『龍が如く 極3 / 外伝 Dark Ties』峯義孝という男について。形として見えない絆を追い求める人間味が描く、魔性の危うさ 峯義孝。『龍が如く3』に初登場し、主人公・桐生一馬の前に立ちふさがる東城会の幹部。自らの頭脳と資金力で成り上がった、いわゆる武闘派タイプとは違う知性的な極道キャラである。

 裏社会での事件に巻き込まれていく本シリーズの物語において彼の言動は冷静沈着であり、その裏にはひと言では言い表せない闇を抱えている。この時点では主人公ではないものの、物語で彼の立ち位置や個性は多くのファンの心に小さなささくれとなって残り、歴代キャラクターの中でもいまもなお高い人気を誇る。

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※この記事はセガ『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』の提供でお送りします。

 2026年2月12日に発売される新作『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』。改めて説明すると、『龍が如く3』をリメイクした『龍が如く 極3』と、オリジナルストーリーで描かれる新作『龍が如く3外伝 Dark Ties』、この2作品を1本に収録したものだ。『龍が如く3外伝 Dark Ties』では峯義孝が主人公となる。

 ベンチャー企業トップの人間だった峯はなぜ極道の世界に入ったのか。要は“過去編”にあたるストーリーだが、個人的にはダークな一面を覗かせる彼のキャラ造形が好きなので、新エピソードの内容によって魅力が崩れてしまったらちょっと嫌だな~と、ぼんやり考えていた。過去に自分が思い描いていた理想がズレてしまうことが受け入れにくいのだろう。

 楽しみ半分、「どうなるか」という気持ちも半分抱えながら本作を発売に先駆けて遊ばせてもらったが、どうやら杞憂だったようだ。“いま”、峯義孝という人間を再構成するにあたって龍が如くスタジオなりのぶつけかたを正面から感じられたからである。

[IMAGE]孤独な男が魅せられたもの 外伝の序盤のあらすじを簡単に説明しよう。東城会に入る前の峯は、ベンチャー企業を立ち上げたものの待っていたのは仲間からの裏切り。ヤケになってあてもなく街を歩く姿には悲哀がにじみ、彼の胸中通り、孤独に生きてきた人間というものが描かれている。

 心の拠りどころがないのだろう。金に執着することの虚しさを知っていて、どこか歪みを感じさせる。いや、ただ寂しいだけなのかもしれない。そんな彼だからこそ、ここからどう転んでしまうのかわからない危うさが付きまとい、物語に引き込んでくれるのだ。薄氷を踏むような不安はときに人を魅了する。

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 あるとき、峯は極道同士の抗争を目撃する。東城会六代目会長・堂島大吾を命をかけて守る子分たち。いままで欲しかった絆がそこにあった。それを確かめるべく、彼は極道の世界に足を踏み入れる。

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東城会に入るため、峯が接触したのは出所したばかりの東城会若衆・神田強。

 峯だけでなく、ストーリー展開には兄貴分である神田の存在も大きい。峯と正反対で欲望に忠実な暴れん坊タイプ。作中でもクズとして扱われがちで、いい意味でも悪い意味でも「お前さぁ……」とツッコミたくなるほどブレない男だ。眺めている分にはおもしろいが、なぜか朝の景気づけの全力ビンタがルーティンとなっているのは、ついていきたい存在とはほど遠い。

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 「神田は超重要人物だ!」は言い過ぎだが、いてくれないとちょっと困る存在ではある。シリアスな話が続くと思いきや、神田のブレない姿勢は、ある意味物語の緩衝材となってくれるからだ。

 切れ者の峯と、どうしようもないヤツの神田。とくに大きなコネもなくカタギから極道の世界に入った峯にとって、成り上がるために神田をうまく利用したい。裏社会で偉くなりたいのではなく、命を張るほどの絆がこの世界にあるのか確かめたいだけなのだから。

 『龍が如く 極3』時点での峯の立ち位置は、公式の紹介を見ると神田の部下ではなく独立した幹部であることがわかる。絶対的な絆を欲する彼が何を思い、どのように歩んでいくのか見届けるのもこの外伝の重要なポイントだ。神田とはデコボコすぎる組み合わせで、これまで出会ったことがなさそうな人間をフォローしなければならないのは苦労しそうである。

