格闘ゲームで有名なアークシステムワークスの新たな挑戦。本作『DAMON and BABY』は『GUILTY GEAR(ギルティギア)』シリーズの生みの親として知られる石渡太輔氏がゲームデザインを手がける、完全新作の見下ろし型ガンアクションアドベンチャーです。

本記事では、Game*Sparkレビューをお届けします。執筆に際し、アークシステムワークスよりSteamキーの提供を受けています。

王道ながらも魅力的な「家族」の物語

ひょんなことから魔力の没収と子供と共に過ごさなければいけない呪いを受けた悪魔・デイモン。彼は、呪いを解くために子供を連れて天界へと向かいます。

しかし、この子供はただの子供ではないようで、行く先々で悪魔たちが執拗に子供を奪おうと襲い掛かってきます。個性豊かな仲間たちと一緒に、呪いを解くことはできるのか!?そして冒険の果てに待ち受けるものとは……?といったストーリー。

全体的に、ストーリーは王道の家族愛が綴られています。最初は鬱陶しく感じていた子供も、共に冒険をしているうちにだんだん愛情が育まれていき、最終的にはまるで本物の家族のような関係になっていく。いわば”ボーイ・ミーツ・キッズ”とでもいうべき流れです。

登場するキャラクターたちはとても個性が際立っており、おせっかいすぎる天使や、コウモリに変身できるマフィアの悪魔や、ガチョウの姿に変えられた悪魔嫌いの侍など、個性の強いキャラクターたちとともに冒険をすることになります。

キャラデザも非常に魅力的。ポップでトゥーン調なデザインが目を引きます。見た目と内面の個性が掛け合わされてとてもイキイキとキャラクターたちが動く姿は見ているだけでも楽しいです。言い回しも、比喩を多用した海外ドラマのような独特のセリフ回しで、笑顔を誘います。

わかるようでわからない例え敵も味方もデザインが魅力的!高難度!緊張感のある戦闘

戦闘は、全体的に高難易度でした。どれだけ進んでも作業になることはなく、常に気を抜けばゲームオーバーになる緊張感が漂います。

本作の重要システムである「ベイビージャンプ」も、戦闘のスパイスになっています。子供から離れられない呪いを逆手にとって、子供が前方に飛び出たところへ瞬間移動!これが「ベイビージャンプ」。

空中での移動や移動中は無敵になることを使って敵の攻撃を回避するなど、幅広いアクションが行えます。

この、ベイビージャンプを使って敵の猛攻を避けながら銃で攻撃、攻撃、攻撃!HG(ハンドガン)だけでなく、MG(マシンガン)やSG(ショットガン)、RPG(ロケラン)を使うことが可能。うまく使いこなして状況に応じた戦闘を行うのは慣れが必要ですが、その分上達を実感できました。プレイ時間が進むほどベイビージャンプを違和感なく手足のように使えるようになりました。

全体的に攻撃予告から実際の攻撃が飛んでくるまでの時間が短く、スピード感のある戦闘でしたが、テンポに慣れるのも時間とともに慣れていきました。慣れてくると敵の攻撃が次第に見切れるようになっていきます。

理不尽感のある攻撃と、やや不親切な導線

ここからは本作をプレイしたうえで、気になった点をまとめます。

まず気になったのは当たり判定の腑に落ちなさ。見下ろし型ガンシューティングということで、敵も遠距離攻撃を多用してきますが、当たり判定がわかりづらくどこまでがヒット判定を持つのかがわかりません。デイモン自身なのか、それとも周辺に出ている魔法陣のようなマーカーなのか……今のは当たってないだろ!となる場面もしばしば。数回であれば気になりませんが、敵の攻撃種類によっては1回の雑魚敵戦闘で頻発することもあり、少しストレスになりました。

当たり判定、どこまで?

そしてボスの火力が非常に高いことも相まって、理不尽なゲームオーバーが多かったように思えます。そういう攻撃、と言ってしまえばそれまでなのですが、溜めのある必殺技といった演出もないのに、一撃即死の攻撃が飛んできて、納得のいかない当たり判定で死ぬことには思わずため息が漏れてしまいました。

順調に進めてステ振りを平均的に行っていてHP25の時に35ダメージの攻撃が飛んでくることもあり、バランス面には疑問が残ります。体力の特化ステータスにすると今度はボスのHPが全然削れず、2発食らえば即ゲームオーバーの攻撃をよける時間が5分弱続きます。心が持たない!

次に気になったのは全体的な導線不足と、細部の不親切さです。MAPの向きと固定カメラの画角が一致しておらず、途中で購入できる地図マーカーを用いても迷うこともありました。

また、強化要素であるNPCが全部で5人ほどいるようなのですが、筆者のプレイ環境ではクリアまで行ってもそのうち3人に出会えていません。強化用アイテムが余って、いつ出会えるかなと思っていたら気づけば最終戦闘。探索不足と言われればそうかもしれないのですが、MAP全域を歩いても、3人も遭遇できなかったので頭を抱えています。

メトロイドヴァニア的探索と成長要素

能力を増やして行ける場所を増やすことで様々なアイテムを得たり、チャームと呼ばれるアイテムを所持することによって自身のステータスにバフをかけれたり。アイテム集めや探索の面白さは非常に満足度が高かったです。

しかし、得られるアイテムは基本的に素材アイテム。そのまま使用してもハートが1/4しか回復しません。料理をして回復アイテムとして使用できるレベルにするにも素材要求量が多い点がキになりました。パンの使用率高すぎませんか?バーガーを作ってばっかりなので仕方ないのかもしれませんが……。

総評

本作は王道なストーリーと満足感のある高難易度戦闘がある作品です。しかし、細部で粗さも見られ、完成度には課題も残る印象でした。高難易度ゲーが好きな人や、心が折れない人、家族愛の王道ストーリーを見たい人にはおすすめできる作品だと思います。

アップデートも頻繁に行われており、執筆時点での最新アップデートでは銃の取り出しや切り替え時のレスポンス向上や、ボス戦のリトライ機能。オートセーブ周りの変更が加えられています。

このペースでアップデートが行われるのであれば本筋は面白いゲームだったので期待が持てるかもしれません。

アークシステムワークスのゲームが好きな人は一度プレイしてみる価値はある作品です。魔王と子供の家族愛を見逃すな!

Game*Spark レビュー 『DAMON and BABY』 PC(Steam), ニンテンドースイッチ, PS5, PS4 2026/3/26 魔王と子供のハチャメチャ冒険譚 GOOD 王道の家族愛ストーリー高難度で緊張感のある戦闘 BAD 全体的な導線不足理不尽なゲームオーバー

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