近年のJRPGを代表する名作「ペルソナ5」シリーズのスペシャルコンサート「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」が12月2日~5日の4日間にかけて、新宿文化センターと神戸国際会館の2カ所で開催されたのをご存じだろうか。

 本イベントは「ペルソナ5」の作中で流れるBGMや楽曲をビッグバンド・サウンドで堪能できるコンサートとなっており、「ペルソナ5」の多くの楽曲でボーカルを担当した稲泉りん氏による生歌唱に加え、エリック・ミヤシロ氏をバンドリーダーとする日本屈指の腕利きプレイヤー達による演奏、音楽ディレクターにはグラミー受賞アーティスト・チャーリー・ローゼン氏を迎えた超豪華コラボレーションが実現したイベントとなっている。

【P5BB アレンジ楽曲デモ音源(一部抜粋)】

 「ペルソナ」シリーズといえばRPG作品の中でもトップレベルの知名度と人気を誇るシリーズだ。近年のタイトルではスタイリッシュなバトル演出と独自の世界観の中で、少年少女達が日常と非日常を行き来しながら困難に立ち向かう高品質なジュブナイルストーリーが大きな特徴となっている。

 ナンバリング毎に作風・設定がガラッと変わりながらも一貫して“人間の様々な負の精神性と向き合う”部分に注力したストーリー構成はアトラス作品らしいダークテイストを残しつつ、物語の本筋に「学園生活の裏で人知れず世界を救う」という何とも中二心をくすぐる設定が合わさることで他では体験できない“刺さる人にはとことん刺さる”世界観を実現している。

 そんな「ペルソナ」シリーズを構成する最も重要な要素の1つとして欠かせないのが作中で流れる素晴らしい楽曲だ。

 シリーズに詳しくない人でも「『ペルソナ』と言えばオシャレなBGM」と何となく認知している人が存在するくらいにはBGM・楽曲に力が入っている作品となり、目黒将司氏などが手がける作風に合わせて変化する“スタイリッシュさ”を追求した音楽の数々が大きな魅力となっている。

 本コンサートの主題となる「ペルソナ5」であれば、作品を代表する楽曲「Life Will Change」はどこかで聞いた事がある人も多いのではないだろうか。

 今回のコンサートはそんな素晴らしい楽曲の数々を超豪華プレイヤー達による生演奏で味わえる夢のイベントとなっているのだ。

 正に“心を奪われる”ような一時を楽しむことができたので、今回の記事ではその様子をお届けしたい。

【【DJモルガナ】「Life Will Change」 みんなで選ぶ『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』楽曲 第1位】

公式チャンネルでも「ペルソナ5」を代表する楽曲として紹介されている「Life Will Change」2部構成で全19曲演奏! 世界的演奏家チャーリー・ローゼン氏が指揮・編曲・音楽ディレクターを担当

 筆者が参加したのは12月4日の昼公演となり、この日は昼と夜の2公演が新宿文化センターにて開催された。

 会場内では本イベントをモチーフとしたドレスアップ姿の怪盗団メンバーのオリジナル限定グッズが発売され、物販コーナーは多くのプレイヤーで賑わっていた。

 今回のビッグバンドに合わせ、各キャラクター毎に担当楽器が設定されており、ドラム担当の「竜司」や指揮担当の「モナ」などキャラクターイメージと合致したデザインに落とし込めている非常に完成度の高い新規イラストとなっている。

 衣装をよく見みると各キャラクターを象徴する「ペルソナ」やアイテムをモチーフとした装飾を身に着けていたりするのもファンとしては嬉しいポイントだ。

かなり早めに物販コーナーに並んだのだが多くの商品が爆速で品切れる程の大盛況となっていた……! パンフレットには参加したキャストのコメンタリー、キャラクターのデザイン設定、本イベントのセットリストとアレンジコンセプトなどが載っていたりと満足度が高い

 本コンサートはアンコールを含めて全19曲の演奏を前半・後半で15分休憩を挟んだ2部構成。楽曲の合間には今回のビッグバンドアレンジを手掛けたチャーリー・ローゼン氏による小粋なトークなども披露される形で進行した。

 チャーリー氏は「グラミー賞&トニー賞」をそれぞれ2度受賞した実力のある世界的演奏家であり、グラミー賞に関しては「ペルソナ5」の楽曲「Last Surprise」のビッグバンドアレンジでノミネートされているので、その実力を疑う者はいないだろう。

