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Image: Raymond Wong / Gizmodo US

ゲーミングパソコンのスペックを語るとき、フレームレートは避けて通れない話題です。高いフレームレートを実現するために、高スペックマシンを購入するわけですが…。ここで今気になるのが、レンダリングではなく生成フレーム挿入によって高いフレームレートを出すアップスケーリング技術。各社、この技術を磨いており、NVIDIAならDLSS、AMDならFSR、そしてIntelならXeSS。今日ここで語るのはIntelのXeSSです。

米Gizmodoが、IntelのCore Ultraシリーズ3、Panther Lakeアーキテクチャ採用のチップを搭載したASUS Zenbook Duoをレビューしています。が、ここでは端末そのものではなく、Panther Lakeチップによるゲーム体験、生成フレームについて語ります。

Panther Lakeがゲーマーに問いかけること

Panther Lakeチップ搭載でXeSS技術をより効率的に使えるようになって、Intelが問いかけるのは、マシンの性能(=価格)を上げなくても高フレームが出せる生成フレームを、どれだけゲーマーが受け入れてくれるのか。

生成フレームは、通常レンダリングされるフレームとは異なるので、フェイクフレームと称されることもあります。画像にグリッチが生じることもあります。が、Intelの統合GPU、Intel Arcのトップ、Tom Petersen氏は、米Gizmodoの取材にて、いろんなゲームで(生成フレーム技術を)利用しており、グリッチは特に気にならないと語っています。なぜか? Petersen氏いわく、大事なのはゲーム全体のスムーズさにあるからです。

ならば、優れたゲーム体験のために、すでに大枚を叩いて高スペックのゲーミングギアをそろえるゲーマーたちが、フェイクフレームを受け入れがたいと言う気持ちはわかります。生成フレームのグリッチリスクなく、すでに最高のゲーム体験があるわけですからね。

Intelの強み

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Image: Kyle Barr / Gizmodo US

Intelのアップスケーリング技術XeSS、その最新版はXeSS 3モデル。AIを活用し、低画質でフレームを生成することで高画質化するアップスケーリング技術です。昨今のモダンゲーミングパソコン、メジャーゲーム機(ソニー・Microsoft・任天堂)は、何かしらのアップスケーリング技術が使える状態にあります。

NVIDIAのDLSS 4.5モデル、AMDのFSR Redstoneモデルが、端末に紐づいてロックされている状態なのに対し、IntelのXeSSはハードウェアによる制限がありません。ただ、AIの力を借りて、複数フレームを生成し、もとからある2つのフレームの間にそれらを入れ込むのは同じ。

Core Ultraシリーズ3=Panther Lakeアーキテクチャのチップは、Intel Core Ultra X7、X9。GPUコアは12Xe3。これは、Arc B390というマイクロアーキテクチャがベースになっており、マシン性能に重い負荷をかけることなく、レンダリングやゲームにて高い性能を発揮することに定評があります。

XeSSによる生成フレームでフレームレートはどこまであがる?

IntelのXeSSが特定ハードに限定されていないとはいえ、Intelのマシンだと最高値の性能を発揮できるというメリットがあります。NVIDIAと同じく、IntelにもXeSS 3モデルの力を発揮して、ゲーム内のグラフィック設定を向上させるための独自ソフトウェアがあります。XeSSの(フレーム生成)を、2倍・3倍・4倍とゲーム毎に設定可能。このソフトウェア、どのゲームがインストールされているかの認識に失敗することがあるのがたまに傷ですね。

さて、Panther Lakeチップでどれほどのフレームレートが出るのか、前述のAsus Zenbook Duoでプレイしてみました。

『サイバーパンク2077』なら、ウルトラ設定の1080pで50fps近い値が出ました。Zenbook Duoの最大解像度2880×1800なら36fpsあたり、XeSSをオンにすると45fpsあたりまで上がります(性能と画質のバランスによるけど)。ここにさらにレイトレをオンにすると、若干下がるもののそれでもプレイするには十分なフレームレートは保つことができます。低レイトレで最高画質でも、XeSSのアップスケーリングで生成フレームなしでも、そこそこのフレームレートは出るわけです。

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ScreenShot: Kyle Barr / Gizmodo US

