
サンクチュアリの物語に新たなページが加わろうとしている。
プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用アクションRPG「ディアブロ IV(Diablo IV)」の新拡張パック「ディアブロ IV: 憎悪の帝王」がいよいよ4月28日に発売される。
「憎悪の帝王」は、「憎悪の器」に続く2本目の拡張パック。新エリア「スコヴォス」で展開する新たなキャンペーン、新クラス「パラディン」、「ウォーロック」の追加をはじめ、新たなシステムの追加や既存システムの大幅な改修が行なわれる。
新クラスの1つ「パラディン」は予約開始に合わせて解放されており、先行購入した人はすでに遊ぶことができている。今回、4月28日の発売に先駆け、4月中旬から全世界のメディアを対象とした先行体験会が行なわれた。筆者も参加して新クラス「ウォーロック」をたっぷり触ることができた。
新システムや新エリア、そして悪魔を拘束してコキ使う“外道の極み”といった風情の新クラス「ウォーロック」の魅力を、このレポートでたっぷりとお届けしたい。
ネタバレは最小限にしているが、システムの紹介などで一部「憎悪の帝王」のメインストーリーにも触れていることをお断りしておきたい。
まずは「ディアブロ IV」のシステムをおさらい
「ディアブロ IV」は、敵を倒して手に入れたアイテムでキャラクターを強化していくハック&スラッシュ(ハクスラ)ゲームの元祖といえるタイトル。強力なスキルで敵を一気に殲滅し、ひたすらにキャラクターを強化していく。フィールドは広大なオープンワールドになっており、多くのダンジョンやボスが配置されている。基本はソロで遊べるが、パーティーが必要となるコンテンツもある。
使用できるクラスは今回追加される2つを含めた8クラス。レベルキャップは「憎悪の帝王」から70レベルに引き上げられる。本作はシーズン制を採用しており、シーズン開始とともにレベル1から新キャラクターを育てることになる。シーズンが終わると育てたキャラクターは「エターナル」という領域に移動され、次のシーズンで実装されるコンテンツには参加できなくなる。

「The Game Awards 2025」で公開されたトレーラーでは、アカラットの姿を得たメフィストが完全復活する様子が描かれた
これは拡張パックでも同じで、今回の体験もメインストーリーにあたるキャンペーンはレベル1からスタートする。この際、ストーリーをどこから遊ぶかも選択することができる。まったくの新規であれば最初から遊べばいいし、久しぶりの復帰なら「憎悪の帝王」を購入するとバンドルされる「憎悪の器」から始めてもいいし、「憎悪の帝王」から始めることも、ストーリーをすべてクリアした状態から始めることもできる。
「憎悪の帝王」から新たに始める場合も最初にストーリーダイジェストのカットシーンがあるので、ある程度は把握することができる。もちろん、物語を通して描かれるドラマを楽しみたいなら最初から遊ぶことをおすすめしたい。
スキルツリーはパッシブがなくなりバリエーションが増加
本作ではレベルアップに合わせて手に入るスキルポイントを使ってスキルを組み立てていく。スキルツリーにはこれまでアクティブスキルとパッシブスキルが混在していたが、「憎悪の帝王」からはアクティブスキルのみになり、パッシブはパラゴンボードで育てていく形に整理された。
アクティブスキルには3つの強化ノードと4つの追加効果ノードがあり、それぞれから1つを選ぶことができる。スキルを強化できる段階も15段階へと引き上げられた。この変更によって、パラゴンボードが解放されるまではひたすらに技を強化していき、スキル強化が一段落してからキャラクター自身の能力を上げていくという形になり、煩雑さが解消されている。

新しくなったスキルツリー。クラスターがよりわかりやすくなった手に入れにくいが効果は強力な新たな強化要素「タリスマン」
