Linux版GeForce NOWで旧型ノートPCをゲーミングPCとして活用する

 NVIDIAが2026年1月29日にクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」のLinux版クライアントアプリを発表したが、現在そのベータテストが開始されている。これはWindows 10のサポートが終了して、眠っている旧型ノートPC活用のチャンスだ。ここでは Core i7–10510U搭載ノートPCにUbuntu環境を導入して、GeForce NOWでゲームをどこまで楽しめるのか追求していく。それは、思ったよりもずっと快適なゲーミング体験なのであった。

Linux版GeForce NOWはx86/x64 CPUで動作

 まずは、「GeForce NOW」について簡単に説明しておこう。これは自分が所有しているゲームをクラウド経由でプレイできるサービスだ。Windows、macOS、ChromeOS、iOS、Android、スマートテレビ、Android TVなど幅広いデバイスに対応。

 クラウド側でゲームを動かすので、マシンパワーがなくても高速なインターネット回線があれば、どこでも快適にプレイできるのが特徴といえる。しかも、クラウドでも多くのローカルゲーム体験よりも低遅延を実現しているという。現在では対応ゲームは4,000以上と、人気タイトルはほぼ網羅されている状態だ。

クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」。4,000以上のタイトルに対応しているプランはFree(無料)、Performance(月額1,790円)、Ultimate(月額3,580円)の3種類で利用できる時間やサービスに違いがあるクラウドでもローカルでプレイするXbox Series Xよりも低遅延を実現しているという

 このGeForce NOWのクライアントアプリにLinux対応版が登場した。2026年4月中旬の原稿執筆時点ではまだベータテストの段階だが、OS要件はUbuntu 24.04 LTS以降、動作要件はx86/x64 CPU(デュアルコア、2GHz以上)、H.264/H.265 Vulkan動画コーデックに対応したGPUとなっている。旧型のノートPCでも十分満たせる要件となっており、Windows 10のサポートが終了して眠っているPCがあればゲーミングPCとして復活させられるというわけだ。

 そこで今回は、旧型のノートPCとしてCPUにCore i7–10510Uを搭載する「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」を用意した。2020年発売のWindows 10搭載機で、GPUはCPU内蔵のUHD Graphicsという14型のビジネス向けノートだ。これにUbuntuをインストール、GeForce NOWのUltimateプランにて、どこまで快適にゲームをプレイできるのか検証する。

 なお、求められる回線速度は解像度やフレームレートによって異なり、フルHD解像度で60fpsなら25Mbps以上、4K解像度で120fpsなら45Mbps以上、フルHD/WQHD解像度で240/360fpsなら55Mbps以上だ。インターネット接続については、有線LAN、または5GHz Wi-Fiを推奨している。

今回用意したのはLenovoの「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」。Core i7–10510Uを搭載する14型ノートPCだ

 Ubuntuの導入はWindows PCにて、UbuntuのWebサイトから最新のISOイメージをダウンロード。ブータブルUSBメモリを簡単に作成できるアプリのRufusを使って、USBメモリにISOイメージを書き込む。そのUSBメモリをThinkPad X1 Carbon Gen 8でブートしてインストールという手順だ。筆者が試した限り、ドライバ類も自動的にインストールされて、特に設定しなくても動作する環境となった。

UbuntuのWebサイトから最新のISOイメージをダウンロードRufusを使ってISOイメージからインストール用USBメモリを作るのが手軽だ

 Ubuntuの準備ができたら、GeForce NOWアプリの導入だ。ここで注意したいのは、アプリセンターからダウンロードできるGeForce NOWアプリはバージョンが古いこと。導入するには、NVIDIAのWebサイトから実行ファイルをダウンロードしてインストールを行なおう。

 Ultimateプランには、ほかのプランにはない最大5Kの解像度、最大360fps、サラウンド 5.1/7.1オーディオ、Cloud G-SYNCなど多彩な機能がある。中でも強力なのが、一部タイトルではGeForce RTX 5080ベースのリグに接続できること。サイバーパンク2077、モンスターハンターワイルズ、Starfield、Doom: the Dark Agesなど描画負荷が高いタイトルが多く、GeForce RTX 5080のパワーを使って、レイトレーシングなど美しい描画でプレイできるのが強みだ。フレームレートも最大360fpsを設定できる。

 ただし、Linux版のGeForce NOWアプリはベータテスト段階ということもあって、Windows版、macOS版では対応しているHDR映像のストリーミング、AV1コーデックでのストリーミング、サラウンド 5.1/7.1オーディオ、Cloud G-SYNCなど一部機能は現時点では対応していない。

モンスターハンターワイルズなど描画負荷の高いゲームがGeForce RTX 5080での接続に対応。VRAM容量に関しては市販カード単体よりも多く、約44GBもあるあらゆるデバイスを高性能ゲーミング機に変える

 GeForce NOWはすでにゲーミングPCを持つヘビーなゲーマーにもオススメだ。ヘビーゲーマーなら数多くのゲームをすでに所有しており、プレイしきれない“積みゲー”が多いはず。その点、GeForce NOWを活用すれば、寝室で寝る前にタブレットやスマホでちょっとだけプレイというスタイルにも好適。2026年2月にはFire TV Stick向けGeForce NOWアプリの提供も開始されており、リビングでも手軽に楽しめる環境が整っている。

 さらに、今回の検証で分かる通り、ビジネス向けの旧型ノートPCでも快適に動くため、出張や旅行先で息抜きにプレイしたり、期間限定のイベントをこなしたりといった使い方も可能だ。FPS、格闘ゲームのアップデートによる変更点の確認や、新キャラが追加されたときのお試しといった使い方もアリだろう。

 GeForce NOWは、GPU非搭載でOSサポートが切れた「過去の遺産」を最前線のゲーミングPCへ蘇らせる蘇生装置であり、同時にFire TVやモバイルデバイスでもプレイ可能とゲームライフを確実に充実させてくれるサービスなのだ。

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