「anemoi」
ビジュアルアーツのゲームブランド・Keyが手掛けるPC用恋愛アドベンチャー「anemoi(アネモイ)」が4月24日に発売される。「Kanon」、「AIR」、「CLANNAD」と数々の名作を生み出してきたKeyのフルプライス新作としては、2018年リリースの「Summer Pockets」以来、実に約7年半ぶりのタイトルだ。
主人公・速川麦が妹の六花とともに北の地・真澄町を訪れ、雄大な自然に囲まれた田舎町でヒロインたちとスローライフを送りながら物語が展開していく本作。「Summer Pockets(サマポケ)」のスタッフが再集結し、こだわり抜いた演出とシナリオで新たなKeyの物語を届ける。
【Key「anemoi」オープニングムービー】
本稿では、「anemoi」の制作を深掘りするインタビューの第2弾として、ディレクターの佐雪隼(さゆきしゅん)氏とシナリオ統括を務める魁(かい)氏に話を伺った。企画の成り立ちからシナリオ制作の裏側、キャラクターへの想い、そしてKeyが“泣きゲー”として守り続けるものまで、たっぷりと語っていただいたので、ぜひご一読いただきたい。
なお、Keyの歴史と今後の展開、さらには「anemoi」などのフルプライス作品を手掛ける意義などを伺ったビジュアルアーツ代表取締役社長・天雲玄樹氏のインタビューも公開している。
「anemoi」のあらすじ
左からディレクター・シナリオ担当の佐雪隼氏、シナリオ統括・シナリオ担当の魁氏
魁氏:「anemoi」シナリオ統括・シナリオ担当。「AIR」よりKeyのシナリオ制作に携わる。
佐雪隼氏:「anemoi」ディレクター・シナリオ担当。本作では自身もメインヒロインのシナリオを1ルート執筆している。
「anemoi」の全体像。学園モノから“冒険“へ
――まずはお二人の自己紹介と「anemoi」における役割を教えてください。
魁氏:今作ではシナリオ統括と、シナリオの執筆を担当しています。魁です。よろしくお願いします。
佐雪氏:今作でディレクターと、ヒロインのひとりのシナリオを担当しています佐雪です。よろしくお願いします。
――「anemoi」の企画が動き出したのはいつ頃のことですか?
魁氏:「Summer Pockets REFLECTION BLUE」が2020年に発売されて、その翌年の2021年には動き始めていました。実際に「anemoi」になる前から企画をどうするかという話し合いはしていて、2022年の2月には企画書ができて「これでいく」と決まり、その前段階である2021年にはもう走り出していた形ですね。
――企画の出発点はどのようなものだったのでしょうか。
魁氏:構想段階では、メインヒロインとの物語――こういう出会いがあって、こういう別れがあって、というギミックありきでスタートしました。メインヒロインの設定と世界観を先に作って、そこからプロデューサーたちと話しつつ膨らませていった形です。
佐雪氏:話し合いの中でかなり変わっていきましたね。
魁氏:最初は純粋な学園モノをもう一度やりたいなと考えていました。過去の「Kanon」、「AIR」、「CLANNAD」の系譜で、「Summer Pockets」は夏休みの物語だったので、今度は学園モノに戻ってみたいなと。ところが、プロデューサーから「もう1回冒険しましょうよ」と言われまして(笑)。
佐雪氏:ユーザーさんの間でも、「サマポケな感じの作品が出ると思ったら全然違うテイストが来てびっくりした」という声を見かけましたね。そういった点も今回の“冒険”のひとつなんだと思います。
2018年6月に発売された「Summer Pockets」。「anemoi」のスタッフ陣が携わるフルプライス作品となっている
――タイトル「anemoi」はギリシャ神話の風の神々に由来しますが、本作における「風」の役割はどういったものですか?
