近年、国内外有名メーカーや大手ショップのほかにも、バラエティ豊かなBTO PCベンダーが多数活躍している。そんなBTO PCベンダーのひとつで、多彩なゲーミングPCを手がけるオズテック「OZgaming」から、細部にわたってこだわりを感じるミドルタワー型のゲーミングPC「P30series」が登場した。
Ryzen 7 9800X3DとRadeon RX 9070 XTというアッパーミドルクラスのパーツを中核とした構成をピラーレスケースに組み込み、ガッツリ冷えてハデに光る本機は、性能、冷却、見た目とも満足度の高い1台になっている。実ゲームでの性能テストも含めたレビューをお届けしよう。
人気ゲームも4K最高画質で快適にプレイ可能強力空冷でCPUもGPUもバッチリ冷える
ここからは実際の性能をチェックしていく。まずは、CGレンダリングでシンプルにCPUパワーを測る「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」を試そう。
Cinebench 2024の計測結果
PCMark 10の計測結果
Cinebench 2024のスコアは、マルチコアが1,325pts、シングルコアが132pts。これは、Ryzen 7 9800X3Dのものとして順当なスコアで、その性能がしっかり発揮できている。PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が“快適に作業が可能な目安”とされているが、すべて2倍以上のスコアを達成。ゲーミング以外の用途にも対応できることが分かる。
続いて実ゲームでの性能を見てみよう。まずは定番のFPS「オーバーウォッチ 2」を試そう。botマッチを観戦した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定した。
オーバーウォッチ 2の計測結果
フルHD、WQHDで非常に高いフレームレートになるのはもちろん、4Kでも最高画質設定で平均120.1fpsを達成。4K解像度のハイスペックゲーミングモニターを組み合わせてプレイするのもよいだろう。
続いて、アップデートにてFSR 4に対応した「モンスターハンターワイルズ」を実行しよう。ベースキャンプの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。
モンスターハンターワイルズの計測結果
最高画質設定は16GB以上のビデオメモリを求められるかなり重いタイトルだが、RX 9070 XTはこの条件を満たす。FSR 4の効果も手伝って、4Kでも平均127.6fpsとかなり高いフレームレートを出した。
そのほかの重量級ゲームとして「サイバーパンク2077」と「The Last of Us Part II Remastered」を用意した。サイバーパンク2077は内蔵ベンチマーク機能を実行、The Last of Us Part II Remasteredはジャクソンの一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定している。
サイバーパンク2077の計測結果
The Last of Us Part II Remasteredの計測結果
サイバーパンク2077のレイトレーシング:オーバードライブはすべての光源の経路(パス)を再現する“パストレーシング”という強烈な描画負荷がかかる処理が入っているため、4K解像度だとフレームレートは平均55.1fpsに留まる。ただし、WQHDまでは高いフレームレートが出ており、快適にプレイが可能だ。
The Last of Us Part II Remasteredは大容量のビデオメモリを求めるタイトルだが、こちらは4Kで平均176fpsと高フレームレートが出た。相当描画負荷が高いタイトルや設定ではない限り、4Kでもプレイできるパワーを持っていると言ってよいだろう。
最後にサイバーパンク2077を10分間実行したときのCPUとGPUの温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。CPU温度は「CPU(Tctl/Tdie)」、GPU温度は「GPU Temperature」の値を追ったものだ。室温は25℃。
CPU/GPU温度の推移
テスト結果は、CPUは平均63.1℃、GPUは平均56.8℃。スペックから考えると強烈に冷えていると判断できる温度だ。側面2基、天面3基、背面1基、さらにツインファンのCPUクーラーによる冷却力は伊達ではない。それでいて温度測定中に本体から10cm離れた位置に騒音計を置いて計測した動作音は、正面で35.3dB、排気となる天面でも41.9dBとかなり静かだ。エアフローが強力なのでファンの回転数をそれほど上げなくても冷却できている。
流行を上手く取り入れた完成度・満足度に優れた1台
ピラーレスで見た目もよく、ライティングもハデ、性能は十分に高く、空冷ロマンを感じるファンの数で静音性も冷却力もハイレベル、と全方位に満足度が高い1台。Ryzen 7 9800X3DとRX 9070 XTという今人気の組み合わせで約31万円というのはコストパフォーマンスとしても良好。時期によってはキャンペーンやセールの活用でよりお買い得な価格で購入することもできる。
なお、同じ「P30series」でもCPUやGPUの組み合わせの異なるバリエーションも用意されている。パーツの好みや用途などにも応じられるラインナップの充実度も大きな魅力だ。