こっからいよいよ生成フレームを使うと…、フレームレートは生成2倍で60fp、3倍で80fps、4倍で90fpsほどにまで上がります。が、ここで生成フレームによるデメリットも発生します。

生成フレームデメリットは大きく2つ、遅延と加工感です。生成4倍ともなると、どことないフワフワ感といいますが、なんとなく映像にしまりがないような気がしないでもない。カメラ切り替えで、”ナイトシティ”の街の光がチカチカします。ゴーストが発生します。とはいえ、プレイに影響するほどでもない。

これIntelは言ってませんが、個人的にプレイしてみて思ったのは、視覚的な歪みを避けるにはフレーム生成による高フレームレート化は60fps程度にしておいたほうがいいということ。1080pならレイトレありで、40fpsあたり。当然ですが、生成倍数が少ないほうが(2倍程度の方が)、目に見えるグリッチは減ります。

『ホグワーツ・レガシー』をプレイしてみると、室内映像でまったり(?)しているときは、90fpsほどでもOK(レンダリングは30fps未満程度)。ただ、外を動き回るシーンだと、やはり映像的グリッチが気になり出します。とくに、影やプレイヤーのローブなどで目立つ印象。

生成フレームはなしで、XeSSでうまいバランスで設定すると、フレームレートは(ゲーム映像)室内環境で40fpsから50fpsが安定。グラフィックを最大に上げて外なら30fpsから40fpsあたり。

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ScreenShot: Kyle Barr / Gizmodo US

60fps必要かと言われると、必要ではないけど、好みによってはグラフィックの設定を下げて、フレームレートを優先させるのもあり。

たとえば、『サイバーパンク2077』で生成フレーム4倍でレイトレ設定をウルトラ、解像度は3Kだと、60fpsくらい出ます。でも、これだとプレイにも影響しかねない、誰でも気づきそうな視覚的ゆがみが発生します。ゆえに、数字としてはできるけど、ゲームプレイとしては適切ではないということに。

このバランスが、つまりはIntelがゲーマーに問うどこまで許容できるか問題なわけです。実際プレイしてみて、自分はどこまで生成フレームを許せるか、どこまでならゲーム体験全体を損なわないのかを見極める必要があるわけです。

ゲーマーと一言でいっても、多種多様。プレイするタイトルも違えば、ハードも違います。持っているギアも違えば、許容できる解像度も違うのです。それでいうと、僕はフレームレートを最優先にはできないタイプ。ゲームテクスチャやUIのディティールを下げてまで高フレームレートを欲しいとは思いません。

モバイルゲーム機での生成フレーム

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Image: Kyle Barr / Gizmodo US

そもそもですけど、多くのゲーマーが持つ、ゲーマーでいうところのそこそこのマシンなら、生成フレームなしでも十分ゲームの世界に入り込めるんです。今回使ったZenbook Duoなら、『サイバーパンク2077』のようなゲームは十分プレイ可能、映像も満足いくものなんです。

で、Panther Lakeで考えるべきは、ゲーミングパソコンよりコンパクトなモバイルゲーム機やスペックが低い端末。アップスケーリングは(生成フレーム含め)、低スペックマシンでのアップスケールが最大のメリットですからね。

Intelはすでに、Intel Core G3をベースにしたハンドヘルドモバイルゲーム機向けのチップの開発に触れています。今年後半頃には、もしかしたらIntelベースのモバイルゲーム機がAcerやMSIから出るかもしれないし…(出てほしいなぁ)。モバイルプラットフォームなら基本1080pで十分だし、そもそもディスプレイがパソコンよりずっと小さくなるので、多少の視覚的グリッチは気がつかないでしょう。となれば、高フレームレートにコミットしてもデメリットは少ない…。

現時点では、ノートパソコン上で見るIntelの生成フレームは、メリットもデメリットもバグもあるのが事実。高フレームレート最優先で多少の視覚的ゆがみを許容できるなら、 IntelのプレミアムGPUチップ搭載のノートを購入してもデメリットは感じないかもしれません。

ゲームをプレイする上で、何のために何を引き換えにし、どこまで許容できるのか…。それがアップスケーリングを使うかどうか、ひいてはマシンスペックを落とせるかどうかの判断に直結するのです。

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