魁氏:風って、常に人と一緒にあるもの、寄り添ってくれる存在だなというところをスタートにしています。これまた「Summer Pockets」との対比になりますが過去を大事にする物語に対して、今回は過去を振り返らずに、ゆっくりでもいいから、立ち止まらずに未来へ進み続けるというのがテーマのひとつなんです。
――舞台のモデルとなった北海道の苫前町を選んだ理由を教えてください。
魁氏:最初に「風車」がある町を探したんですよ。実際は候補として千葉県も存在したのですが、関東から少し近すぎるなと。もう少し人里離れた場所がいいと考えた際に、北海道にちょうど良さそうなのが2カ所あり、結果的により作品の雰囲気に合う苫前町を舞台にしました。
佐雪氏:ロケハンも過酷でしたねぇ……。2泊くらいかけて。
魁氏:現地で改めて感じたのは、やはり時間の流れが東京とは全然違うことでした。地元の人に「ちょっと行ったら◯◯があるよ」と教えてもらったら、その目的地は30キロ先なんです。信号がないから法定速度(時速60km)で走ってちょうど30分で着くんですけど、「ちょっと」の感覚が全然違います。あとは常に風が吹いていて、止むことがなかったです。
佐雪氏:風車の音がずっと鳴っていて、夜だと結構怖いんですよね。あと街灯もほとんどないからiPhoneのライトで照らして歩くような環境で。でも空を見上げると星がものすごく綺麗でした。
魁氏:そういう空気感は、けっこう作中に落とし込んでいると思います。多少の誇張はありますけど。
作中では北海道の空気感を表現
――「スローライフ」というコンセプトに至った経緯は?
魁氏:田舎を体感するにはスローライフが一番しっくりくるなというのと、このせかせかした世の中、ゲームの中くらいゆっくりしてほしいなという思いがあって。例えるなら「Summer Pockets」が「ぼくのなつやすみ(SIE)」だとすると、「anemoi」は「牧場物語(マーベラス)」ですかね。のんびりと過ごしていけばいいよ、という空気感です。
5人のヒロインと選択肢に込めた想い
――お二人がそれぞれ考える「anemoi」の最大の魅力とは何でしょうか。
佐雪氏:今作は各キャラクターによってルートのシナリオの雰囲気がけっこう変わってくるんです。逆にそれが魅力のひとつになっている。いろんな味が楽しめる“おもちゃ箱”みたいな作品だと感じています。メインヒロインだけでなくサブキャラクターにもルートがあるので、より多彩な体験ができるゲームになっていると強く思います。
魁氏:「Summer Pockets」の時は、Keyの最初の3部作(「Kanon」、「AIR」、「CLANNAD」)を1つにまとめようとしたのですが、今回は“CLANNAD超え”が一つのコンセプトかなと。そういう意味でも、すべてのヒロイン、サブキャラクターにもストーリーがあるわけです。ただ、同じことをしてもしょうがないので、Keyならではの不思議要素をちょっと強めに押し出したのが今回の特徴ですね。
体験版の段階では「ちょっと『Rewrite』味がある」と言われていますが、あの作品ほどバトルがあるわけではありません。例えるなら、「CLANNAD」と「Rewrite」の良いところを持っていく感じです。
佐雪氏:たしかにその印象はすごく強いですね。
――キャラクターごとにルートの色が違うとのことですが、統一感はどう保っているのでしょうか。
魁氏:軸はぶれていないものの、各ライターさんがけっこう好きに書いている部分はあって(笑)。シナリオ統括としては、それを最後にひとつにまとめるのが自分の仕事でした。結果的には、きちんとひとつの物語として収まっています。
佐雪氏:いい意味でまとまっていないかもしれない。でも芯はずれていなくて、最後にちゃんと1本の線として繋がっていく。そこが面白いところだと思います。
――「Summer Pockets」のスタッフが参画しているとのことですが、チームの強みはどういったところでしょうか。
魁氏:「Summer Pockets」が終わった後に「もう1回このチームでやりたい」という話は最初からしていました。強みといえば、みんなわがままで素直なところ(笑)。企画会議で「わかりました」と頷きながらも、微妙に違うものを提案してくるのを繰り返していました。
佐雪氏:リテイクをお願いすると、その場では「かしこまりました、修正します」と100%応じてくれるんです。でも上がってきたものを見ると、言われた通りに直しつつ必ずプラスアルファがある。言った通りには直さないとうのが常にあって(笑)。でもそれで良くなっていく一方なんです。
けっこう貪欲なライターが集まりましたね。そこにさらに貪欲な僕が「自分もシナリオ書いていいですか」と手を挙げて加わったわけですから。
――各ライターのキャラクター担当はどう決めたのですか?
