
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/Microsoft Store on Windows/Steam用RPG「ドラゴンクエストVII Reimagined(リイマジンド)」を2月5日に発売する。
「ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち」(2000年)をフルリメイクした本作は、登場人物やモンスターなどのキャラクター表現に、人形を思わせる3DCG「ドールルック」を採用。単純にビジュアルやサウンドがリッチになっただけでなく、ゲーム全体のバランスや一部のシステム、インターフェース、さらにシナリオの一部にまで手が加えられ、現代のプレイスタイルに寄り添う形で“再構築(=Reimagined)”された「ドラクエVII」である。
弊誌では昨年11月に試遊レポートをお届けしているが、今回はNintendo Switch 2版の製品版を最初からプレイしてのレビューとなる。
過去に発売された作品ではあるものの、本作で初めて「ドラクエVII」を遊ぶ人もいると思われるため、ストーリーの核心に触れることは控えつつ、主にゲームシステムやプレイフィールを中心に紹介していきたい。
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本稿の画像は全てNintendo Switch 2版で撮影したものだ人間の業やエゴをテーマとしたシナリオがプレイヤーの心を揺さぶる
本作の主人公は「エスタード島」に住む猟師の息子の少年。島の王国の王子で親友のキーファや、幼なじみのマリベルとともに、小さな島の中で平穏な生活を送っていた。しかしある日、キーファが城で王家の古文書と「ふしぎな石版」のかけらを見つけたことをきっかけに、島の東にある「禁断の地」へと足を踏み入れる。
主人公の親友キーファ。彼の行動力は、ときとしてプレイヤーさえも困惑させる
謎の声から課せられた「試練」を乗り越えた彼らは、禁断の地で出会う「石版案内人」により、“選ばれし者”を導くための力が石版に宿っていることを知らされる。かけらを集めて完成した石版によって、新たな世界への道が開かれ、彼らは島の外へと旅立っていくのだ。
世界中に散らばった「石版のかけら」。複数集めるとひとつになり、新たな旅への扉が開く
この石版がもたらすものは“世界の再生”だ。石版の先にある「島」ではさまざまな出来事が起きており、主人公たちが関わることで物語が動き出し、その結果として世界が少しずつ元の姿を取り戻していく。
旅先で描かれるエピソードの多くは、シリーズ王道の勧善懲悪な冒険譚とは趣が異なり、人の業やエゴを発端とする現実味のある人間ドラマが中心となっている。しかもそれらは必ずしもすっきりとした結末ばかりではなく、問題が解決したとしても、どこかに傷跡や余韻を残す話も少なくない。
世界が少しずつ再生していく希望の裏にある出来事を主人公たちだけが知る――そうした体験の積み重ねは、プレイヤーの心理を強く揺さぶる。
序盤から心にズンと響くストーリーが展開していく
「ドラゴンクエスト」シリーズの中でもかなり個性的なゲームデザインであり、上記のような展開は多少なり好みが分かれる部分もあるだろう。ただほかのシリーズと直接的な繋がりはなく、石版の世界は短編小説を読むような感覚で進められるので、好きなときに進め、好きなところで区切れるという点で、現代のプレイスタイルにも向いている印象を受けた。
島とそこで起こる物語は石版の数だけ存在する。期待と同時に不安も湧いてくる“Reimagined=再構築”によって究極の進化を遂げた「ドラゴンクエストVII」
現代の技術で再構築された「ドラゴンクエストVII」は、オリジナルの魅力を生かしたまま、かつて指摘されていた短所を丁寧に改善していて、「Reimagined」の名にふさわしい仕上がりとなっている。個人的には、近年の「HD-2D」リメイク作品以上に楽しめたと感じている。
出会いと別れがある本作は、そのタイミングにも調整が加えられている
過去のプレイから時間が経っていることもあり、物語や演出が新鮮に感じられたことがプラスに働いているものの、テンポよく進められるバランスが楽しさに直結していた印象が強い。特に戦闘を自動で進められるオートバトルは、仲間が素早く的確に行動してくれるため、安心して任せることができた。
仲間のAIは非常に賢く、戦況に応じてかけもち職業の呪文や技を的確に使い分けてくれる
全員が「バッチリがんばれ」相当の高速戦闘を行うオートバトル。該当のボタンでオン/オフが可能だ
かといって短くなり過ぎていたり、あるいはヌル過ぎたりする印象はなく、難易度は初期設定のまま、オートバトルを適度に活用するプレイスタイルで進めたところ、ダーマ神殿クリアまでに約11時間を要している。もっともこのあたりの所要時間は難易度設定によって大きく変わると予想できるのだが。
ストーリー展開の影響でトラウマものの難しさだったダーマも、条件は変わらないが難易度はかなり緩和された
そのほかにも、方向ボタンのショートカット機能、マップ上での店舗販売アイテム表示、収集アイテムや小さなメダルのリスト化、店で再購入不可アイテムを売却する際の注意喚起など、細かな配慮が随所に行き届いており、遊びやすさの面でも好印象だった。
方向キーのショートカットには「くちぶえ/たからのにおい(ガボの特技)」、「ダーマの水晶」、「まんたん/ほぼまんたん」、「魔法のじゅうたん」が設定される
メダルリストは石版リストと同様、行った場所にあるものをリスト化している
今回のレビューで筆者のモチベーションを高めてくれたのがBGMだ。プレイステーション版では前作からの音源の進化を実感し、3DS版ではより良い音で聴きたくてイヤホンを新調し、近年は「ドラゴンクエストウォーク」のイベントでも耳にして懐かしさを覚えた楽曲群である。本作の楽曲は最新のアレンジが施されており、特にフィールド曲「足どりも軽やかに」は冒険心を強くかき立てられた。可能であれば音響環境を整えてプレイすることを勧めたい。
発売当初、生音が使えるようになった「ドラクエVII」は、それまで以上に楽曲のクオリティが高いものとなった
オリジナルの発売から26年を経て“再構築”され、現時点で“究極”と呼んで差し支えないリメイク作品「ドラゴンクエストVII Reimagined」。当時の思い出をリピートするのもよし、途中で止まっていた冒険を再開するのもよし。あるいはシリーズから長く離れていた人や、未体験のプレイヤーにも勧められる大傑作として、心から楽しんでもらいたい。
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