
さあ今週も、ホラーフリークス垂涎の週刊連載「#アナタの知らない恐怖の世界」のお時間がやってまいりました。本企画は、ホラーゲームを愛してやまない筆者が、PC/コンソールを中心に発売直後または発売予定の“旬”のイチオシ新作ホラーゲームをピックアップしていくというもの。
さらに今回から映画、企画展などさまざまな分野のホラーコンテンツに関するホットな最新ニュースもお届けいたします!これを読めばホラー界隈のすべてが丸わかりの要チェック連載です。
【連載】崩壊直後のソ連舞台の“ヒトコワ”系ホラーサスペンスから、『バイオ』ライクな孤島脱出サバイバルホラーまで!今週ホットな新作ホラーゲーム【#アナタの知らない恐怖の世界】 | Game*Spark – 国内・海外ゲーム情報サイト

今週も気になるイチオシ作品をドドンとご紹介。
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【今週イチオシ最新ホラーゲーム】
◆『Dollhouse of Dead Demo』(Steam)
本作は、一人称視点の脱出ホラーアクションゲーム。シングルプレイヤーおよオンラインマルチプレイヤーに対応しています。
舞台となるのは、AI搭載のおもちゃを販売する世界有数のメーカー「ドールハウス株式会社」にある放棄された工場。プレイヤーは、制御不能となり襲いかかってくる「殺人玩具」から身を隠しながら、さまざまな廃棄物を回収し、そこから材料を抽出しお金に変え、エリアを広げて脱出することが目標となります。

筆者はデモ版をプレイしてみましたが、工場内を徘徊するウサギやテディベアなどの殺人ドールたちがとにかく怖い。『R.E.P.O』が持つトゥーン調の雰囲気と比較すると、本作はかなりリアル寄りの雰囲気とグラフィックなので、クリーチャーや周辺環境などがいっそう恐ろしく感じました。また、致命的なトラップやドールが擬態したオブジェクトといった即死の危険性があらゆる場所に潜んでいたことも印象的でした。


『R.E.P.O』をはじめ、『Phasmophobia』などの協力型ホラーが好きなプレイヤーには特にオススメできるホラーアクションゲームです。
ジャンル:協力型脱出ホラーアクション
対応言語:日本語
機種:PC(Steam)
発売日:2025年9月12日(デモ版)
◆『CORPOREAL』(Steam)
本作は、一人称視点のサイコホラーアクションゲーム。プレイヤーは「超常現象調査官」となって、不気味な幽霊の出ると噂の廃病院や薄暗い森を探索。それぞれの事件を通して、忘れ去られた過去の伝説や、町を覆う謎の真相を明らかにしていきます。

特徴的なのは、実在するゴーストハンティング用の機材「EMFメーター」という探知機と、特殊なビデオカメラを片手に本格的な超常現象調査を行えることです。このリアルな廃墟探索の空気感が非常に怖そうだし、どこから幽霊が飛び出てくるか分からない不気味さがあります。

また、プレイヤーの使命は超常現象の起こる呪われた場所を儀式を通して浄化すること。そして「アストラル」と呼ばれる聖なるパワーを操り、現れた異形の悪魔たちを追い払い倒すソウルライクなアクション要素もあるようです(トレイラーでは確認できず)。

ゴーストハンティング風のリアルな廃墟探索+戦闘アクションが融合しており、一風変わったホラーゲームがお好きなプレイヤーには刺さりそうな作品です。
ジャンル:サイコホラーアクション
対応言語:日本語
機種:PC(Steam)
発売日:2025年9月15日
◆『Vicious Cycle』(Steam)
本作は一人称視点のサバイバルホラーゲーム。プレイヤーは、自転車をこいで危険な小道を走り抜け、そして徒歩で呪われた森の中を探索。恐ろしい化け物が徘徊する中、隠れたり逃げたりしながらパズルを解き、脱出を図ります。果たして生き延びることはできるのか?


