GIANTS Softwareから2025年11月25日にリリースされた「Project Motor Racing」(PC / PS5 / Xbox Series X|S)。Straight4 Studiosが開発を手がける本作は,日本国内のパブリッシングをセガが担当している。
モータースポーツの世界をリアルに再現したシミュレーションゲームを目指したものの,現時点の評価は芳しくない。Steamのユーザーレビューは「やや不評」(掲載時)だ。

こうした現状を受けて,セガはレースシムの有識者を募り,本作の問題点を洗い出し,開発の現場にフィードバックするための座談会を実施した。
セガ本社に招かれたのは,プロレーサーの野島俊哉氏,シムレーサーの浅賀颯太氏,レースアナウンサーの塩谷 俊氏だ。司会・進行は,セガ マーケティングの奥田健介氏が務めている。
(右)野島俊哉氏:プロレーサー。「Project Motor Racing」のプロモーション/フィードバックに協力した山野哲也氏の弟子。シムレースで経験を積み,実車レースへ転向しており,ゲームと実車の“差異”を知る人物
(中央)浅賀颯太氏:長谷川工業の社員としてレーシングコックピットのDRAPOJIプロジェクトを担当する傍ら,レーシングシミュレータでシムレーサーとしても活動。
(左)塩谷 俊氏:レースアナウンサー。ドライビングシミュレータビルダーのZENKAIRACINGでマーケティングを担当。実車レースの実況はもちろん,eモータースポーツシリーズ「SeCR」のメインアナウンサーを務めている

本作は2026年3月25日に大型アップデート「Ver.2.0」が実施されており,4月1日には有料DLC「Japanese GT500 Pack」の配信も予定している。今回の座談会は3月13日に行われ,「Ver.2.0」実装前であることに留意してほしい。
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セガは,「Project Motor Racing」の大型アップデートを実施した。今回のアップデートでは,全クラスを対象にタイヤモデルやハンドリング,物理挙動が全面的に調整された。タイヤ摩擦や衝突時の挙動も改善され,よりリアルなドライビング体験が可能になった。また,2026年3月31日にはDLC「Japanese GT500 Pack」が配信される予定だ。
[2026/03/26 20:04]
【3月25日実施の大型アップデート 主なトピック】
UIの改善
ゲーム全体にわたってユーザインターフェースをリデザインしました。改善ポイントはナビゲーション,より分かりやすいメニュー,設定,システム,レース情報などをツールの使用時に参照できるティップス形式にし,ゲームを遊びながら理解しやすいようにしました。
ハンドル操作と物理関連のオーバーホール
全クラスでタイヤのモデリング,空気力学,電子ドライバーサポートシステムの再構成しました。クラスごとの最適化も行い,LMDh, GT3, GT4, Porsche 992 Cup, GT, N-GTについてはクラス特有の調整を行っています。追加のアップデートとしてブレーキの安定性,グリップとスリップ間の動きをより自然にする調整,ABS改善,トラクションコントロールの挙動の調整(摩擦),ホイールとゲームパッドへのフォースフィードバックの拡張,スロットルとターボ反応の改善,オートマシフトロジックの改善,衝突時のリアルな動きを実装しました。
オンライン周りの改善
新規のアンチチートシステム,レース参戦のフロー改善(ギリギリ参加する場合に落ちる挙動の改善),新規ライセンスポイントシステムのレポーティングツール拡張を追加しました。ランキングとソーシャルレーススケジュールを拡大し,すべてのクラスで4/1よりランキングイベントが実施できるようになります。オンラインモードのサポート機能をMod Hubに統合しました。
ビジュアルとテクニカルな改善
ゲームの安定性,パフォーマンスを上げつつ,ビジュアルとグラフィックの品質をすべてのプラットフォームで向上させました。
キャリアモードの拡張
新規UIとプログレッション(ゲームステージ)の改善をしました(リアルのスポンサー導入,トロフィー,15タイトルのキャリア設定,新規VO付のレースメッセージ,表彰台でのセレモニー,キャンペーン成功による新ゲームアンロック)。

