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eスポーツ分野の人材育成に特化したスクールが2027年4月に開校する。プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」がカリキュラムなどを監修し、バンタンが運営する「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN」だ。プレーヤーだけでなく、eスポーツ分野のイベント企画や運営、マーケティング、映像編集などのビジネス系人材の育成に力を入れる。会見では「eスポーツ人材に求められる資質」などについてのトークセッションも開かれた。

プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」を運営するGANYMEDE(東京・港)は、スクール運営事業などを手がけるバンタン(東京・中央)と共同で、2027年4月にeスポーツ分野の専門スクール「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY POWERED BY VANTAN」を開校する。大学部・専門部・高等部の3つを設け、東京・大阪・名古屋で展開予定だ。
同スクールではZETA DIVISIONがカリキュラムを監修。所属選手やスタッフ、関係企業が講師などを務め、プレーヤーやイベント企画・運営やマーケティング、チームマネジメント、映像編集やデザインなどeスポーツの各分野の専門スキルを学べる育成プログラムを提供する。バンタンはスクールの運営を担う。
GANYMEDE代表取締役の西原大輔氏は、「eスポーツ産業の未来を担う皆さんにZETA DIVISION の運営を通じて積み上げてきた最前線のノウハウを伝えていく仕組みを一緒に作っていきたい」と語る。
ZETA DIVISION所属の選手などが講師に 施設見学も
スクールは高等部、専門部、大学部の3部制。それぞれ選手やストリーマーを育成する「プレイヤー・クリエイター学部」とeスポーツのビジネス人材向けの「ゲーミング総合学部」に分かれる。

高等部、専門部、大学部に分かれ、「プレイヤー・クリエイター学部」や「ゲーミング総合学部」を展開する

プレイヤー・クリエイター分野では、eスポーツのテクニックなどのほか、映像制作や配信スキル、セルフブランディングなども学べる

ビジネス分野では、イベント企画・運営や映像制作・配信スキル、チームマネジメントなどのカリキュラムを設ける
プレーヤー部門ではZETA DIVISION所属の選手やスタッフが審査員を務める「トライアウト」も開催。合格者は「スクール選抜」として、プロから指導を受けたり、人気FPS(ファースト・パーソン・シューター)の『VALORANT』で将来有望な選手を発掘・育成する「ZETA DIVISION VALORANT ACADEMY」に所属するチャンスも得られる。
同スクールはプロ選手を目指すeスポーツプレーヤーだけでなく、イベントプランナーやディレクター、チームマネージャー、コンテンツ制作者などのeスポーツ産業に求められる「ビジネス人材」の育成も重視している。
在学中からZETA DIVISIONの公式イベントの運営サポートや施設見学、インターンシップなどの機会を提供。さらに産学連携プロジェクトとして、ZETA DIVISIONのファンイベントなどのイベント企画やZ世代向けスポンサー開拓、グッズ企画などのワークショップなどを実施する。

ZETA DIVISIONのファンイベントやグッズなどを企画する現場型のワークショップを開催
GANYMEDE執行役員事業開発部部長の千葉哲郎氏は、「日本のeスポーツは急成長している。一方でイベント運営やマネージャーなどの産業を支えるビジネス系人材の供給が需要に追いついていない。人材不足はeスポーツのシーンの中心で仕事をしている我々にとって差し迫る大きな問題だった」とスクール設立の背景を説明する。
講師陣にcrow、Laz、ももち、YukaFなどが就任
ZETA DIVISION所属の選手やスタッフから、CREATOR部門から特別講師としてcrow氏やLaz氏、ta1yo氏、鈴木ノリアキ氏などが参加。所属チームの選手も特別講師を務め、VALORANT部門のXQQ選手、FORTNITE部門のMinipiyo選手、STREET FIGHTER部門のももち選手、APEX LEGENDS部門のYukaF選手などが参加する。