佐雪氏:基本的に、各ライター自身が発案したキャラクターをそのまま担当しています。センターヒロインの辻倉朱比華(つじくら すぴか)については、草案を魁さんが作って、それを新島夕さんに渡して、といった流れでした。
町外れのトレーラーハウスで生活している謎めいた少女・辻倉朱比華
魁氏:朱比華は最初に決まっていたヒロインで、それに合わせて他のキャラクターを作っていきました。新島さんが総羽愛乃の造形を作る時、「朱比華がクールめのキャラだから、対照的にふわふわした娘を作りたい」と言って、愛乃のキャラクターを出したと仰っていました。
主人公の妹で、共に舞台となる町にやってきた少女・速川六花
佐雪氏:僕の場合はちょっと変わっていて。もともと魁さん、新島さん、ハサマさんの3人でキャラクター会議まで進んでいたところに、原画の永山ゆうのんさんから上がってきたキャラクターデザインに一目惚れしてしまって、「このキャラを書いていいですか」と手を挙げ、担当したのが白渡小詠(しらと こよみ)です。
町唯一の郵便屋を営む少女・白渡小詠
――原画にNa-Gaさん、ふむゆんさん、永山ゆうのんさん、きみしま青さんと4名が参加されています。メインヒロインのビジュアルについてのこだわりはいかがでしょうか。
魁氏:実は、メインヒロインたちの瞳の中にそれぞれ固有の記号が入っているんですよ。朱比華だと星のマークが、ハイライトのちょっと上あたりに入っている。イベントCGだとわかりやすいと思います。愛乃はプロペラっぽいもの、淡雪は金平糖みたいな形。そういった共通のコンセプトを各原画さんと共有していました。
愛乃の瞳をよーく見てみると、プロペラのような模様がある
髪飾りや特徴的な長髪の陽彩
佐雪氏:それと、SDイラストにした際にシルエットで誰かわかるような、目立つ特徴をつけるようにしています。原画さんたちから「こういうデザインはどうでしょう」と提案いただいて、積極的に採用していきました。結果的に、全員まったく違うシルエットのキャラクターになったかなと思います。
魁氏:ライター以外の方からもらうアイデアを積極的に取り入れるのは多いですね。
――メインヒロインの辻倉朱比華について、改めてお聞かせください。
魁氏:朱比華は最初の段階では僕が生み出したキャラクターで、プロットまで作ったんですが、新島夕さんが「このキャラ書いてみたい」と言ってくださって。プロットをお渡しして書いていただき、戻ってきたものをベースにまた調整して……というやりとりを繰り返した、タッグ体制で生まれたキャラクターです。ひとりで作ったキャラクターではないですね。
佐雪氏:いろんな方の愛を受けたからこそできたキャラクターだと思います。
魁氏:とあるシーンで朱比華の心の声がすごく出る場面があるんですが、「こいつ、こんなこと考えてたのか」と。クールな装いをしているくせに、意外と頭の中はピンクだったりして(笑)。秘密もいろいろ持った子なので、楽しみにしていただければ。
辻倉朱比華(CV:平塚紗依さん)
――次に、速川六花について。
魁氏:Keyのゲーム作品で、主人公の妹――「お兄ちゃん」、「兄さん」と呼んでくれるヒロインって、実はいなかったんですよ。新しいものを作りたいと考えた時に「そうだ、妹だ」と。
――義理ではないんですね。
魁氏:義理なんて逃げですよ! 最初から実の妹という設定で、義理にするかどうかの議論はまったくなかったですね。ここ、ぶっとく書いておいてください。実妹です!
