声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第43回はSTORIA Gamesが手掛けるメタ要素を持つ2Dアドベンチャーゲーム「Alice’s world」を紹介します。

メタフィクションが好きです。
現実の「私」がゲームやフィクションの世界の登場人物に観測され、彼らに干渉(鑑賞)していると指摘されるシチュエーションにゾクゾクするタイプです。
最近は第四境界さんの「人の財布」などをはじめとした、現実にさらに侵食してくるARG(Alternative Reality Game:代替現実ゲーム)なんていう新感覚の体験できるゲームも増え、いわゆるメタ展開への理解度が世間一般に広まっているような気がします。
ただ、注意したいのはテレビゲームにおいて「このゲーム、メタ展開があるんだよ」と人に話してしまうのは大体にしてネタバレ扱い、クライマックスの大ネタなことが多いのです。メタ展開のゲームタイトルを私がここで上げようものなら炎上必死、それくらいここぞというタイミングで展開され、初見で驚いてほしいと思うシーンなことが多いのです。「何も調べず、とにかく最後までクリアして!」って言いがちになる推薦コメントになってしまうのがもどかしい…上手にメタ展開を匂わせずに遊びたくなる文章を書けるようになりたい…。
そういう事もあり、なかなか人にネタバレ無しに勧めづらい一面もあるのですが、ついにメタな展開があると事前の宣伝に書いてくれるゲームと出会ってしまいました。
メタ好き的にも有難い! 今回はそんなメタ要素のある謎解きADVゲーム、「Alice’s World」を探訪します。

ゲームを開始して最初に名前を聞かれたので入力。すると、謎の少女から本名か聞かれます。


ちょっと低いトーンで言われるのが不気味です。本当の名前だよ!
正直そんな事を言われるなら違う名前にすればよかったなぁなんて毒づいていると…。

画面には見えていませんが、私のSteamのアカウント名を指摘されました(まりえ、ではない名前で登録していた)。早速メタ表現の洗礼を受けてしまって背筋が凍りつつもメタ好きには嬉しい展開。これは期待できそうです。
なぜプレイヤー自身に語り掛けてくるのかという謎もありつつ、いよいよ物語が始まります。

この世界での主人公のような存在がアリス。病弱な女の子です。薬代を稼ぐため家にあまりいない兄と二人暮らしで、アリスはほぼ家の中で暮らしています。

いろんな場所を調べていくうちに、アリスのお家の経済事情を知る。なかなか大変な病を患っているようですね。


ある日アリスが目覚めたら荒廃した世界に一人ぼっちで立っていました。周りには人っ子一人いないのに視線を感じるようで…?
きっとプレイヤー(私)の事ですね。とてもメタ!!
ずっと見てるよ~なんてのんびり構えて話を進めていると、アリスには見えないものの、プレイヤーの声は聞こえるように。会話を続けていると選択肢が出現します。

キャラクターロールプレイとしての選択肢の選び方は慣れていますが、いざプレイヤーとして選択肢を選ぶとなると、途端にまごまごしてしまいますね。
今回の場合は、リアルな選択肢を選ぶか、メタロールプレイとしての新たなキャラクターとして選択肢を選ぶか…。この選択肢が後々どのような影響を与えていくのかはプレイしてのお楽しみ。


アリスを元の世界に返すために、二人で協力して謎を解いたり、危険に立ち向かうことになるのですが、アリスはこの世界で死んでもゲームのように生き返ることがわかります。
例えば先に進むために、高いところから落下しなくてはいけない場所があるとして、あなたは彼女に飛び降りろという選択を選ぶことができますか?落下死しても生き返るから問題ないと考えられるでしょうか。「Alice’s World」は、メタ視点が入るからこそ、画面越しにいるプレイヤーへ苦しい質問を投げかけてきます。様々なゲームで効率の良さを優先して残酷な選択肢をえらんできた人ほど後ろめたくなりますね。私は思わず目線をそらしたくなりました。



アリスと旅をしていると、度々システムエラーが起きて違う場面に飛ばされます。
System、という名前の少女がアリスのいる世界(ゲームの世界)についてやプレイヤーの立場の説明をしてくれます。ゲームを終了させてくるSystemですが、こちとら楽しみにしていてやっと遊べるんじゃい!と再起動してめげずにアリスに会いに行きます。彼女をもとの世界に戻すために、高い塔を目指すのです。
…アリスに残酷な選択をさせておきながらまるで私(プレイヤー)は主人公のようにめげずに「Alice’s World」を進めていくという構造が俯瞰してみると不気味で矛盾しているように思えてしまいますね。破天荒な選択肢やふざけた行動を試しがちの私ですが、だんだん振る舞いを穏やかに優しく努めようとしていったのは、彼女たちに一人の人間として、個として好かれたくなったからなのかもしれません。「Alice’s World」は、今まで遊んできたゲームでの自分の行動を顧みてしまう場面が多くあります。


現実とは違う世界に住むアリスがさらに見知らぬ荒廃した世界に降り立ち、プレイヤーと共に元の世界へ帰るたびをする。メタ視点を取り入れたことにより、プレイヤーという存在の意味、アリスが元の世界へ戻った時にどうなってゆくのか…?
ゲームのボリュームも5、6時間程で遊べる「Alice’s World」。メタフィクションゲーム入門としてもとっつきやすく遊びやすいので、日々の合間に、休日に一気に、探訪してみるのはいかがでしょうか?
生年月日:1985年6月7日
出身:大阪府
趣味:読書・落語・ゲーム
主な出演作品:「輪るピングドラム」萩野目苹果 役、「銀の匙」御影アキ 役、「緋色の欠片」春日珠紀 役、「アイドルマスターシンデレラガールズ」安部菜々 役
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