奥田氏:
本日はよろしくお願いします。さっそくですが,皆さんのレース歴や本作への関わりについてお聞かせください。
野島氏:
初めて遊んだドライビングゲームは,5歳くらいの頃に触れた初代「グランツーリスモ」でした。レーシングシミュレータと呼ばれるジャンルに触れ始めてからは,約7年になります。
その後,実車レースにもデビューして,ROADSTER Party Raceやワンメイクレースに参加し,現在はスーパー耐久シリーズなどで活動しています。
浅賀氏:
レースゲームという意味では,3歳くらいから遊んでいます。中学3年生のときに「グランツーリスモ5」が発売されまして,そこからオンラインでも遊ぶようになりました。
レーシングシミュレータは10年ほど前から本格的に触り始めて,「iRacing」や「rFactor」などをプレイして今に至る,という感じです。実車レースの本格的な経験はありませんが,シミュレータに関しては長く触れてきているので,何かしらお役に立てればと思います。
塩谷氏:
小学2〜3年生の頃に「グランツーリスモ」を遊んだのが最初です。大学1年生のとき,ゲーミングPCを購入してシムレースを遊び始めました。もう14年ほど前ですね。
最初にモータースポーツ関連の仕事に関わったことがきっかけで,レースチームのマネージャーなども経験しています。現在はレーシングシミュレータの筐体を開発している会社で,マーケティングを担当しています。
運転に関しては「操作そのものが好き」というタイプで,カジュアルユーザーに近い感覚で楽しんでいます。野島さんのようなプロとは全然違いますが,シミュレータの経験を活かして29歳のときに初めて実車レースに参戦し,今もサーキットを走る機会があります。
奥田氏:
ありがとうございます。今日はお話を伺えるのを楽しみにしていました。
まずは,私のほうで「Project Motor Racing」の発売直後にレビューサイトなどで見られたユーザーの意見をAIで収集・分析し,傾向を整理してみました。その結果,ユーザーの不満点は大きく分けて,「操作感・基礎挙動(FFB/スロットル/物理)」「AIの完成度」「パフォーマンスや安定性(周辺機器の接続問題を含む)」に集約されると考えています。

そこでお伺いしたいのですが,野島さんと浅田さんは発売前のファクトリードライバープログラム※の段階から本作をご覧になっています。例えば山野哲也さんがプレイされている様子から,「操作感や挙動に関する課題」について感じる部分はあったのでしょうか。
※本作が運用している,現実のプロレーサーと世界トップクラスのシムレーサーから定期的なフィードバックを受け,ゲーム内の挙動を磨き上げるための取り組み
野島氏:
ファーストインプレッションは「レーシングシミュレータとして見ると,いろいろな要素が足りていない」ということでした。
山野さんがプレイしている様子を後ろから見ていましたが,まず気になったのはハンドル操作に対する画面応答の遅れです。操作に対して,画面の挙動が少し遅れているように見えたんですね。
レーシングシミュレータにおいて,これはかなり致命的な問題だと思います。というのも,シミュレータでは視覚情報とハンドルからのフィードバックから,車の状態や挙動を判断することになるからです。視覚情報にズレがあると,ドライバーはかなり違和感を覚えます。

浅賀氏:
画面のズレに関して,僕はそこまで強く気にしていなかったですね。もちろん致命的な問題ではあるんですが,「ここから調整されるだろう」という感覚もあったので,そこまで深刻には捉えていませんでした。
それよりも,AIの完成度が気になりました。とにかくAIは「我が道を行く」という感じで,ラインをまったく空けてくれないんです。
オーバーテイクを仕掛けると,極端にラインを空けるか,逆に少しでもノーズを入れると絶対に譲らずに接触してくる。しかも,ぶつかるとこちらだけが吹き飛ばされて,AIの車はほとんど影響を受けないという状況も多かった。
さらに,「Project Motor Racing」のキャリアモード(シングルプレイモード)とAIの挙動があまり噛み合っていない印象もありました(AIに車を傷つけられると,修理費を払わなければならないため)。また,特定メーカーのハンドルコントローラがうまく動作しないケースもあったようで,パフォーマンスの安定性を含めて,そうした不満が積み重なって一気に表面化したのではないでしょうか。