速川六花(CV:涼泉桜花さん)
――佐雪さんが担当された白渡小詠はいかがですか。
佐雪氏:皆さんの評判を見ていると「風子っぽい」と書かれていて、確かに「CLANNAD」の伊吹風子に近しいものはあるかもしれません。風子が持っていた木彫りのヒトデには姉の結婚式に出席する人を集めるという理由があったわけで、じゃあ手紙を配り続ける小詠の先にあるものは何なのか……というところを想像していただけたら。ちょっと業が深いです。
魁氏:郵便配達のためなら何でもする、ある意味で無敵なキャラクターですよね。
佐雪氏:何かに集中しているキャラクターには、それに依存しているんじゃないかという不安がどうしても漂うんです。「手紙を配らなきゃ、私は私じゃない」みたいな。そういう部分も含めて描いています。
白渡小詠(CV:会沢紗弥さん)
――キャラクター全体を見ると、何かに対する“執着”が共通項になっている気がしますが。
魁氏:言われてみると確かにそうかもしれません。愛乃は飛行機、陽彩は綺麗なもの、小詠はお手紙、六花はお兄さん……。それぞれ執着が強いですね。
総羽愛乃(CV:長縄まりあさん)
佐雪氏:朱比華が一番まともかも。むしろ執着がない。
魁氏:でも、執着がない理由にも意味があって。その“執着を得る”ことが朱比華の物語なのかもしれません。目的を見失った子が、目的を得ることによって――というのが、メインヒロインの物語の核となります。
淡雪陽彩(CV:千春さん)音楽や掲示板システムを紐解く
――Keyといえば音楽は欠かせない要素です。本作の楽曲へのこだわりは?
魁氏:折戸伸治(音楽プロデューサー)にかなり一任したところはあるんですが、スローライフの世界観ですし、体験版でも提示していますが作中は電気が貴重な世界なので、なるべく電子音は避けようというところからスタートしています。草笛やオカリナといった生音をけっこう取り入れていて、世界観に密接した音楽を作っていただきました。

――楽曲制作のプロセスも独特だったとか。
魁氏:通常は「こんな曲をください」という発注が多いんですが、今回は「折戸伸治の感じる『anemoi』という世界観をプロデュースしてくれ」というスタートでした。外注の方にお願いする際は、得意じゃないジャンルを無理に割り振るのではなく、まずコンペを行って、その人が得意な形で曲を作ってもらう。「この曲はこのシーンに合うかもね」という風にマッチングしていったんです。
佐雪氏:メインヒロインには全員テーマ曲があるんですが、こちらが発注しているわけではないので、上がってきた時に「自分が書いたこのキャラクターが、外からはこう見えているんだ」と曲を通じて初めて知る瞬間があって興味深かったですね。個人的に5人の中でテーマ曲が一際異彩を放っているなと思うのは淡雪陽彩(あわゆき ひいろ)ですね。曲としても面白いし、キャラともぴったりで、もうこれ以外は考えられないくらいです。
【【anemoi】Mystic Star【1時間ループ】】
こちらが淡雪陽彩のテーマ曲「Mystic Star」。発売に先駆けて各キャラクターの楽曲がYouTubeにて公開されている
魁氏:逆に曲を聴いてからシナリオが変わることもありました。「なるほど、こういう雰囲気も確かにありだな」と感じて、キャラクターの性格にちょっと付け足したり。楽曲の方がシナリオより先に上がってくることが多かったので、曲に合わせてシナリオの方を調整していくのは普通にありましたね。
Keyは昔から「殴り合い」と言われてきたんです。シナリオと音楽とイラストが、それぞれ「俺の方が上だ」という感覚で高め合っていく。いい音楽が来ると「シナリオももっと良くしなきゃ」となり、シナリオが上がってくるとイラストが「もっと見せられるようにしなきゃ」となり、音楽が「負けてらんないわ」とさらに上がっていく。その繰り返しなんです。
佐雪氏:ライター同士でも同じで、「何々さんのキャラクター可愛いですよね」と言いながら、内心では「自分の方が可愛い」と思っている(笑)。人気投票が始まったら「新世代のKeyのヒロインだと教えてやるよ」と、みんなそう思ってるんじゃないですかね。
――「anemoi」の選択肢設計で意識したことは?