タリスマンは、古代の力を宿したホラドリムの秘宝。ゲームの序盤に入手することができ、以降はキャラクター画面から設定できるようになる。
タリスマンの中央には「ホラドリムの刻印」をセットするための穴がある。ここに刻印をセットすると周辺のスロットが解放されて、「チャーム」をセットできるようになる。最初に手に入る刻印では3つのチャームをセットすることができた。
タリスマンはゲーム序盤でアンロックできる
チャームは単体でも強力な効果を持つ
刻印は複数あり、レアリティの高いものほどたくさんのスロットが解放される。チャームは、キャラクターのステータスを強化する様々な効果を持つ。「ホラドリム・セット」というセット効果を持つチャームも存在しており、同じ系統のチャームを複数セットすることで追加のセットボーナスを受けることができる。
チャームはなかなか入手が難しいアイテムのようで、終盤までプレイしてもまだまだ空きスロットの方が多い状態だった。全ステータス向上など強力な効果を持つものもあるだけに、かなり腰を据えて集める必要がありそうだ。
悪魔を支配して自分のために働かせる「ウォーロック」
新クラス「ウォーロック」は悪魔を召喚して戦うクラス。同時に実装される「パラディン」とは光と闇で対をなす存在だ。
キャラクターの見た目はネクロマンサーと同様に一見悪役っぽいダークな雰囲気。目には白目がある部分が黒く、瞳だけがギラついており、「悪」という雰囲気でキャラクターを作りたい人は待ち望んでいたであろう邪悪さだ。

ダークなキャラクターが好きな人向けのウォーロック
マウントはバジリスク
戦闘スタイルは、悪魔の大軍を召喚して敵を制圧する「隷属の悪魔」、業火と秘めたる儀式で戦場を蹂躙する「破滅的な荒廃」、敵も悪魔も束縛し、地獄の力で思うままに操る「暗黒の覇道」の3種。
悪魔を召喚して戦うという部分は、ミニオンを召喚して戦うネクロマンサーと似ており、業火で焼き尽くすのはソーサラー的でもある。
その特徴は圧倒的な支配感だろう。召喚される悪魔の多くは拘束されており、無理やりコキ使われている感がある。例えば、防御スキルの1つ「苦悶のレッチ」は、両手と頭を拘束された悪魔が現れ、苦悶の叫びで周囲の敵を挑発する。悪魔を身代わりにして自分は安全を確保するというまさに「外道」な技だ。この「苦悶のレッチ」は、強化と追加効果の選び方によっては、範囲内にいるキャラクターのダメージを引き受けてくれるという非常に便利な効果があり、逃げ切れない攻撃を避けるためのバリアとして大活躍してくれる。
筆者のお気に入り悪魔「苦悶のレッチ」
別の防御スキル「苦悶の壁」では悪魔5体を召喚して1列に並べ、攻撃を受ける盾に使う。悪魔は並んだまま手にした武器で前方を攻撃するので防御しつつ、攻撃もできる。
便利だが、設置場所がなかなか難しい殴る盾「苦悶の壁」
他にも鎖を召喚して掃除機のように敵を吸い寄せる「闇の監獄」や、床の裂け目から炎が噴き出す「地獄の裂け目」、敵に紋章を付与して召喚した悪魔の標的にする「逆位の紋章」など「鎖」、「炎」、「紋章」が象徴としてスキルの中に用いられている。
敵を集めて拘束する「闇の監獄」
4つのうち1つしかセットできない「奥義」は、巨大なグレートソードを持った巨大な悪魔を召喚する「底なし淵の悪鬼」、自身が悪魔に変異する「メタモルフォーゼ」、巨大な円範囲内にいる敵すべてにダメージを与える「終焉」、大量の悪魔がうごめいている円形のエリアが敵に向かって移動しながら攻撃する「恐怖の群れ」の4種類がある。
筆者が逃げ回っている最中もずっと攻撃してくれる心強い「底なし淵の悪鬼」
筆者は派手さで「底なし淵の悪鬼」がお気に入りだ。設置型なので動き回るボスだと攻撃範囲を外れてしまい、剣を構えてじっとしてしまうこともあるが、薙ぎ払う剣で着実に敵を削り殺してくれる。
どのスキルも派手で使っていて楽しいが、何よりも敵に負けないくらいワラワラと悪魔を呼び出しまくる召喚スキルを中心とした戦いは賑やかでとても楽しい。ぼっちで挑むダンジョンでも、楽しい仲間がたくさんついてきてくれるので怖くない!