塩谷氏:
僕もAIとのレースには,かなり違和感がありました。ライバル車とサイドバイサイドの状態でブレーキング勝負になったとき,こちらは限界までブレーキを遅らせているのに,AIはかなり手前でブレーキしたうえでしっかり曲がれる。外側から回り込んできたりと,「実車なら絶対に無理だろう」という挙動もありました。
ある程度,ゲームに慣れている人でもそう感じるので,シングルプレイでレースを楽しみたい多くのユーザーにとっては,かなり不満が出る状態だったと思います。
奥田氏:
AIとレースをすると,実車とはかけ離れた体験になってしまうということですね。
浅賀氏:
背景として,本作に対する期待値がかなり高かったことも影響したと思います。発売されたのは昨年の11月でしたが,同じタイミングで「RENNSPORT」や「Assetto Corsa Rally」などの新作が話題になっていた時期でした。新作がそれほど多くないジャンルなので,かなり注目が集まっていたんです。
また,「Project Motor Racing」の開発スタジオには,かつて「GTR 2」(PC向けレーシングシミュレータ)を手がけたスタッフが参加しています。昔からのファンのあいだでは,「『GTR 2』の系譜を継ぐ作品になるのではないか」という期待もありました。

奥田氏:
なるほど。
ちなみに,山野さんのフィードバックの中で,ほかにも印象的な点はありましたか。
野島氏:
タイヤのグリップ限界を超えたときの挙動ですね。まず,滑り出しの感覚が分かりにくい。それに加えて,一度滑り始めると,なかなか止まらないという印象でした。
山野さんが最初に乗っていたMX-5でもその感覚はありました。グリップの限界がつかみにくそうでしたし,少しスリップアングルが大きくなると,一気にスピンモードに入ってしまう場面もありました。その点は,実車とは感覚が違うという印象でした。
シビアさを出そうとした結果かもしれませんが,実車はそこまで極端な挙動にはならないです。
奥田氏:
山野さんのフィードバックを受けて,MX-5には発売前に調整が入ったと聞いています。レビューを見ても,ほかのカテゴリより,MX-5の評価は比較的安定している印象があります。
発売当初は,各カテゴリに挙動の差やクオリティのばらつきがあったという意見も多く見られました。この点について,どのように感じていましたか。

浅賀氏:
ファクトリードライバープログラムに参加していたとき,途中までのフィーリングはかなり良かったんです。ただ,発売の2週間前か1か月前くらいの段階だったと思うんですが,そこで急に「これはどうしたんだ?」という状態になったと記憶しています。
プログラムの参加者がやりとりするスレッドがあったんですが,そこにはゲームパッドでプレイする人もいれば,ローエンドからハイエンドまでさまざまなハンドルコントローラを使っている人もいる。そうなると,人によって体験の内容がまったく違うんですね。
僕が「これはちょっと違うな」と思っていても,別の人は「これはいい」と感じることもあるでしょう。そうした意見をすべてまとめた結果,少しごちゃ混ぜになってしまったのではないかと思います。
実際,リリース直前のビルドでは,いくつかのカテゴリの挙動がかなり極端でした。とくにGT系の車は,まるで氷の上を走っているような感覚があって,「走れなくはないけれど,これはかなり難しいのでは」という印象でした。
アップデートで少しずつ改善されているとは思いますが,先ほど野島さんがおっしゃっていたグリップの限界を超えたときの挙動については,まだ大きく変わっていないように感じます。タイヤモデルの問題なのかもしれませんね。
奥田氏:
そのような背景もあって,ユーザーの評価は厳しいものになりましたが,公式フォーラムやDiscordなどでは開発側がユーザーと積極的にコミュニケーションを図り,継続的にアップデートが行われています。
最近の「Project Motor Racing」について,発売当初と比べて変わったところはありますか。
浅賀氏:
かなり変わってきたと思います。AIについても,以前のように強引に押してくる感じはだいぶ減りました。そこは確実に改善されています。
ただ,今度は極端に引くか,押し通すかのどちらかになっている印象があります。並ばれると急に譲る,あるいは完全に自分のラインを貫くという感じで,競り合いの駆け引きがあまりないんですね。
もう少し自然なバトルができるようになるといいのではないかと思います。

塩谷氏:
僕は発売後,少し経ってからプレイしたんですが,一番驚いたのはコースカットでした。AIと走っていると,コースの内側をかなり大胆にカットしてくることがあったんです。
自分は「うまく曲がれたな」と思ったら,AIが内側からすっと抜いてくる(笑)。プレイヤーが同じことをすると,トラックリミットのペナルティになるので,「そこ走っていいの?」という違和感はありました。
ただ,発売直後のレビューやSNSの投稿から想像していた状態より,最近のバージョンはかなり良くなっているとも感じました。ばらつきはまだありますが,極端な挙動は減っている印象です。
一方で「リアルレーシングシミュレータ」として評価するとどうか,という部分はまだあるかもしれません。パッドで遊ぶ人もいれば,ハンドルで遊ぶ人もいるので,両者の平均値を取ったバランスなのかもしれませんが。
奥田氏:
開発側としては,「最もリアルなレーシングシミュレータ」を目指していますので,そのギャップが評価につながったところもありそうです。
ちなみにプロレーサーの視点から,車の挙動はいかがでしょうか。

