TVTはインディーゲームイベント「BitSummit the 13th」にて、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC用ローグライクリズムアクション「RATATAN(以下、ラタタン)」をプレイアブル出展した。

TVTのブース

 「ラタタン」は「パタポン(SCE)」の小谷浩之氏がゲームデザイナーを務めるゲーム。今回、小谷氏とプロデューサーの坂尻一人氏から現在の開発状況や、本作のアイデアなどを聞くことができた。

プロデューサーの坂尻一人氏(左)とゲームデザイナーの小谷浩之氏

 本作はウサギや猫、フクロウなど動物の姿をして楽器を持った冒険者が、コブンと共に惑星レドを冒険して強敵を倒したり、アイテムを発見したりするゲーム。“リズム”と銘打たれている通り、リズムゲームの要素が盛り込まれたバトルが特徴だ。

「ラタタン」の戦闘画面

 ゲームの正式名称が発表されたのは2年前の2023年「BitSummit Let’s Go!!」。今年の6月5日にはSteamで体験版が公開され、7月25日にはアーリーアクセス版がスタートする予定だったが、体験版に3,000件を超える多くのフィードバックが寄せられたことで、先日の7月5日にアーリーアクセスの開始日を延期するという決断が下された。

 要望の中には、ゲームのシステムに対する不満などもあったが、こう直して欲しいという要望だけではなく、もっとこういう要素を追加して欲しいという希望や意見も多かったのだそうだ。坂尻氏は「すべてに応えるのは難しいが、可能な限りユーザーと開発の双方が納得できる形でローンチしたい」として、延期を決断したという。現在は追加の作業を進めているそうだが「パッチノートがすごく長くなる予定です」とのことで、大きな変更が加えられる予定だ。

合いの手で楽しく覚えるリズムバトル

 現在の状況はこのくらいにして、本作を知らない人のためにBitSummitで筆者がプレイした「ラタタン」の印象や、本作のゲームシステムについて解説しておきたい。

 「ラタタン」はリズムゲームをベースにバトルをする作品ではあるが、グラフィックスは絵本のように可愛くデザイン的にも洗練されている。プレーヤーの拠点となる場所は、忘れられた世界にあるテーマパークという設定で、確かに遊園地のように楽し気な雰囲気を感じる。

拠点となる場所はテーマパークの中

 テーマパークの中にはクラフトができる場所や、クエストボードなどが設置されている。このテーマパークは拡張するよう計画されており、今後のアップデートで新たなエリアが追加されていくようだ。

 バトルはテーマパーク内にある扉から出発する。バトルと言っても戦うのは冒険者に付き従うコブンたち。最初は4匹だが、最大18匹まで増やせるのだそうだ。

コブンは戦闘中にけっこう喋る

 親分である冒険者は攻撃手段がなく、指揮を出すことしかできない。コブンに出せる命令には攻撃、集合、防御、ジャンプ、スキルの使用などがある。

 そしてバトルシステムは前述したとおり、リズムゲームとして展開する。画面下方にリズムゲームのゲージがあり、縦のラインが左から右へ動いていく。このラインがゲージのラインと重なるタイミングで、特定のボタンを押すことでコブンに指示を出せる。

 たとえば集合は左ボタン3回、攻撃は右ボタン3回といった具合だ。ガードやジャンプなどは1回目と3回目だけボタンを押す。スキルは3連続入力や一拍飛ばしなどで異なる技が発動する。

 さらにボタンを押した時、攻撃なら「ズンドコ、ズンドコ、ズンドコドン!」、集合なら「ラッター、ラッター、ラッタッター」とコブンが合いの手を入れてくる。これが可愛くクセになる。

 うまくタイミングが合っていれば曲にもピッタリ合うのでさらに心地いい。ゲームをプレイし終わってもしばらくの間は「ズンドコドン!」というリズムがついつい口をついて出てしまうくらい頭の中を回る。

 「リズムゲームってボタンが覚えられないじゃないですか。でも歌があれば耳で覚えるので、ズンドコドンならこれだ、と歌のように覚えることができる。音を聞きながら楽しめます」と小谷氏。確かに筆者もリズムゲームで大量のボタンマークの前にパニックになることがある。音が重要なゲームだから、ボタンの位置も音で覚えるというのは理にかなっている気がした。

 ボタンを押すタイミングの判定は緩めにしてあるそうだが、縦ラインからアイコンが大きく外れていると指揮に失敗する。リズムゲームのように失敗すると減点されるわけではないが、次のゲージを待っている間も敵は待ってくれないので、シビアな戦いになるとプレーヤーのリズムゲームスキルが試されそうだ。

スキルを出すときの合いの手は「ヤッホイ!」

 2つあるスキルはどちらも強力だが、ゲージを消費するので、無闇に撃ちまくれるわけではない。ゲージが尽きると、コブンが敵に削り負けて減っていき、ジリ貧になってしまう。

 そういう状態が起こりえるためか、フィードバックでもキャラクターにも攻撃手段が欲しいという声が多く寄せられたそうだ。そのフィードバックを受けて、キャラクターごとに個性のある必殺技的なものを入れることができないかの検討も行なわれているそうだ。

 フィールドでは、スキルを強化する「カルタ」を手に入れることができる。カルタを組み合わせることでスキルが強くなっていくが、そのインスタンスでの戦闘が終了するとリセットされる。バトルから持ち帰ることができるのは、ドロップした武器や素材、追加のコブンなどでこれはキャラクターの成長要素として、次の戦いに持ち越すことができる。

「カルタ」の選択画面

 キャラクターには突撃タイプや防御タイプ、ヒーラータイプなどの特徴があり、オンラインプレイではそれぞれの特徴に合わせた戦いかたでお互いをサポートしつつ攻略していくことになる。

 アーリーアクセスが延期になってしまったことでヤキモキしている人もいるだろう。開発陣は熱意をもって現在も作業を進めているようなので、より高い完成度のゲームが遊べるようになるまで、今少し待って欲しい。

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