレイヤーに届けるとコメントしている。支援金は一切届いていないものの、資金の有無にかかわらず預かった想いを形にする責任は同氏自身にあると考えているそうだ。なおcittan*氏のポストによれば、すべてCSVで管理しているため、支援者への連絡手段は無事とのこと。今後の活動報告についても別途準備が進められているという。また同作では、自己資金にて新たな資金調達によって制作を進める計画を準備中であるそうだ。

『パーガトリー・ブルー』は、完成に向けて制作継続中だ。

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