魁氏:基本的には掲示板システムがメインになります。「Summer Pockets」の時は「夏休みを遊ぼう」や「ここに行ったら誰がいるかな」という意味合いを含めて場所に向かっていく形でしたが、今回は人を重視し、「誰かの依頼を受ける」形にしました。掲示板に各ヒロインやサブキャラクターの依頼書が貼ってあって、それを選んでいくとルートに入っていく形です。ギルドのクエストボードのようなイメージですね。本作はあくまでアドベンチャーゲームなので、会話の選択肢だけでルート分岐するのではなくプレーヤーに“選択している”感覚を持たせたいという思いがあります。
佐雪氏:体験版をまだプレイされていない方に説明すると、大きな掲示板に依頼書が貼ってあって、好きなキャラクターの依頼を選んでいけば自ずとそのルートに入れる形になっています。そのため個別ルートに入る難易度はかなり低いですね。ただ、ちょっとした遊びとして、このキャラクターの依頼をこなしておくと、このルートでお楽しみがある……といった仕掛けも用意しています。
本作ではゲーム中にこのような掲示板が表示されることがある。各項目が選択肢となり、選択したキャラクターのストーリーが展開される
――寄り道することで見える発見があると。
佐雪氏:そうですね、まっすぐ好きなキャラクターのルートに行くのか、寄り道しつつ行くのかで、個別ルートの内容が少しだけ変化します。
魁氏:大筋は変わりませんが、「こいつ、こうだったんだ」という意外な一面が見えたりするかもしれません。あとアレとか結構……。
佐雪氏:ああ、サービスシーンのアレ。アレはねぇ……。
――く、詳しく聞いてもいいですか!?
魁氏:詳細は語れませんが、強いて言うなら、「簡単に六花とお風呂に入れると思うなよ」くらいですね(笑)。
佐雪氏:妹ですからね。そういうサービスショットが見られるところに行くには、ちょっと仕掛けがあったりします。
魁氏:サービスじゃないよ。妹だから。
佐雪氏:あ、ハイ。わかりました。
六花のサービスシーンとは……?
――大変期待しています。話を戻しまして、近年は選択肢システムなしの作品も増えているなか、あえてそれを実装する意義はどう考えていますか。
魁氏:「主人公=ユーザー」という感覚を強くしたいんです。ただの読み物としての没入感もありますが、選択肢なしですとどうしても主人公とヒロインを俯瞰した見方になりがちで。選択肢があるということは、主人公として自分が選択した結果、物語が変わっていく。没入感がまったく違います。そしてそれは、様々なユーザーさんが「あの時にこれを選んだらこうなったよね」と共感を共有できることにも繋がる。ユーザーが物語の一部になる。それが選択肢を残し続ける理由ですね。
佐雪氏:自分で決断してほしいんですよ。決断したからこそ、その結果がプレイ体験と直結する。今作ではバッドエンド付きの選択肢も書きましたが、そこで「この選択をしたからこそ、このキャラクターとより親密になれるんだ」という説得力が生まれる。選択肢が挟まるだけで全然違います。
魁氏:「選択肢が多すぎる」や「邪魔」という声はあるものの、やはり選択肢なしよりはあった方が、最終的なお客さんの満足度は高いんじゃないかと考えています。
――プレイの攻略順におすすめはありますか?
魁氏:今のところは考えていませんが、最終的にはある気がしますね。
佐雪氏:ユーザーさんが決めることを大前提にしたうえで話すと、意外とメインヒロインから行った方がいいかもしれませんね。サブキャラクターのルートはそこまで物語の中核には踏み込みませんが、ところどころ「これってなんだろう」という疑問が残り続ける。先にメインをやっておいた方がより楽しめるルートはあるかなという感じです。
魁氏:たしかに。
佐雪氏:でも、改めて考えてみると難しいですね。あ、でもこの娘は先にやらないほうがいいかな……。
魁氏:ああ、なるほどちょっとクセが……。でも結構重要なワードが……いや、この話は止めましょう。
佐雪氏:まわりまわって、実は朱比華(すぴか)が一番いいのかな……。美少女ゲームに慣れたユーザーさんは、センターヒロインを最後にとっておこうとするかもしれませんが。
魁氏:案外、朱比華から始めるのが一番の入門編かもしれません。世界観の説明みたいな部分も請け負っているので。
佐雪氏:でも、やっぱり好きなヒロインからで大丈夫です!
朱比華のルートが入門編となっているようだ
インタビューの後半では体験版でも話題となった本作の展開についてや、現代に作品を送り出す意義についての内容を聞いている。

WACOCA: People, Life, Style.