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 ゲーミングPCが欲しいけど自作は面倒だからBTO PCにしよう。でも、どのマシンを選べばいいかわからないし、PCパーツの種類が多すぎてカスタマイズが難しそうだし、購入後のトラブルも怖い……。このように悩んでいる初心者はかなり多い。

 今回紹介するサイコムの「G-Master Velox III AMD Edition」は、そんな方にオススメしたいゲーミングPCの1台だ。カスタマイズの必要がないほどの鉄板の構成でコスパも意識している。というわけで、前編・後編に分けてレビューをお届けしよう。前編の本稿では、写真を中心にまずは主な特徴をご紹介する。

標準構成でも十分快適な初心者向けモデル

 BTO PCの利点は、購入前に構成を自由に変更できること。予算にあわせてコスパが良いPCパーツを選んだり、性能を追求してハイスペックな仕様にしたり、ユーザーのニーズに応じてPCを自由にカスタムできるのだ。だが、そのカスタムにはCPUやビデオカード(GPU)、メモリー、ストレージなど、PCパーツの知識がそれ相応に必要になる。

 ゆえに、よくわからず適当に選ぶと後悔することもしばしば。イマドキのゲーミングPCは標準構成ならそうひどい目にあったりしないが、PCに詳しい友人・知人などに相談せずに購入することは、初心者にとってはかなりの不安をともなう行為だろう。カスタマイズメニューの多さが悩みの種になることもある。

 実際、筆者がPC初心者だったころ、BTO PCのカスタマイズに失敗したことがある。購入してから「SSDの容量を増やすべきだった」とか「強いビデオカードを積むべきだった」と激しく悔やんだものだ。このように、「とりあえず生で」が通用しない点がBTO PCの難しいところである。

 対して、G-Master Velox III AMD Editionは、選べるPCパーツの種類は控えめなので、初心者でもとっつきやすいモデルといえる。また、標準構成のPCパーツはサイコムに在籍するBTO PCのプロフェッショナルが厳選したもの。そのため、そのまま標準構成で買ってもいい、高品質かつトレンドを押さえた仕様となっている。

 もちろん、BTO PCの醍醐味は理想の1台にカスタムできること。まったくカスタムメニューがないわけではないのでご安心を。ほかのシリーズよりもメニューは少ないが、ちょっとカスタムしてみたいという初心者へも配慮している。というわけで、筆者としてはゲーミングPC選びで悩んでいる初心者の最初の1台には、本機を強く推したい。

USB Type-CがうれしいミドルタワーPCケース

 G-Master Velox III AMD Editionが初心者に最適なゲーミングPCだとわかったところで、ここからは外観に焦点を当てていきたい。本機のPCケースは、Fractal Designの「Pop Silent」を採用。ATXに対応するミドルタワーモデルで、シンプルなデザインと吸音フォームが貼付済みのサイドパネルなどが特徴だ。

 標準構成はホワイトモデルだが、試用機はブラックモデル(Pop Silent Black TG Clear Tint FD-C-POS1A-02)だった。筆者はブラックが好みなので、PCケースをひと目見た瞬間に「ええやん」と心の中でサムズアップしたものだ。

 カスタマイズメニューのLEDストリップも雰囲気がイイ。なんせゲーミングPCといえば、RGB LEDのライティングだ。強化ガラス越しにライトアップされたPCパーツを見ていると、所有欲も満たせるはず。性能にはまったく関係ない要素だ、気になる方はぜひ追加してほしい。

 天面には電源ボタンをはじめ、オーディオ・マイク端子、2基のUSB Type-A(USB 3.0)、USB Type-Cを配置。このUSB Type-Cからはサイコムのサービス精神がうかがえる。なぜなら、PCケース単体には付いていないオプションキットだからだ。この細やかな対応がなんとも同社らしい。

注意書きシールでゲーミングPC初心者へ配慮

 マザーボード側のインターフェースも必要十分な装備だ。USB Type-Aは10基(USB 3.2 Gen 1が4基、USB 2.0が6基)、USB Type-Cは2基(USB 3.2 Gen 2とUSB 3.2 Gen 1が1基ずつ)と豊富で、有線LANは2.5GbEをサポート。無線LANはWi-Fi 6Eに対応し、Bluetooth 5.2も使える。

