インディーゲームクリエイターが自身のゲームを効率よく世に伝えるため、メディア視点から掲載しやすいプレスリリースを紹介する連載「クリエイターの広報術」。今回は、メディアが情報を扱うリズムと、戦略的に情報を拡散させるための情報解禁の設定について見ていこう。
早すぎても埋もれる問題
メディアの編集部には、毎日100通、多いところでは数百通ものメールが届きます。その中で、担当者は常に「今日書くネタ」「今すぐ出すべきニュース」を探している。
そんな中、1週間も先の情報が届くとどうだろう。
「あ、面白そう。でもまだ先だから、後でやろう」
そう思いひとまず後回し。そうしている内に新しいメールの波に飲み込まれ、過去の存在になってしまうのが現実だ。
解禁時間を指定する場合、理想のタイミングは1~2日前。編集者が「お、明日(明後日)の予定に入れよう」と判断しやすい、最も動いてもらえるタイミングだ。
当日ももちろんOK。ニュースとしての鮮度は最高だが、編集者が忙しいと「今からは無理」と見送られるリスクがある。記事掲載のタイミングがメディアごとでバラつく可能性がある点だけは注意。
「情報解禁日時」を指定するメリット
割合で言うと、情報解禁日時を指定するリリースより、即日解禁のリリースのほうが圧倒的に多い。そんな中で、あえて日時を指定するのはいくつか理由がある。
ひとつは多くのメディアが同じタイミングで記事を出すことで、SNS上でそのゲームの話題が一斉に流れる。それによって話題の山を作ることが可能だ。
もうひとつはメディア側が記事の質を担保できる点もある。即日解禁で速報性の高いリリースの場合、言葉尻を変える程度で掲載されるケースが多い。解禁までの猶予があれば、それだけリリースの文章に、編集部側がなにか情報を肉付けできるというわけ。
ほかには、(インディーゲームとはほぼ関係ないと思うが)紙媒体やテレビニュースに合わせる場合もある。朝刊に情報が載るタイミングで朝のニュース番組でも報道、Web媒体もそれに合わせるという形だ。これもまた、上述した話題の山を作るやり方に通じてくる。
編集部からの一言
プレスリリースは「早く送れば安心」というわけではない。もしこれまで「かなり前に送っているのに載らないな…」と悩んでいたなら、次は「解禁の1~2日前」にスケジュールを変更したり、リマインドのメールを送ってみたりといった工夫をおすすめしたい。
また、忘れてはならないのが、メールの件名や本文の冒頭に、パッと見て分かるように海域ん日時を指定すること。
【情報解禁】2026年4月10日(金) 12:00(日本時間)
※上記日時以降での記事掲載・SNS投稿をお願いいたします。
このように記載されていれば、編集者はすぐに出してはいけないことがひと目で分かる。逆に、たまにあるのがWordファイルの文末にだけ書かれているパターン。一番下(フッター)だけとなると、さすがに見逃してしまう可能性もゼロではない。しっかり記載することで、メディアを自分でコントロールすることが大切だ。
連載一覧
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