個人や小規模チームによって作られるからこそ、個人のアツい想いが籠もるインディゲーム。そんなインディゲームを集めたイベント「東京ゲームダンジョン11」をレポート。筆者が会場で見つけたゲームを紹介する。
「東京ゲームダンジョン11」は、インディーゲームを集めた展示イベント。イベント名に「11」とある通り、今回で11回目を数える人気イベントだ。インディーゲームは個人・小規模チームによって作られるからこそ、企業が作るゲームとは違い、クリエイターの個性が出やすいという特徴を持っている。
「ゲームダンジョン」では、そんな個性的なインディーゲームを発売前に試遊したり、グッズを購入したりといったことが可能! 今回の「東京ゲームダンジョン11」は、降り積もるレベルの大雪という悪天候に見舞われたものの、イベントは無事開催。会場はクリエイターたちと、まだ見ぬインディーゲームを求める参加者たちのアツい気持ちで熱気に包まれていた。この記事では、そんな「東京ゲームダンジョン11」会場で筆者が見つけた「これは!」というゲームを紹介したい。

圧倒的ボリュームを誇るストーリー重視のSFアドベンチャー!「ノナプルナイン:アシンプトート」
まず最初に紹介したいのは、出展団体名「ノナプルナイン」による、横スクロール型SFナラティブアドベンチャー「ノナプルナイン:アシンプトート」!

本作の主人公は、無人のビルで目覚めた記憶のない少女。そのビルでは、階段をいくら降りても、エレベーターに乗り続けても、ずっと32階が繰り返されてしまう。この謎めいた導入だけで思わず引き込まれてしまう本作だが、ボリューム的にも圧倒的で、総プレイ時間は30時間ほどだという。
インディーゲームというとゲーム内容的にも小規模なものをイメージしてしまうかもしれないが、質的にもボリューム的にも大きな満足感を体験させてくれそうな一作だ。なお、本作は2026年のリリースが予定されている。

不思議な人形から誘われゲームに挑む!デッキ構築型ローグライク×3Dボードゲーム「ひとりあそび」
続いて紹介したいのが、出展団体名「PlametaKeeper」によるデッキ構築型ローグライク×3Dボードゲーム「ひとりあそび」。

インディーゲームの中で高い人気を誇るゲームジャンルがデッキ構築型ローグライクゲームだ。また、インディーゲームといえば、ダークで文学的な、作家性を感じさせるストーリーが魅力となることも少なくない。そんな2つの要素を兼ね備えた作品が、本作「ひとりあそび」。
主人公の少女「リナち」は、人語を解す不思議な人形「ポコ」にゲームへと誘われる。そのゲームとは、おもちゃの兵隊を用いて、敵の王様を倒すボードゲーム。はたしてこのゲームは、少女にとってどのような意味を持つのか? デッキ構築型ローグライクの奥深さと、ストーリー的奥深さの両方が楽しみな一作。本作は、2026年リリース予定だ。

光と闇によって巧みに表現された不気味な世界観が魅力!ホラーアクションアドベンチャー「Lull: Rest After Crying」
続いては、出展団体名「Tonkobitta」による「Lull: Rest After Crying」。

本作は、赤ん坊を背負った少女が謎の施設からの脱出を目指すというホラーアクションアドベンチャーゲームだ。
光と闇を巧みに使ったビジュアル表現によって、舞台となる施設の不気味さが強調されており、非常にスリリング。この施設は何なのか? そして少女が背負っている赤ん坊は何者で、少女とどのような関係なのか? 謎めいた設定に、思わず引き付けられてしまう一作だった。「Lull: Rest After Crying」は、2026年リリース予定。

武器は記憶力と運!レベル1ポンコツ勇者が主人公の絵合わせRPG「勇者と幸運のパネル」
シンプルながらユニークなゲームシステムで目を引いたのが、出展団体名「ねこどらソフト」の「勇者と幸運のパネル」。

本作の主人公・アリアは、最強の勇者だったにもかかわらず、プレイヤーが召喚されたことによって力を失い、レベル1のポンコツとなってしまう。そこでプレイヤーは責任を取り、アリアとともに二人三脚の冒険を始めることに。
本作の育成システムは、絵合わせ。パネルをめくって同じ絵柄を揃え、ペアになると装備や経験値をゲットできる。アリアが再び最強となるかどうかは、プレイヤーの記憶力と運次第というわけだ。本作はスマートフォン向けに、2026年2月配信予定。