野島氏:
もう少し「まったり感」が欲しいかな,とは思いました。グリップのピークに持っていくまでの過程で,ステアリングからのフィードバックが少し薄い。タイヤの接地感があまり伝わってこないんです。
実車の場合,グリップしているときはタイヤがアスファルトに「グッ」と噛み込んで,ハンドルが重くなりながら旋回していきます。「Project Motor Racing」では一番重要な「噛み込み始め」の部分で,ステアリングの重さがあまり変わらないんです。
だから「今,限界まで使えているのかな?」という不安が出てしまう。その感覚がつかみにくいので,うまく走れずにアンダーステアでまっすぐ行ってしまったり,逆にアクセルを踏んだときにリアの接地感が分からなくてスピンしてしまったりということが起きやすい。
とくにGT4カテゴリでは,もう少し穏やかなフィーリングがあってもいいかなと思いました。
奥田氏:
ありがとうございます。
野島氏:
一方で,僕は実際のGT3には乗ったことがありませんが,最近のアップデートではGT3のステアリングフィードバックに「しっとり感」が出てきています。この方向性はすごくいいと思います。
今のGT3のフィードバックの方向性がGT4にも反映されれば,ハンドルからの接続感や接地感がより分かりやすくなり,もっと車を操っている楽しさが出てくるでしょう。

奥田氏:
ポジティブな提案を含むご意見です。
塩谷氏:
僕は最初にLMDhに乗ったんですが,レビューの評判ほど悪くはないものの,あれ?」と思う部分はありました。例えば,高速コーナーで思った以上にステアリングを切らないと曲がらないとか,挙動に少し違和感があったりとか。
その後,GT3に乗り換えたところ,比較的いい印象でした。まだ少しダルい感じは残っているものの,LMDhのような違和感は少なく,「これは乗りやすいな」と思ったほどです。
浅賀氏:
GT3のアップデートが入ったあとだったかもしれませんね。
塩谷氏:
なるほど。そういうタイミングだったのかな。

奥田氏:
個人的な興味からお聞きしますが,レースシミュレータでは同じカテゴリをずっと走るタイプですか。それとも,いろいろな車を幅広く乗るタイプでしょうか。
塩谷氏:
基本的には自分が好きな車に乗りたいからプレイしている人が多いと思うので,特定の1台をずっと乗り続ける人が多いですよね。
ただ,車の操作そのものが好きで,いろいろな車を試乗するタイプもいます。
浅賀君は結構いろいろ乗りますね。ただ,その中でも得意なカテゴリがあるというか。
浅賀氏:
そうですね。僕の場合,GT3やスーパーGT,DTMのような純粋なレーシングカーに比較的特化しています。
奥田氏:
逆に,野島さんは市販車をチェックしているイメージが強いです。
野島氏:
はい。例えばロードスターのようにパワーがそこまで強くなくて,しっかり動くタイプの車が好きです。
ただ,「Project Motor Racing」でしか乗れない車もありますよね。GT1やグループ5,昔のル・マンカーなどは,ほかのタイトルに収録されていないので,すごく気になっています。

塩谷氏:
僕は32歳なんですが,「グランツーリスモ」や初期のシミュレータを遊び始めた頃(1990年代後半〜2000年代初め)のレーシングカーは,メーカーがかなり自由に作っていて,すごく尖った車が多かったんです。
「エンジンがとにかく巨大」とか「直線は速いけどコーナーが弱い」とか「バランスはいいけど,見た目がちょっと変」とか(笑)。特徴的な車がたくさんありました。
「Project Motor Racing」には,その「記憶の片隅にある車たち」が収録されていて,本当にロマンの塊だと思います。
奥田氏:
「Project Motor Racing」に限らず,レースシミュレータは開発とコミュニティの距離が近いジャンルだと思います。ほかのタイトルでも,開発者とユーザーが直接やりとりすることは多いのでしょうか。
塩谷氏:
レース関係者や開発に近い人たちを通じて,フィードバックを集めるケースが多いですね。実際のドライバーやチーム関係者,エンジニアの意見を取り入れて調整するといった形です。
ただ,最近はSNSもあるので,ユーザーの声が直接見える時代でもありますね。確かに,ほかのジャンルとは少し違う温度感があると思います。
浅賀氏:
「Project Motor Racing」のファクトリードライバープログラムは特徴的でしたね。
奥田氏:
発売前のテスト段階のプログラムなので,今は基本的に終了しています。ただ,以降もスレッドのやりとりは続いているようです。
浅賀氏:
開発側としては,今後も改善を続けていく意欲が強いということですね。