 興味深い点は、注意書きのシールがいくつか貼られてあったこと。たとえば、マザーボード側に貼ってある「ビデオカード側の端子をご利用ください」のシールと、ビデオカード側に貼ってあるイラスト付きのシール。

 初心者の多くは、HDMIケーブル(もしくはDisplayPortケーブル)をビデオカード側ではなく、マザーボード側の端子に挿してしまいがちだ。昨今はビデオカードを迂回出力できることもあるがデメリットも多い(参考記事:「いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む」)。

 また、BIOSの設計次第ではそもそも迂回出力できないこともある。ひと昔前の「映像が出ない」トラブルはこれが原因になっている場合も多かった。ゆえに、この注意書きはありがたいところ(筆者も初心者のころにやらかしたもの……)。

 このPC初心者への配慮もG-Master Velox III AMD Editionが初心者向けである所以と言っていいだろう。カスタマイズメニューの限定やコスパなども含め、徹底的に入門向けのゲーミングPCとして仕上がっている印象だ。

試用機はオススメカスタム例だが標準構成でもOK

 G-Master Velox III AMD EditionのマザーボードはASRockの「B850 Pro-A WiFi」。メモリーは標準構成では16GB(8GB×2)だが32GB(16GB×2)に、ストレージは1TB M.2 SSDから2TB M.2 SSDにグレードアップしていた。現在メモリーとストレージの高騰で価格は「時価」になるものの、標準構成でもゲーミングPCとして十分な仕様だ。

  標準構成だとCPUはRyzen 5 9600(6コア/12スレッド)だが、試用機ではRyzen 7 9700X(8コア/16スレッド)を採用。CPUクーラーはNoctua製の空冷CPUクーラー「NH-U12S redux」から、サイコムオリジナル仕様の簡易水冷モデルに変更していた。

 240mmラジエーターに装着した120mmファン2基はNoctua製で、安定した冷却性能と驚くほどの静音性が特徴。高負荷な作業をするとそれなりの音になるが、アイドル時や軽負荷作業時は静かだ。PCケースの消音効果もあいまって、夜中にゲームをプレイしても気にならないと感じた。

 ビデオカードも標準構成(GeForce RTX 5060)からMSI製のGeForce RTX 5070搭載モデルに強化していた。フルHDゲーミングならGeForce RTX 5060でも十分だが、WQHDかつ高画質設定で快適にプレイしたい人はGeForce RTX 5070がオススメだ。最新タイトルはとにかくVRAM容量がものいうものが多いので、12GB GDDR7は有利に働くだろう。

すっきりした配線&拡張性も魅力

 G-Master Velox III AMD Editionはケーブルレイアウトにも抜かりがない。ケーブルの裏配線はPC自作でも腕が最も問われるところだが、本機の配線は一切ムダがない職人芸の領域。思わず「こういう配線ができたらな……」とうらやんだほどである。

 また、本機は3.5インチおよび2.5インチのストレージを増設できる。BTOでカスタムしてもいいが、「今は高いので値段が落ち着くまで我慢する」という人も少なくないだろう。そんな人にとっても、これだけキレイなケーブルレイアウトなら、増設時にケーブルを見失うことはないだろう。

まとめ:最初の1台にオススメしたい高品質なコスパ重視モデル

 G-Master Velox III AMD Editionは、見た目も中身も抜かりなしのゲーミングBTO PCだ。サイコムが厳選した高品質PCパーツもそうだが、初心者でもわかりやすく購入・利用できる仕様も魅力。ゲーミングPCの購入に失敗したくない初心者につよくオススメしたい。まさに「迷ったらこれ!」モデルだ。

 本稿は外観をメインに取り上げたが、性能が気になる人もいるだろう。そこで次回は、本機のゲームパフォーマンスをチェックしていく。定番のベンチマークソフトと、最近流行りのゲームタイトル3本で、本機の真価をじっくり計っていきたい。

迷ったらこれ!高品質&鉄板パーツを厳選したサイコム製ゲーミングPCは最初の1台に超オススメ

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