『REANIMAL(リアニマル)』は、『リトルナイトメア』『リトルナイトメア2』を手がけたスウェーデンの開発スタジオ「Tarsier Studios」の最新作となるホラーアドベンチャー。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|Sとなっている。

プレイヤーは、本作の舞台となる生まれ故郷の島で行方不明になってしまった友人たちを助けるため、主人公となる2人の姉弟を操作し、時には異形の怪物たちから逃げながらも、故郷の島からの脱出を目指すこととなる。そんな本作は2人協力でのプレイにも対応しており、オンライン、ローカルで姉弟を2人のプレイヤーが個別に操作することも可能だ。

本作の開発となる「Tarsier Studios」クリエイター陣は、リリース前におこなわれた取材やインタビュー(ファミ通.com)において、本作がシングルプレイでも楽しめる作品であることは前提としつつも、「恐ろしい体験を共有してほしい」「ふたりでプレイするところにマジックが生まれる」と語っていた。

そこで筆者は今回、『It Takes Two』や『違う冬のぼくら』のような、オンライン協力プレイ対応タイトルを一緒によくプレイする友人を誘い、Switch2の「おすそわけ通信」機能を用いて、最初からエンディングまで通してプレイすることにした。本稿では、『REANIMAL』協力プレイを通しての所感を紹介していきたい。

マルチプレイは共有カメラで恐怖も共有

ひとまず、『REANIMAL』協力プレイの仕様について紹介していこう。協力プレイ時は、1P側が弟を、2P側が姉を操作することとなる。画面分割のような形ではなく、1つの画面に収まる形で、ふたりが別々のキャラクターを動かすことになるというのは特筆すべき点だろう。さらに、2名のキャラクターが離れすぎるとゲームオーバーになってしまうという点にも注意したい。

お互いに別々の箇所を探索したいシチュエーションなどにおいて、初見時は「なんだか煩わしい仕様じゃないか……?」という印象だったが、異形の怪物から逃げるときや、思わず離れた別々の場所で隠れて息をひそめているとき、崩壊する道を一緒に進むとき……などなど、さまざまなシチュエーションでお互いに「待ってくれ!」「置いていかないでくれ!」などと、とても成人男性2名がプレイしているとは思えない発言が飛び出すこととなる。

この「離れられない」仕様が、本作のマルチプレイ特有の面白さのスパイスとなり、時には開発も意図しないような、協力プレイを共にするふたりだけのドラマを生み出す一助になっているようだ。

不穏な何かを感じ取り、一目散に逃げ出すフレンド(姉)

ちなみに、本企画での通しプレイ中、離れすぎる、敵に捕まる、落下する……など、さまざまな要因でのゲームオーバーも何度か経験したが、「おすそわけ通信」中でもリスタートはスムーズなうえ、チェックポイントが随所に散りばめられており、いっしょにプレイしている人と相談しながらのトライ&エラーもしやすい。場面によっては、シングルプレイの際にAI制御されるキャラとの進行にくらべて、ふたりで遊ぶことによってやや難易度が上昇している面もあるが、そのあたりへの配慮もしっかりなされている印象だ。

さらに、協力プレイならではの要素として「詰まった際に相談できる」という点も大きいだろう。『REANIMAL』はこれまでの『リトルナイトメア』シリーズとは大きく異なり、ステージに奥行きがある関係上、どこを探索すれば良いのかわからなくなるシーンも存在した。しかし、ゲームチャットのVCなどで一緒に遊んでいる相手に話しかけることで、攻略について相談ができ、「自分にはなかった発想」が出てくるというのはありがたい。力を合わせて謎を解くという体験もまた、協力プレイの醍醐味のひとつだろう。

ちなみに本稿を執筆するに際して、シングルプレイでもひととおり遊んだが、迷うことはほぼなかった。開発元の代名詞とも言える秀逸なカメラワークと、AI制御のキャラクターによる演出により、それとなく進行方向へと誘導しているため、マイペースにシングルプレイでゆっくり遊びたいと考えている方も、迷うことは少ないはずだ。

物語が進むにつれ、体験も大きく変わる

本作は島からの脱出が目的ではあるものの、いちばんの目的は行方不明になってしまった友人たちの救出。ストーリー中盤から後半にかけては、武器を手にして異形の化け物を迎え撃ったり、ボートで危険な地域へ乗り込んだりなど、ただ逃げ惑うだけでなく、積極的に、なんなら好戦的に異形へと立ち向かうシーンも多く見受けられた。

ネタバレを防ぐため詳細は伏せておくが、チャプターを進めていくごとにプレイヤーのやれることは多くなっていき、アクションも豊富になる。時にはホラーアドベンチャーらしからぬ勢いで遊び方がガラッと変わる場面もあり、誤解を恐れず例えるならば、本作後半の様子はホラー版『It Takes Two』と言っても過言ではない。

ホラーを求めていたのに、それだとまったく怖くないのではないかという指摘もいただきそうだが、決してそんなことはなく、本作の前半にて味わうことになる「不気味でじっとりとした恐怖」がストーリーが進むごとに徐々に切り替わっていき、物語後半では、さながらホラー映画がクライマックスに差し掛かったときのような、ド級のスリルと緊迫感を存分に味わうことができるはずだ。

徐々に激しさを増す冒険、不穏さを増していく多数のロケーション、どんどんスケールが大きくなっていく異形、Tarsier Studios節が光る絶妙なカメラワークや演出もあいまって、本作をひとことで評するならば、「遊べるホラー映画」という表現がピッタリではないかと思う。

本稿の冒頭でも記載したが、本作はおすそわけ通信やFriend’s Passにも対応しているため、休日にフレンドを誘って一気に遊んでみてはどうだろうか。本編中のカットシーンには、物語の断片的な情報を伝えるものも多く、開発陣は前述したインタビュー内にて「人間の想像力は非常にパワフルなので、すべては語らずにプレイヤーに任せたい」とも語っていた。

ぜひ誰かと一緒にプレイし、それこそホラー映画を見た後のように、一緒にプレイしたフレンドと本作のストーリーや演出について語り合うのも面白いはずだ。余談ではあるが、筆者は本作クリア後、フレンドと1時間ほど多めに通話してしまった。一緒に観た映画を題材に感想を語り合うシネマダイアローグという映画鑑賞のスタイルが流行の兆しを見せていると耳にしたことがあるが、筆者としては本作プレイ後の”ゲームダイアローグ”もオススメしたい。

なお、ここまで度々マルチプレイの魅力について語らせてもらったが、本作はシングルプレイでも十分面白い。筆者は本作をシングルとマルチでそれぞれ1回ずつプレイしたが、どちらの遊び方にも違ったベクトルの面白さがあると断言できる。もしも本稿を読んだことで、少しでも本作に興味をもってくれた方は、ぜひシングルプレイ編の記事(関連記事)もチェックしてみてほしい。

そのほか、本作は6月9日に拡張キャンペーン「The Expanded World」も配信予定のようだ。新たな主人公の視点から描かれるオリジナルストーリーが展開されるとのことなので、今後の展開や追加要素にも注目したい。

『REANIMAL』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S向けに販売中。デラックスエディションには拡張キャンペーン「REANIMALシーズンパス」も付属する。

Write A Comment