基本スキルの1つ「フォールンに命令」ではフォールンを呼び出して敵にけしかける。基本はすぐに消えるが、ビルド次第で同行させることもできる
これらの悪魔を召喚するには「統治力」が必要だ。ウォーロックは「統治力」と「憤怒」という2種類のリソースを持っている。「憤怒」は主に炎を使った攻撃などで減り、「統治力」は悪魔を召喚することで消費する。前述の「苦悶のレッチ」は2体呼び出すと「統治力」がほとんどなくなる。時間で回復するが、スキルとして呼び出した悪魔は一定時間で消えてしまうので、呼び出すタイミングなどを考えつつ戦う必要がある。
ウォーロックは「統治力」と「憤怒」という2種類のリソースを使い分けるソウル・シャードシステムによってペットのように悪魔を使う
前述のようにスキルで呼び出した悪魔は一定時間で消えてしまうが、ずっとそばに付き従う悪魔も召喚することができる。それがソウル・シャードで呼び出す4体の悪魔だ。それがソウル・シャードで呼び出す4体の悪魔だ。
レベル30になると「ソウル・シャード」が解放される。ソウル・シャードは、「欠片」と「断片」を組み合わせて使うことで、永続的に悪魔を呼び出して使役し、アクティブスキルを使って悪魔に命令したり、連携したりすることができるシステム。
ソウル・シャードの設定画面
欠片には「レギオン(軍団)」、「先駆け」、「才腕」、「儀式主義」という4種類があり、それぞれに追加効果が得られる3つの「断片」がある。選べるのはそれぞれ1つだけで、選ぶとスキルツリーに悪魔を召喚するためのアイコンをセットできるようになる。
欠片と断片は、専用のクエストで悪魔と戦うことで手に入れる。例えばレギオンのソウル・シャードでは「アエ=グロム」という悪魔を召喚できる。
アエ=グロムとその穢れた子どもたち
悪魔を召喚するための欠片は、戦闘して勝利することで入手できる
アエ=グロムはタコとナメクジを合わせたような醜悪な姿の悪魔で、「落とし子の断片」を組み合わせることで、常に数体のレッサーデーモンを生み出し続けてくれる。
召喚すると、一群がネクロマンサーのミニオンと同じように軍団を組んでキャラクターに同行する。敵を見つけるとオートで戦闘するので、一度召喚した後は基本的に放置しておいても問題ない。
たくさんの敵が待ち構えている場所に切り込み隊として突っ込んでくれるので前衛をアエ=グロムに任せつつ、後ろから敵を集める範囲などを設置しつつ司令官ポジションで高みの見物を決め込むことができた。
アヴォディアン。召喚すると時々しゃべる
他にも一番ペットっぽい見た目の「アヴォディアン」、普段は地中にいて影だけが付き従うのがかっこいい「ラアリシュ」などの悪魔も使役できる。クエストも絡んでいるものなので、詳細はぜひ自分でプレイして確かめてほしい。
南欧ムードが漂う明るい雰囲気の新拠点テミス
ここからは、新エリアやキャンペーンについてネタバレにならない程度に紹介したい。新エリア「スコヴォス」は、サンクチュアリの南西にあるいくつかの島が集まった群島の総称だ。
スコヴォスには船で行く。船に乗るとモンスターに襲われるのはもはやお約束
島の入り口ではリリスとイナリウスの巨大な像が来訪者を出迎える
南欧風の白い建物が美しい
すべての島をつなぐように位置する中心都市テミスには、アマゾネスの女王が統べる国がある。この島は、憎悪の御子リリスと天使イナリウスが人類を生み出した場所であり、島の入り口には2人の巨大な彫像が建てられている。
大理石で造られた白い街は、どこへ行っても悪魔と毒蟲だらけの陰鬱なサンクチュアリに比べると、開放的で美しくさえある。噴水のそばでのんびり食事をする人がいたりと、ここにはまだ平和が残っていることがわかる。
噴水の周りにはくつろぐ人たち。「ディアブロ IV」にこんな平和な風景があるとは
地中海性気候を思わせる乾燥した低木が自然を形作っている
スコヴォスも自然が豊かだが、ジャングルだったナハントゥとは違い、低木や小さな葉の植物が生えている地中海性気候らしい風景が広がっている。エメラルドグリーンの海はリゾート風ですらある。
キャンペーンは「憎悪の器」から続くストーリーが語られていく。見下ろし構図のイベントシーンだけでなく、シネマティックな構図のカットシーンも多く使われており、よりキャラクターの感情に寄り添うことができるよう進化している。
キャラクターに感情移入できるようシネマティックなカットシーンが効果的に使われている
地形の変化やフィールドを使った演出も派手で、ボリュームもあるため、キャンペーンを楽しむためだけでも十分にプレイする価値がある。拡張パックとはいえ、レベル1からのスタートなので、サクサクとレベルが上がっていくRPG序盤の楽しさを味わうことができる。
怪魚からガラクタまでいろいろ釣れる「釣り」
「憎悪の帝王」ではバトルに絡まない要素として、新たに「釣り」が追加された。ナハントゥのある場所でクエストを受けることで使えるようになり、以降はマップ上にある水辺の近くなどでアクションホイールの「釣り糸をキャストする」を使うことで釣りができるようになる。
何かがかかると頭上にアイコンが出る
