ZOTACのミニPCのうち、ZBOX MAGNUS EN275060TCは「ZBOX MAGNUS ENシリーズ」というゲーミング/クリエイティブ向けに含まれる。幅20.3×奥行き21×厚み6.22cm、容量にして約2.65リットルと、一昔前のコンシューマーゲーム機のようなサイズ感であり、Eシリーズの中では最もコンパクトな筐体を採用している。
手のひらに収まるほど小さいわけではないが、ミドルタワーやミニタワータイプのデスクトップPCと比べれば圧倒的に小さく、置き場所を選ばず利用できる。付属のウォールマウント用金具を利用すれば、壁掛け設置も可能だ。
前述のとおりCPUはCore Ultra 7 255HX。「Arrow Lake」アーキテクチャーを採用したゲーミングノートPC向けモデルで、高性能コア(Pコア)は8基、高効率コア(Eコア)は12基という構成のパワフルなCPUだ。さらに注目すべきは、デスクトップ版のGeForce RTX 5060 Tiを搭載していることであり、強力なグラフィックス性能を利用できる。
ミニPCでもごく少数外部GPUを搭載するモデルは存在するのだが、ノートPC向けのモバイル(ラップトップ)版を搭載するケースがほとんどだ。同じ型番だとしてもデスクトップ版に比べるとモバイル版は省電力ではあるものの仕様や性能がかなり絞られており、実使用上のパフォーマンスにも差がある(RTX 5060 Tiにはモバイル版が存在しないが)。しかし、ZBOX MAGNUS EN275060TCでは、約2.65リットルという限られたボディの中に、高性能なデスクトップ版RTX 5060 Tiをギュッと搭載することで、PCゲームやAIアプリへの適性をさらに高めている。
こうした高性能なCPUやGPUを搭載することもあり、冷却機構もなかなか豪華だ。メッシュ構造の天板からは、内部に3基のファンと大きめなヒートシンクが見える。これらのファンを状況に応じて適切に制御することで、CPUやGPUをしっかりと冷却できるようにしているのだろう。後述するグラフを見てもらうと分かるが、コンパクトながら安心して利用できるレベルの冷却性能を備えている。
COMPUTEX TAIPEI 2025に展示された内部が見えるデモ機
COMPUTEXのZOTACブースに展示されていた「ZOTAC ZBOX MAGNUS EN75060TC」。
GeForce RTX 5060 Ti 16GB GDDR7を搭載した世界最小PCという製品で、2.65リットルサイズの筐体を採用。
筐体内が見れるようになっていて、思わず見入ってしまいました。
#COMPUTEX_AHpic.twitter.com/BblxPjgQCW— AKIBA PC Hotline! (秋葉原) (@watch_akiba)May 22, 2025
※COMPUTEX当時は型番がEN75060TCだったが、その後現在のものに変更された
そしてここまで高性能なパーツを組み合わせた構成なら、一番気になるのは実際の性能だろう。今回は、実際のPCゲームを利用してゲームの快適さやFPSを計測できるベンチマークテストを実行し、解像度やグラフィックスの設定による違いで「どの程度までイケる」のかを検証してみた。
なお日本国内においては、本機はメモリやSSDを搭載しないベアボーンPCをベースに、メモリとSSDを搭載し、Windows 11 Proをプリインストールしたカスタマイズモデルを販売する予定だという(メモリやSSDについてはバリエーション展開を行うとのこと)。今回試用した機材は検証用サンプルで、32GBのメモリ(DDR5-5600 SO-DIMM 16GB×2)と1TBのM.2 SSD(PCI Express 4.0 x4接続)がインストールされていた。検証も到着時の状態で行っているが、正式販売開始後は仕様が異なることも考えられるので、その点はご留意いただきたい。
【検証用サンプルの主な仕様】CPUIntel Core Ultra 7 255HX(20コア20スレッド)GPUNVIDIA GeForce RTX 5060 Ti 16GB GDDR7メモリDDR5-5600 SO-DIMM 16GB×2ストレージM.2 SSD 1TB(PCI Express 4.0 x4)通信機能2.5GbE×2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4主なインターフェースDisplayPort 2.1b×3、HDMI 2.1×1、
Thunderbolt 4×2、USB 10Gbps×5基本体サイズ(W×D×H)203×210×62.2mmOSWindows 11 Home
まずはレーシングゲームの「F1 24」。グラフィックス設定をもっとも高い「超高」と平均的な「中」に設定し、平均フレームレート(単位:fps)を比較したものだ。フレーム生成に対応しているタイトルなので、フレーム生成の有無別でも計測している。
F1 24の計測結果
F1 24は比較的グラフィックスの負荷が低いゲームであり、4Kでも普通にプレイが可能と言ってよいだろう。フレーム生成を有効にすると平均フレームレートはおおむね1.3~1.5倍程度向上する。
グラフィックス負荷が低めなタイトルとしてもう一つ、「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク」を実行した。グラフィックス設定は「最高品質」に設定してScoreを比較した。
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマークの計測結果
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマークの計測結果(フレームレート)
評価はフルHDで[非常に快適]、WQHDでは[とても快適]、平均フレームレートも100fpsを超えてプレイ感覚も上々。ただ4Kともなると平均フレームレートは55fpsまで落ち込み、ちょっと厳しい場面も増えてくる。
描画負荷の高いPCゲームとして、まずは「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」の結果を見てみよう。グラフィックス設定は[ウルトラ]と[中]、こちらもフレーム生成機能に対応するので、有効/無効を切り換えてテストした。
モンスターハンターワイルズ ベンチマークの計測結果
フレーム生成をOFFにした場合、4Kだとどちらの設定でもちょっと厳しい。ただフレーム生成を有効にすれば、4Kでもかなり快適だった。最新技術とパワフルなGPUによる効果が十分に発揮された結果だ。
最後に同じくフレーム生成に対応するサイバーパンク2077の結果も見てみたい。同タイトルではDLSS4のマルチフレーム生成機能に対応しているため、今回は2倍(2X)と4倍(4X)でもテストを行った。
サイバーパンク2077の設定画面には[DLSS Multi Frame Generation]という項目があり、ここで[2X/3X/4X]の設定が可能
基本となる画質の設定は[レイトレーシング:ウルトラ]と[レイトレーシング:中]としている。
サイバーパンク2077の計測結果
フレーム生成が無効の状態だと、4Kではどちらの設定でも厳しいのだが、フレーム生成を有効にすることで平均フレームレートは60fpsを超え、ベンチマーク中の映像もスムーズに表示された。WQHDやフルHDならさらに快適で、マルチフレーム生成を有効にした状態でも映像にはそれほど違和感を感じなかった(あくまで自動進行するベンチマークテストでの印象なので、実際にプレイする際には映像だけでなく操作性を含めた調整は必要だろう)。GeForce RTX 5060 Tiを搭載するZBOX MAGNUS EN275060TCだからこそ堪能できる体験と言える。
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