奥田氏:
実際,アップデートの頻度はかなり多いです。
野島氏:
その頻度については,少し厄介なところもあります。
アップデートによって挙動が大きく変わる場合,それまでの走り方が通用しなくなったりすると,セットアップを作り込む人には影響が小さくない。何時間もかけて,セッティングを作る“職人”のようなシムレーサーもいますから。
例えばタイヤのグリップ感が大きく変われば,それまで作ってきたセットアップが全部使えなくなるということもあり得ます。
もちろん,どんなシミュレータでも似たようなことは起きます。ただ,更新頻度があまりにも多いと,プレイヤーが追いつけなくなる可能性があります。
奥田氏:
なるほど。開発側にとって,注意が必要なポイントですね。
「Project Motor Racing」はコンシューマ版でも,公式MODの仕組みが導入されています。シミュレータ寄りのゲームほどMOD文化が強い印象がありますが,そのあたりはいかがでしょうか。
浅賀氏:
どちらかというと,コミュニティの文化に近い部分ですね。昔からシミュレータにはMOD文化があって,車やコースを追加するのはよくあることですが,そこで必ず問題になるのがライセンス(版権)です。
車やサーキットには当然権利があるので,本来は簡単に作って公開できるものではありません。昔は半ばグレーな形で広がっていた部分もありましたが,最近はさすがに難しい状況になっています。
「Project Motor Racing」はMODをアップロードすると,運営側の確認プロセスが入り,そこでライセンスのチェックが行われ,問題がなければ公開されるという流れです。
公式管理型のMODになっているので,自由度は少し下がるかもしれませんが,ライセンス面がクリアになるので,安全に運用できるメリットは大きいと思います。

奥田氏:
今後の拡張性という意味でも,公式MODには可能性がありそうです。
浅賀氏:
そうですね。今後の展開に期待したいところです。
ゲーム自体の改善点に話を戻しますが,UIにも気になる点がありました。HUD(ヘッドアップディスプレイ)のメーターや情報表示の部分ですが,背景が透けていて枠もはっきりしていないので,少し見づらい印象です。
奥田氏:
細かい部分ではありますが,大事な部分でもありますね。
浅賀氏:
そうなんですよ。もちろん,グリップ感やブレーキの安定性,フォースフィードバックなど,シミュレータとしての根幹は大事です。
ただ,それをどこまでリアルにするかも難しいところでしょうね。リアルに寄せすぎると,それはそれで遊びづらくなる場合もあるので。
「そこまでリアルじゃなくてもいい」という人もいれば,「完全にリアルじゃないとダメ」という人もいる。その中で優先順位を決めて調整していくしかない。
奥田氏:
ユーザーの求めるレベルにも幅があると。
浅賀氏:
あとは,クロスプレイ周りです。
「Project Motor Racing」では,コンシューマ版を含めて最大32台でレースができます。リリース直後に試したところ,PC側から見るとコンシューマ版の動きがカクついていることがありました。
奥田氏:
ラグの問題でしょうか。
浅賀氏:
そうかもしれません。もし安定しないのであれば,最初は台数を少し減らして様子を見るという方法もあるのかなと。
奥田氏:
大変参考になるお話ばかりでした。できるだけ速やかに現状の問題点をまとめて,開発チームに伝えたいと思います。
本日はありがとうございました。
最高のレーシングシミュレータを追求する「Project Motor Racing」は,挙動やAI,UIなどの課題を抱えながらも,開発側とコミュニティが連携し,改善を続けている段階だ。
今回の座談会では,プロレーサーやシムレーサーの視点から具体的な問題点と可能性が示されたが,アップデートによってどのような形で反映されるのか。今後の展開に注目してほしい。
本作は発売後も,プロレーサーの山野哲也氏にフィードバックを受けている。その様子は「こちら」の映像で確認できる

