会社からも”終わり”の宣告沙織から届いた“最後の通知”は、夫・悠斗にとってまさに「終わりの宣告」でした。 そして、その数日後…、社会からの“最終通告”も下されたのです。

その週末、悠斗は会社の人事部にある個室へ呼び出されました。

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机の上には、無機質な紙が何枚か並んでいました。

「退職合意書」「外部対応方針」「社内処分の経緯」…

どれも、事務的で冷たさを感じる文書ばかりでした。

「業務上の信頼性を損なう事案と判断しました。社外への影響も大きく、これが最終的な決定です」

誰に何を言っても、もう変わることはありませんでした。言い訳も、言い逃れも、すでに通じない段階だったのです。

「円満退職という形で、落としどころを見つけてください」

そう告げられた瞬間、悠斗の中で何かが静かに、音を立てて崩れていきました。自業自得でした。それでも、あまりにも、静かだったのです。

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