【チャーリー・ローゼン氏】

本コンサートの指揮・編曲・音楽ディレクターを担当したグラミー賞の受賞経験もある世界的演奏家イベント内では日本で「ペルソナ5」の公演を行えることがとても嬉しいと語り、演奏中やトークタイムでは時折コミカルな一面も見せ観客を大いに盛り上げていた

 開演前や休憩時間中のホールでは「ペルソナ5」のキャラクター「奥村春/ノワール」がアナウンスを担当し、イベントに来た怪盗団メンバーの様子や会場となった「東新宿」周辺の紹介が行われるなどシリーズファンには嬉しいサプライズとなっていた。

 クラシックな雰囲気となる今回のコンサートのアナウンスに怪盗団の中でも指折りの令嬢である彼女はベストマッチな存在と言えるだろう。

 公演時間は120分となり、セットリストは以下になる。

【セットリスト】

□第一部
0.Overture
1.Wake Up, Get Up, Get Out There
2.Life Will Change
3.Butterfly Kiss
4.Tokyo Daylight
5.全ての人の魂の詩(Aria of the Soul)
6.Beneath the Mask
7.Have a Short Rest
8.Will Power
9.Rivers In the Desert

□第二部
10.Colors Flying High
11.Tokyo Emergency
12.Break it Down
13.Layer Cake
14.No More What Ifs
15.Life Goes On
16.The Whims of Fate
17.Take Over

□アンコール
18.星と僕らと(Hoshi To Bokura To)
19.Last Surprise

ビッグバンドでより壮大に! 常に鳥肌の迫力

 開演後は豪華キャストによる大迫力の生演奏が行われ、各楽曲に合わせる形でライティング演出や後方の大型スクリーンにゲーム映像が流れるなど圧巻の演出で一気に心を奪う。

 ボーカルが存在する楽曲では観客を巻き込んだ手拍子やコール&レスポンスが行われたりなど音楽イベント特有の一体感を楽しめるパートも存在し、稲泉りん氏の美麗かつ力強い歌声を堪能しながら「ペルソナ5」の世界観に浸れる極上の空間となっていた。

「ペルソナ5」の多くの楽曲にてボーカルとして活躍した世界的シンガーチャーリー氏とノリノリで音楽を奏でる姿は正に“夢の最強のタッグ”と言って差し支えない楽曲に合わせた舞台演出で一気に会場は「ペルソナ5」の世界へゲーム体験がフラッシュバックして自然と涙腺が熱くなる感覚が幾度も訪れた……!

 ゲームプレイ時にBGMとして聞いていた時ももちろん素晴らしかったのだが、「ビッグバンド」という形で再誕した今回の演奏は音の迫力や勢いが全く異なり常に鳥肌が出てしまうほどだった。

 各楽曲のアレンジは原曲の良さを残しながら“壮大さ”が増しており、加えて“各楽曲の個性がより強調”されているような印象を受けた。

 BGMとして聞き流していた各楽曲のキャッチーなメロディーの良さに改めて気づくことができながらも、アレンジによって拡張された“曲の盛り上がり”が何とも聴き応えのある完成度だったのだ。

 中でも筆者が特に感動したアレンジは各楽曲に必ず1度は訪れるプロアーティストによるソロパートだ。

 楽曲によって異なるテイストのソロパートは“初めて聞くメロディーなのに知っている曲とマッチしている”という不思議な感覚が毎回発生し、違和感なく新たな感動を与えるプロの腕前をいかんなく見せつけられた。

ソロパート/アレンジパートの際にはスポットライトが特定のプレイヤーに集中したり、ステージ前方に登場して演奏してくれる再演も決定! 「ペルソナ5」×「ビッグバンド」のコンサートは想像以上

 今回史上初となる「ペルソナ5」×「ビッグバンド」のコンサートだったが、想像以上のシナジーを感じられる素晴らしすぎるイベントだったと筆者は感じている。

 元々楽曲に力が入っているゲームシリーズだが、生演奏でゲームサウンドを体で浴びられる幸せ、楽曲にアレンジが加わる事による新たな発見など、本イベントでなければ体験できないだろう。

 願わくば今回のアレンジ楽曲を何かしらの媒体で発売してほしいと思えるほど素晴らしい演奏だったので、今後の展開に期待したい。

 そんな今回の「ペルソナ5 スペシャル・ビッグバンド・コンサート」だが、なんと2026年夏に早速再演されることが決定した!

 「ペルソナ」ファンで作中の楽曲に興味のないプレイヤーは存在しないと思うので、ぜひ次の機会には一度参加してみてほしい。

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