プロゲーミングチーム・ZETA DIVISIONが3月19日、次世代のeスポーツ人材の育成を目指した専門スクール「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN」の開校を発表した。
同日には、ZETA DIVISIONの本部にてメディアや学生へ向けた発表会を開催。
ZETA DIVISIONを運営するGANYMEDE株式会社の代表・西原大輔さんや、アカデミーの運営をサポートする株式会社バンタンの代表・木村良輔さんが登壇し、開校の背景や目的を説明。
アカデミーの特別顧問に就任したZETA DIVISION所属クリエイター・crowさんと西原大輔さんによる「特別授業」と題したトークセッションも行われた。
今回は発表会の内容をレポートしつつ、西原大輔さんへのインタビューを実施。eスポーツ産業が抱える人材不足という課題やアカデミーの開校へ向けた想いを、より掘り下げて語ってもらった。
プロゲーマーや経営陣も教壇に立つ「ZETA DIVISION」の新たな学校
2027年4月から開講する「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY」では、3年制の高等部、2〜3年生の専門部、4年制の大学部を設置。高等部と大学部では、それぞれ高卒資格、大卒資格を取得できる。
アカデミーとして掲げているのは、eスポーツ人材の育成だ。
これはプロゲーマーのみを指すのではなく、チームのマネジメントやイベントの企画/運営、コンテンツ制作など、eスポーツという産業を支えるビジネス人材の育成にも焦点が当てられている。
生徒たちのカリキュラムは、現場で活躍するプロゲーマーやクリエイター、スタッフたちが監修。かつてZETA DIVISIONの『VALORANT』部門に所属し、選手として世界3位という偉業を成し遂げたcrowさん、Lazさん、コーチをつとめていたXQQさんが特別講師を担当する。
また、ZETA DIVISIONを運営するGANYMEDEからは、西原大輔さんや事業開発部部長の千葉哲郎さん、マネジメント部部長の深谷晃広さん、制作部部長の岩田遼太郎さんら、執行役員たちも教壇に立つという。
「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY」紹介動画
カリキュラムは、現場のノウハウを詰め込んだ実践的なものを提供。イベントやグッズの企画、スポンサー開拓のワークショップ、イベント現場での実習などが行われる。
発表会に登壇した西原大輔さんは、クリエイター・ビジネス人材の育成を行う理由について「eスポーツ産業をさらに発展させるため」だと強調。
木村良輔さんも、実践的なカリキュラムへ特化する理由について「社会のニーズに答える生徒、新社会人が必要とされていると同時に、新社会人側もすぐ活躍したいというニーズがある」と語った。
株式会社バンタンの代表をつとめる木村良輔さん
西原大輔、crowが語る「社会性」の重要さ
発表会の後半では、「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY」の特別顧問に就任したcrowさんと西原大輔さんによる「特別授業」と題したトークセッションも実施。
トークテーマの一つとなったのは、会場を訪れた学生たちから投げかけられた「eスポーツの最前線で活躍するために最も重要なこと、身につけておいた方がいいことは何か?」という質問。
6~7年間のeスポーツ産業の変化なども振り返りつつ、和やかに言葉を交わす西原大輔さんとcrowさん
crowさんは、選手・コーチ双方を経験してきた目線から「強いのもちろん大事なんですけど、いかに応援してもらえるか、ファンをつけられるかがすごく大事」だと回答した。
「僕自身、昔は競技活動以外にコンテンツをつくったりするのは正直嫌だったんです。ただ、活動を続ける中でどれだけの人が応援してくれてるのか、どれだけの人が携わっているのかをじわじわと実感してきて。強いだけじゃだめで、応援してもらうことの大事さに気づいたんです」と、キャリアを経て意識が変わった経験を語った。
西原さんは、チームを支える立場として「業界で活躍するために選手、ストリーマー、いわゆる裏方に共通して必要なのは、社会性ですかね」と回答。
アカデミーのカリキュラムなども交え、学生たちの質問に答える西原大輔さん
「チーム運営においても、強い選手を集めたらそれで強いチームになるわけでもなく、選手同士の相性を考えなければならない。だからこそ、人と向き合う力はやっぱり重要だと思います」と、様々な部門のチームを見てきた視点から、対人能力の重要さを説明。
アカデミーのカリキュラムについても「今回のカリキュラムでは、プロゲーマー/クリエイターを目指せるコースでも、共通して1年目にスタッフとしてのスキルを学ぶ授業が入っています。そこには、プロ選手を目指す子に、それを支えてる裏方や大人たちの気持ち・考え方を学んでほしいという意図もあります」と語った。

1998年生まれ。2021年に法政大学文学部日本文学科を卒業し、株式会社カイユウに入社。
ライター、編集者、Webディレクターとしてサイトの運営に携わる。漫画、WebToon、ボードゲーム等のジャンルを得意としており、実際の読書体験やプレイ経験をもとにレビューを執筆している。