システムは単純で、針に何かがかかると頭上にアイコンが出るので、「巻き上げる」というアイコンを押して釣り上げる。釣れるのはそのあたりで一般的に食されているというおいしそうな魚、そして「魚?」と怪訝に思うような怪魚、さらにアイテムやら素材やらゴミくずやらといろいろなものが釣れる。体験期間中に行われた質疑応答では、将来役に立つかもしれないアイテムが釣れる可能性もあるようだ。
実績の中に大量の釣果アチーブメントが追加されているので、狩りの合間の息抜きに少しずつ埋めていくコレクション要素が楽しそうだ。
釣りができる場所は主に川や海のそばだが、場所によっては流れる溶岩でも釣りができる。もちろん、フィールドなので釣っている最中に敵に絡まれることがあるのもご愛嬌だ。
みんなが食べていそうな普通の魚
溶岩釣りでは嫌な感じの何かが釣れた
釣りの実績エンドゲーム向け新要素「ホラドリムのキューブ」と「作戦計画」
「ホラドリムのキューブ」はキャンペーンの中盤で手に入れることができる新要素。取得後はテミスで使うことができるようになる。
このキューブでは、例えばレア装備をユニーク装備にしたり、ルーンを合成したりと材料を使って合成することができる。エンドゲームの中で貯まった素材や装備を材料に欲しいものを作ることができる。
ホラドリムのキューブ
キューブを起動するとレシピブックも開くので、そこで必要な材料を確認して、キューブのスロットに素材をセットしてから合成する。ユニーク装備の効果をまったく違うものに変えるというような博打要素のあるクラフトも可能だ。もちろんリスクを最小限に抑えるためのアイテムも存在している。

装備のレアリティを上げたり、複数の装備を融合したりと様々なレシピがある
「作戦計画」はキャンペーン終了後に開放される新要素。「奈落」、「獄炎軍団」、「ヘルタイド」、「ナイトメア・ダンジョン」、「ねぐらのボス」、「クラスト地下都市」といったデイリーで遊ぶコンテンツをつないで連戦する作戦が提示されるので、その順序にしたがってコンテンツをクリアすると追加で報酬を得ることができる。

「作戦計画」
「ディアブロ IV」ではメインの物語が終わり、キャラクターレベルがカンストした後も、パラゴンレベル稼ぎや装備の更新などのために、まさにここからが本番というべき多数のエンドゲーム用コンテンツが存在している。マップ上に点在するそれらのコンテンツは数が多いだけに初心者にとってはどこからどのように行けばいいのかわからないことだらけで敷居が高い。
「作戦計画」はそんな初心者がエンドゲームを遊びやすくするためのシステムだ。筆者の場合、解放直後に提案されたルートは「クラスト地下都市」と「ナイトメア・ダンジョン」をはしごするという作戦だった。これが気に入らない場合は別の提案を受けることもできる。
マップから次の場所へワープできる
ダンジョンの達成条件にも作戦計画が追加されている
1つめのコンテンツをクリアすると、2つめの場所にワープするためのボタンが出てきて、移動に時間をかけることなくダンジョンやコンテンツを攻略することができる。気軽に遊びたい人や時間がない時にちょっとだけ遊びたい時などに便利そうだ。
ストーリークリア後から参加できるようになる新しいレア・イベント「反響する憎悪」は、無限に押し寄せながらだんだんと強くなっていく敵と戦うというもの。参加するためには「残響の痕跡」というアイテムが必要になる。
こちらについてもレポートしたかったが、レア・イベントなのでいつでも遊ぶ、というわけにはいかないようで、今回の体験プレイ中には見かけることができなかった。
また、今作からトーメントの難易度が12段階に細分化された。段階を踏むことで上に上がりやすくなっているので、今まではここまでとあきらめていた人も、上を目指しやすくなっている。
トーメントの難易度が12段階に変更された壮大で美しい音楽がドラマチックな物語を彩る
「憎悪の帝王」のキャンペーンは主要なキャラクターたちにとっても非常にドラマチックなストーリーが展開する。そんな物語に使用されているBGMは、非常に情緒的で寂寥感がある美しい音色が印象的だ。
開発スタッフへの質疑応答では、「憎悪の帝王」のBGMはあえて感情に訴えかけるような曲になっているのだそうだ。スコヴォスには政治的な統治者であるアマゾネスの女王と、宗教的な統治者である信託者という2人の女性が登場する。そこでBGMも2人の女性ヴォーカリストが歌っている。
スコヴォスには2人の統治者がいる
今回の拡張パック「憎悪の帝王」では、これまでの「ディアブロ IV」らしからぬ美しい南欧風の風景が楽しめたりと、ベースパッケージとも「憎悪の器」ともまた違った世界観や風景が楽しめる。
約1週間のプレイでは、非常に遊びやすくなったと感じた。特にわかりやすくなり、さらに選択肢や強化レベルが上がったスキルツリーは、新しいビルドの楽しさを提示してくれた。
今作では、本編と2つの拡張パックを通じて描かれてきた物語が、大きな区切りを迎える。音楽、映像、演出にも非常に力が入っており、プレイしていても感情を揺さぶられるシーンが何度もあった。新しいクラスやシステムを楽しみつつ、ぜひ天使と悪魔の物語を見届けてほしい。
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