 なお、神田は本当に救いようのないクズであることは念を押して言っておきたい。神田は神田である。

“峯だったら”こうするんだろう 神田の存在が大きい、と言ったのはもうひとつ理由がある。外伝のコンテンツである“神田カリスマプロジェクト”だ。筆者が感じていた不安が杞憂であった大きな部分でもある。神田の浅はかな部分がコミカルに描かれ、シンプルに楽しい。

 目的を簡単に言うと「神田の評判があまりにもダメダメすぎるので、良い行いをして評判を上げていこう!」というものだ。

 実際に行動するのはもちろん峯。どうして。頼むから神田がやってくれ。いや、あの人がやってくれるわけがないだろう。

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 いろんなミッションをこなしていく神田カリスマプロジェクトだが、その中でも善行クエストがとくに好きだ。「こういう依頼がある」、「いまこんな噂がある」など、峯が街中で起きている事件に関わっていき、彼なりの問題解決が描かれる。流れはシリーズおなじみの“サブストーリー”に近い。

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そもそもの目的は神田の評判をよくすることなので、名前を名乗るときは峯ではなく“神田強”として動く。

 善行クエストをひと通りやり終えたいま、“峯がヒーローっぽくなりすぎないように気を付けていた”描写が強く心に残っている。シリーズ主人公の桐生や春日たちとは違い、峯は現役の裏社会の人間。迷惑な奴らや悪党に手加減する必要がない。

 たとえば、暴力で黙らせるしかない悪い奴がいて、峯が解決したとする。そもそも彼は極道なので、評判上げの仕事がなければカタギを助けることはない。でも、目の前で苦しんでいる人がいれば助けてあげようと思う気持ちは残っている。こういった些細な演出から、峯の苦悩が見え隠れしているように思う。

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 信念を語るときや意見を出すときも「自分のような人間が言えたことではないが……」と、一歩引いた振る舞いを見せる。神田強として動いているのだから堂々と胸を張っていればいいのだが、自分の内面と大きくズレるのは違和感があるのだと思う。繊細な彼の、不器用とはまた違う社会との向き合い方は新鮮だった。峯はこういう人間なのだと、何だかうれしくなる。

 もっと素直に物事に向き合えたら幸せになれたのだろうか。孤独に生きてきたからこそ人への信頼は薄い。その分、義理と人情への憧れは誰よりも大きく、自身が抱えている闇と歪みもより大きなものになってしまったと思える。きっと峯義孝はそういう男だ。

 サブ要素の話までしっかり味わって、桐生や春日とはまた違う別の歩みを見ていると、プレイする前は峯の描写に不安を持っていたものの、いつしか「きっとこうだろう」と、峯義孝のキャラクター像に納得いくように自分の中になじんでいった。

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 わがままを言わせてもらうと、彼の活躍をもっと見ていたいので、2.5倍くらいのボリュームが欲しいくらいである。サブ要素での峯の表情が気になって、この記事を書いている時点では『龍が如く 極3』と『龍が如く3外伝 Dark Ties』のすべてを味わいつくしたわけではない。ただ、両作とも「そう変えてきたか」、「こう語るのか」と、変化(あるいは進化)をひしひしと感じている。

 リメイク作品+外伝という構成はオリジナル版の上書きではなく、龍が如くスタジオのいまの全力をぶつけた結果だ。『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』発表時のコンセプトは「変わる伝説、新たな歴史」。これから『

龍が如く』は新しい伝説を刻んでいくのだろう。
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【製品概要】商品名:龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties対応機種:PlayStation 5 / PlayStation 4 / Nintendo Switch 2 / Xbox Series X|S / PC(Steam)発売日:2026年2月12日(木)発売予定価格:パッケージ版・デジタル版 8,173円(税込8,990円)、デラックス・エディション 10,400円(税込11,440円)※Xbox Series X|S / PC(Steam)版および「デラックス・エディション」はデジタル版のみ販売

[ITEMIZATION]ジャンル:アクションアドベンチャー
プレイ人数:1人
発売・販売:株式会社セガ
CERO表記:D区分(17歳以上対象)
出演:『龍が如く 極3』黒田崇矢、中村獅童、笠松将、宮迫博之、宮川大輔、徳重聡、石橋凌・渡哲也・香川照之 『龍が如く3外伝 Dark Ties』中村獅童、宮迫博之、松田賢二、徳重聡

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