大きな特徴は、自転車を使った移動方法とやりごたえのありそうな謎解き。自転車のか細いライトを頼りにモンスターとチェイスしたり、危険な暗闇の森を駆け抜けていくのが新鮮&めちゃくちゃ怖そうです。また、気味の悪い廃墟の調査は、アイテム探索と挑戦しがいのある謎解きが仕掛けられていて楽しそうだし、敵をステルスでやり過ごす緊張感とスリルを存分に味わえそうです。

特殊な移動システムと王道の探索ホラーが融合した本作は、独特なホラーゲームに飢えているハードコアなプレイヤーにオススメの作品です。
ジャンル:サバイバルホラー
対応言語:日本語
機種:PC(Steam)
発売日:2025年9月18日
◆『Eclipsium』(Steam)
さあ来ました、今週の目玉といえばコチラの『Eclipsium』。本作は、一人称視点のレトロ風サイコロジカルホラーゲームで、『Mouthwashing』『Backshot Roulette』など強烈な個性を放つ作品を次々に送り出すCRITICAL REFLEXがパブリッシャーを担当しています。
プレイヤーは、PS1風のローポリゴンで描かれた奇妙でシュールな「Eclipsium」の異界に迷い込み探索を開始。崩壊する教会や渓谷、グロテスクな工場地帯などの環境をひたすら彷徨い、わずかな光を頼りに出口を見つけ出します。

本作を大きく特徴づけるのは、探索途中で現れる「巨大な女性」の存在。それは正体不明ながら、ある時は巨大な壁のように立ちふさがり、またある時はプレイヤーを誘導するかのように手を差し伸べてくることも。決して言葉を発することもなく、ただこちらをじっと“見守るように”見つめてくるばかり。彼女の存在は、不気味さと孤独に包まれたこの世界における「唯一の希望」となるようです。
確かにこの女性を恐ろしいと思う反面、デモ版をプレイ中に奇妙な安堵感や安心感を覚えたのは彼女こそが「希望の光」だったせいかもしれません。


また、ラブクラフト風の陰鬱な世界観がたまらなく素晴らしい。とはいえ、型にはまった退屈なものではなくオリジナリティが溢れていました。
本作は、非言語的な世界の探索をメインに、「巨大な女性」に見られ続ける奇妙な仕掛けが融合しており、CRITICAL REFLEX系列のインディーホラーが好きな人、刺激的なウォーキングシミュレーターを求めているプレイヤー向けに激推しの期待作です。
ジャンル:サイコロジカルホラー
対応言語:日本語
機種:PC(Steam)
発売日:2025年9月19日
【今週の気になるホラーニュース】★チラズアート『夜勤事件』がまさかの映画化!!
公式サイトより
来る2025年9月12日、インディーホラー作品を中心に開発するスタジオ・チラズアートの名作ホラー『夜勤事件』が、なんと2026年に映画化されるとの発表がありました。
『夜勤事件』は、2020年に発売された短編ホラーアドベンチャーゲームで、深夜のコンビニで夜勤する女子大生にまつわる恐怖を描き出しています。執筆時点でのSteamレビュー数は全2,756件中83%が好評な「非常に好評」ステータスを獲得。個人的には、近年のジャパニーズホラー風の短編ホラーゲームの火付け役にして、新たな潮流を作った重要な作品だと思います。
インディーゲームの映像化続く―チラズアート『夜勤事件』映画化決定!「きさらぎ駅」永江二朗監督 | Game*Spark – 国内・海外ゲーム情報サイト

『8番出口』や『グノーシア』に次ぐインディー映像化。
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そんな『夜勤事件』を映像化するのは、インターネット都市伝説を題材にしたホラー映画「きさらぎ駅」シリーズの永江二朗監督。詳細なキャストなどはまだ不明ですが、公式サイトでは原作を基にした先行ティーザーや、チラズアートと永江監督からのコメントが掲載されています。2026年に全国公開とのことで、今から完成が待ち遠しいですね。
直近でいえば、大ヒットホラーゲーム『8番出口』の原作映画が二宮和也さん主演で8月29日より公開されました。『8番出口』は“異変探し”系の新たなホラージャンルを生み出した偉大な作品。こうしたインディーホラーゲーム原作の映像化が流行の兆しを見せていますが、ホラー好きとしては嬉しくもあり、なんだか寂しい気持ちになることもあり…複雑な心境です。
映画「8番出口」公開!一足先に観た感想。新規異変発生のスイッチ2版も新発売、ゲムスパにも異変など新情報もお届け | Game*Spark – 国内・海外ゲーム情報サイトPR

原作ゲームさながらの異変探しを楽しめる映画化。
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とはいえ、インディー開発者にとっては本当に夢のある話であるし、これを機にホラーゲーム界隈がどんどん活気づけば最高だと思います。
さて、いかがだったでしょうか。今回は最新ホラーゲームに加えて、旬のトピックも交えてご紹介しましたが、これからもますます読者が楽しめるコーナーやコンテンツを増やしていくので温かく見守っていただけると幸いです。
来週もアナタの知らない世界へとお連れいたします……