自分の体力と引き換えに弾丸を生成し戦うTPS/FPSサバイバルホラー!「P4ST3L(パステル)」
ユニークなゲームシステムという点では、出展団体名「UsaginO」による「P4ST3L(パステル)」も魅力を感じた一作だ。

「P4ST3L」は、朽ち果てた水中遊園地からの脱出を目指すTPS/FPSサバイバルホラーゲーム。武器、食料、資源は限られており、生存のためには資源をどう管理するかが重要となる。
そして、本作の特徴的なシステムが、自分の体力と引き換えに銃の弾丸を生成できるという点。脅威から生き延びるために最適な選択は何か? リミナルスペース的な不気味な空間のビジュアルと、突きつけられるシビアな選択が魅力的。なお本作は、Steamにて現在、早期アクセスゲームとして配信されている。

壊れかけのアンドロイドを修理するアドベンチャーパズル!「Save My Scrap -セイブ・マイ・スクラップ」
続いて紹介したいのは、ユニークな切り口を持つアドベンチャーパズル「Save My Scrap -セイブ・マイ・スクラップ」。

出展団体名「AMATA Games」による本作は、「アンドロイドの修理」という要素を、間違い探しや配線パズルといったミニゲームとして表現。アンドロイドの修理士である主人公は、医師ミオマルからの依頼によって、壊れかけの旧型家事アンドロイド、ハリマの修理を行うことになる。
ミニゲームによって、「ハリマ」を修理。と同時に、依頼主であるミオマルやハリマとの交流によって、物語は衝撃の真実へと向かっていくという。本作は、2026年のリリースが予定されている。

リズムにノる爽快感と暗記の達成感でダブルに気持ちイイ!暗記系音楽ゲーム「リズフリたん!」
ここまでストーリー性の強いゲームを中心に紹介してきたが、ゲームシステムを純粋に楽しむタイプのゲームの中で、これまでにない作品だと感じたのが、出展団体名「青木とと(ˊᗜˋ*)」による「リズフリたん!」。

本作は、いわゆるリズムゲームの一種なのだが、リズム感以外に暗記力も問われることとなる。ゲームには、お手本パートと自分がリズムを刻むパート、2つのパートが存在。お手本パートでは、リズムゲームのノーツのように流れてくる絵柄に対してキーを押す。すると、絵柄とキーが紐づけられる。
そしてリズムを刻むパートでは、リズムに合わせお手本通りに、キーを押す。リズムにノる爽快感と暗記の達成感、ダブルで気持ちよくなれる一作だ。本作は2026年春リリース予定。

死んでしまった主人公があの世を目指す!ホラーゲーム「この世からの脱出」
最後に紹介するのは、ホラーゲーム好きな筆者が、今回のイベントで最も怖いと感じたホラーゲーム「この世からの脱出」!

出展団体名「昭和3D」による本作は、昭和時代を舞台に、死んでしまった主人公があの世を目指すという内容。まず、キャラクターのデザインが不気味で恐怖を掻き立てるのだが、それ以上に世界観が怖い。モノクロームで描かれた空虚な世界観は、悪夢のようにつかみどころがない。
「死後の世界」のようにも思えるが、主人公は「あの世を目指す」わけだから、まだ「この世」だと思われる。しかしながら、どう見ても「この世」のものとは思えぬ不気味さが漂う。ホラーゲーム好きとしては注目せざるを得ない一作だ。

インディーゲーム好きにはオススメ!クリエイターの方との会話やグッズ獲得も魅力のイベント
今回、筆者の心にとりわけ響いたゲームは以上だ。ただ、正直なところ、ここに紹介した以外にも取り上げたかったゲームは沢山あった。というのも、「東京ゲームダンジョン11」で展示されていたゲームは300タイトル以上。当然、ユニークでおもしろいインディーゲームはまだまだある。けど、全部取材して記事にするには、さすがに時間が足りない…。
だからこそ、興味を持った人は、ぜひ次回の「東京ゲームダンジョン12」に参加してほしい。リリース前のゲームをプレイできるという以外にも、ゲームを作っているクリエイターの方と会話したり、グッズやチラシを手に入れたりといった点も、イベントの魅力となっている。次回の「東京ゲームダンジョン12」は、2026年5月開催予定だ。

ホラーに特化してゲームを作るインディゲーム作家。インディゲームデベロッパー株式会社ワーを一人でやってます。クリエイターとしてゲームライターとして講師として、そしてもちろんいちゲーマーとしてゲームとともに生きています。
※画面は開発中のものです。
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