インディーゲームクリエイターが自身のゲームを効率よく世に伝えるため、メディア視点から掲載しやすいプレスリリースを紹介する連載「クリエイターの広報術」。前回紹介した魅力的なロゴやキービジュアルが「ゲームの顔」だとしたら、スクリーンショットや動画は「ゲームの中身」を伝えるための素材だ。記事をクリックした読者が、そのゲームを遊んでいる自分をイメージできるかどうかは、この素材の質にかかっている。今回は、記事の顔とも言える画像・動画素材の準備について解説する。

スクリーンショットは一瞬で内容が伝わるものを選ぶ

読者がニュースサイトをスクロールする際、画像を見る時間はほんの一瞬のこと。その「1秒」で、何をするゲームなのかを理解させる必要がある。
特に重要なのが、画像のバリエーションを考えること。シンプルなゲームであっても、似たような絵面ばかりを並べるのは避けたい。1種類だけだと、ゲームのイメージがその1枚に固定されてしまうからだ。

ノベルゲームなら… 会話シーンだけでなく、見栄えのする「イベントスチル」を混ぜる。
パズルゲームなら…初歩的なステージと、仕掛けが満載の高難度ステージの両方を見せる。
RPGなら…フィールド画面、戦闘画面、そしてメニューや育成画面など、プレイサイクルが見える構成にする。

UIを表示すべきか、消すべきか…

没入感を出すためにUIを消した画像は確かに美しいが、ゲームメディアの記事としては「UIがある画面」も重要。UIがあることで、ボタン配置や操作感が直感的に伝わるから。とはいえ、どちらをベストと考えるかは、メディアや記者によってさまざまだと思う。スケジュールに余裕があるなら、という前提だが、UIあり・なしの両方を用意できるのがベスト。

あると嬉しいファイル名

意外と重要なのがファイル名。画像のファイル名を「ss_01.jpg」のままにせず、「戦闘開始シーン」「必殺技のカット」といった具合に、内容がわかる名前に変更すると、それだけで使いやすさが格段に上がる。
画像を解説するファイル名がない場合、我々メディア側は画像を見て「これは多分、強力な魔法を打っているシーンだよな……」と推測しながら記事を作るほかないのだ。
ここに明確な名前がついていると、「必殺技の解説文の横に、普通の魔法のカットを貼ってしまう」といったニアミスを防ぐことができ、より正確で魅力的な記事に仕上がる。

インディーゲームもPVの準備は当たり前の時代に

現在はテキスト以上に「動いている映像」の需要が高まっている。素材の渡し方一つで、記事の露出度も変わる。まず大前提として、小規模なゲームであっても映像を用意するのは当たり前の時代になった。それは日々プレスリリースチェックしていても強く感じる。

動画の共有方法だが、基本的にはデベロッパー自身のYouTubeアカウントにアップロードしたURLを伝えてもらうのがもっともスムーズ。メディア側が記事に埋め込みやすく、読者も再生しやすい。動画の中身については、凝った演出やかっこいいBGMで魅せる内容ならもちろん最高だが、いわゆるプレイ映像でもあるとないとでは大違いだ。

その一方で、Googleドライブなどの素材フォルダに直接動画ファイルを格納しておくデベロッパーも多い印象。特に情報解禁前の先行プレビューなどでは、メディアが動画をオフラインでチェックできるため非常に役立つ。

もうひとつ、海外デベロッパーから届くリリースで多いのが、数秒の「GIFアニメ」を添えるケース。GIFはYouTubeのようにクリックする必要がなく、記事を開いた瞬間に動きが目に飛び込んでくる。 見栄えの良さは高画質の動画に軍配が上がるが、「一瞬でゲームのキモを伝えたい」という場合には、GIFは非常に強力な武器になるかもしれない。

編集部からの一言

ゲームの紹介記事において、スクリーンショットや動画はタイトルのキャッチーさを左右する極めて重要な道具だ。極論を言えば、テキストの内容やタイトルと同等、あるいはそれ以上に気を配るべきポイントだと言っても過言ではない。

そんな中、我々編集部がもっとも困惑し、かつ残念に思うのが「そもそも画像が1枚も添付されていない」というリリースに時々遭遇することだ。

メディア側の視点で見ると、画像がないということは「記事のサムネイル(顔)が作れない」ことを意味する。サムネイルがない記ことはニュース一覧の中でどうしても目立たず、読者にクリックしてもらえる確率が極端に下がってしまう。その結果、「画像がない」=「記事にする優先順位を下げざるを得ない」という、誰にとっても嬉しくない悪循環が生まれてしまう。

もちろん、上述したように複数枚のバリエーションを用意するのが理想ではある。しかし、まずは「記事の顔になる、最高の1枚」を必ず添えること。これだけは、どんなに忙しくても忘れないでほしいポイントだ。

過去の連載一覧

【クリエイターの広報術:第1回】プレスリリース、どのタイミング送るのが正解?
【クリエイターの広報術:第2回】メールを開かせる「タイトル」と「一行目」
【クリエイターの広報術:第3回】意外と知らない?あると嬉しい最適メインビジュアル

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