講師にはZETA DIVISION所属のクリエイターや選手が参加予定
また協力企業として、Cyber E(東京・渋谷)やGLOE(東京・新宿)などのeスポーツイベントの運営を手がける企業からも講師が参加する予定だ。
大学部はZEN大学、高等部はN高と提携
大学部や高等部では、eスポーツ業界の専門スキルに加えて大卒資格や高卒資格を取得できる。大卒資格についてはバンタンのグループ法人であるオンライン大学のZEN大学、高卒資格についてはN高校の通信制で学ぶダブルスクール形式で必要な単位を取得する。
募集定員は、例えば大学部ゲーミング総合学部のゲーミングビジネス総合コースでは東京・大阪・名古屋校それぞれ28人。学費(税込み)は授業料が84万円、設備充当費が31万円、実習費が17万円で初年度合計132万円となる。
バンタン代表取締役社長の木村良輔氏は、「バンタンの特徴は、業界のトップ企業と協力し社会に近いスクールを作る点にある。現役で活躍されている方が講師として教え、業界が求める人材を育成するノウハウを蓄積してきた」と語る。同社はKADOKAWAグループの一員でもあり、ゲーム系スクールの運営実績がある点や、N高やZEN大学などのグループの学校法人と提携し、高卒資格や大卒資格を取得できる点を挙げた。
eスポーツ分野の人材に求められるのは「社会性」
続くトークセッションでは、GANYMEDEの西原氏とcrow氏が、eスポーツ分野に求められる人材像などについて話し合った。crow氏は選手時代、人気FPS(ファースト・パーソン・シューター)の『VALORANT』でZETA DIVISIONを世界3位に押し上げた立役者。後に引退し、コンテンツクリエイターとして活動している。

GANYMEDE代表取締役の西原大輔氏(左)とZETA DIVISION所属のコンテンツクリエーターであるcrow氏(右)のトークセッションも
crow氏(以下、crow) ゲーミングアカデミーって、プロ選手やストリーマーを育てるイメージがあったんですが、ビジネス部門の人たちも育てるんですね。
西原大輔氏(以下、西原) そうですね。そちらの方が、私個人としてはより目指したい方面です。eスポーツ業界がどんどん伸びていく中で、当社やZETA DIVISIONは、コミュニティーの中心にある会社の一つだと思いますが、本当に人材不足だと思っているんです。
crow 僕が選手だったころは、勝つことだけにフォーカスしていたのですが、イベントなどの仕事をさせていただくと、どれだけ多くのスタッフさんなどが関わっているかをすごく感じるようになりました。
西原 そのゲームに加えて、競技シーンや担当するcrowのようなストリーマーについても理解してくれる専門性の高いスタッフはまだ少ないんです。例えばゲームを理解した上で動画を編集してくれる動画編集者などは、すごく不足しています。逆に言えば、eスポーツはまだ広げていける余地があるというか、逆にこれがスタートラインじゃないかぐらいに思っています。
crow eスポーツの選手をやってきて思ったことは、強いことももちろん大事なんですが、いかに大勢のファンに応援してもらえるかがすごく大事だと思うようになりました。そのためのコンテンツ作りとか、昔は正直嫌だったんですが、どんどん変わっていきました。
西原 eスポーツだけではないと思うんですが、業界で活躍する上で、選手やストリーマー、裏方のマネージャーなどで共通していることは、面白くない答えかしれませんが、社会性ではないかと思っています。
チームをつくるときに、個人戦だとしても、結局は練習相手が必要です。チームゲームだと、日々の練習でチームメイトとコミュニケーションします。そのときに毎日、切磋琢磨するときに同じぐらいの実力の選手が2人いて、例えばすごくポジティブな選手と、いわゆる人間性がちょっと大丈夫かなと思う選手だと、前者のポジティブでコミュニケーションしやすい選手を選ぶことが多いと思うんですよね。
我々、ZETA DIVISIONのチームが選手を選ぶのもそうです。私がこの選手を応援できるかや、マネージャーが身を削って選手を支えられるかとなった時に、本人を応援できるかどうかみたいなところはやっぱりすごくあるので、そういう意味では社会性っていうのはすごく重要だと思います。これらも伝えることができるようなスクールにしたいですね。
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eスポーツ分野の人材に求められるのは「社会性」
