
米国時間2026年3月10日,NVIDIAは,米国・サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けイベント「GDC 2026」に合わせて,GeForceに関する新情報を公開した。
新情報といっても,ほとんどは既出の情報のアップデート版であり,今回初めて明らかになる新情報や新技術はない。本稿では,発表の概要を紹介しよう。DLSS 4.5の動的なマルチフレーム生成は3月31日リリース
最初の話題は,NVIDIA独自の超解像&フレーム生成技術「DLSS 4.5」だ。
2026年1月にNVIDIAは,DLSS 4.5を発表したときに,大きな改良点として「第2世代Transformer超解像技術」と「動的なマルチフレーム生成技術」(ダイナミックマルチフレーム生成),「レイトレーシングにおけるレイの再構成」を挙げていた。
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CES 2026では,GeForce新製品の発表がなかったNVIDIAだが,既存GPUの性能を引き出して,ゲームをより楽しめる技術をいくつか発表している。今回はそのひとつ,超解像&フレーム生成技術の最新版「DLSS 4.5」について,詳しいところを紹介していこう。
[2026/01/30 17:00]
そのうち,第2世代Transformer超解像技術とレイの再構成は,すでにGeForce DriverとGeForceユーザー向けアプリ「NVIDIA App」で利用できる。
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[2026/01/07 19:40]
そして今回,残る動的なマルチフレーム生成技術(Dynamic Multi Frame Generation)が,3月31日に利用可能になることが明らかになった。
動的なマルチフレーム生成が3月31日に利用可能に

既存のマルチフレーム生成技術の場合,フレーム生成数はユーザーが設定した値で固定だった。一方,動的なマルチフレーム生成では,ディスプレイ側のリフレッシュレートに合わせて,フレーム生成数を動的に調整できるのが大きな違いだ。
ディスプレイのリフレッシュレートを超える数のフレームを生成しても,実用面の意味はない。そこで,実際に描画可能なフレームレートが,ディスプレイのリフレッシュレートを上回る場合は,フレーム生成数をあえて減らすことでバランスを取る。
一方で,描画可能なフレームレートが,ディスプレイのリフレッシュレートを下回る場合は,最大6倍のフレーム生成数により,フレームレートを最大まで引き上げるというわけだ。
なお,1月の発表時点でもNVIDIAは明言していたが,動的なマルチフレーム生成技術を利用できるのは,GeForce RTX 50シリーズGPUのみとなる。GeForce RTX 40シリーズ以前のGPUは,これまでと変わらない。
レイの再構成によるレイトレーシングの表現力向上について,NVIDIAは,5月27日発売予定の「007 First Light」や,年内発売予定の「CONTROL Resonant」を例に挙げて紹介している。
次のスライドは,007 First Lightを用いたサンプルだ。壁に映る影の表現が,より写実的になっているのが分かりやすい。
上がレイトレーシングオフの状態,下がオンの状態だ。パストレーシングによる影の表現が大きく変わる


こちらは「CONTROL Resonant」を用いたデモ。フロントガラスやボンネットに,画面外の建物がきちんと描写されている

2027年の発売を目指して開発中の「The Witcher 4」を用いた,「RTX Mega Geometry」(関連記事1,関連記事2)のデモも印象的だった。
RTX Mega Geometryとは何かを簡単に言うなら,動的なLODシステムにレイトレーシングを組み合わせたNVIDIA独自技術といったところ。
The Witcher 4のデモでは,広大な森の上空を飛ぶような映像を披露していたが,生い茂る木を近景から遠景まで,シームレスに描画できていた。
The Witcher 4によるRTX Mega Geometryの活用事例。動画が公開されたらぜひ見てほしいデモだ


NVIDIA RTXの新機能を使った「Quake III Arena」デモ版がリリース
GeForce RTXシリーズの機能を用いたクラシックゲーム向けMOD開発ツール「NVIDIA RTX Remix」にも,新展開があった。
NVIDIAが以前から開発に取り組んでいたRTX Remixのパーティクル描画システムが,2026年4月に正式リリースとなるそうだ。
RTX Remixによるパーティクル描画システムがついに4月リリース

NVIDIAは,「Quake III Arena」に15種類のカスタムマップを収録したというRTX Remixのデモを本日公開した。
その効果が分かりやすい動画も上がっているので,掲載しておこう。
RTX Remix MOD有効な状態と無効な状態の比較

GeForce NOWのアップデートも発表。所有しているゲームを分かりやすく
NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce NOW」にも,新情報が発表となった。
まず,アプリの利便性向上として,「Xbox Game Pass」や「Ubisoft+」といったゲームのサブスクリプションサービスと連携して,ゲームのサムネイルに加入しているサブスクリプションサービスのラベルが表示されるようになる。
これにより,ユーザーは自分のサブスクリプションでプレイできるゲームを簡単に見分けられるようになるという。
さらに,Gaijin Entertainmentのアカウントへのシングルサインイン機能の導入や,ゲーム販売サービス「GOG.com」のアカウントおよびライブラリ連携を2026年4月に導入するとのことだ。
GeForce NOWに追加予定の新機能

さらに,AppleのMR HMD「Apple Vision Pro」やMetaのVR HMD「Meta Quest」向けGeForce NOWアプリの新機能として,ストリーミングビデオのフレームレートが,従来の60fpsから90fpsへと向上するアップデートも行われる。
ストリーミングゲームを,仮想空間内のウィンドウ上でプレイする仕組みであり,VR非対応のゲームをVR化するわけではないが,VR/MR HMDによるゲーム体験を向上させるのに役立ちそうだ。
GeForce NOWとは直接関係ないが,NVIDIAとAppleは共同で,Vision ProとNVIDIAのXR機器向けストリーミングサービス「CloudXR」を組み合わせて,ドライブゲームやフライトシミュレータのVR映像を最大120Hzでストリーミング表示できる機能を実現するとのこと。
第1弾としては,レースゲーム「iRacing」と,フライトシミュレータ「X-Plane 12」の対応を予定している。
Vision Pro上で,CloudXRのVRストリーミングシミュレータをプレイできるように

