
サードウェーブが特別協賛する高校生eスポーツ大会「第3回NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権」において、「ストリートファイター6」部門の全国決勝が11月29日に開催された。大会はオンラインで行なわれ、観戦についてもYouTubeにてオンライン配信が無料で行なわれた。
NASEFは「North America Scholastic Esports Federation」(北米教育eスポーツ連盟)の略称。その日本支部となるNASEF JAPANが高校生を対象に開催するeスポーツ大会が「NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権」だ。「ストリートファイター6」部門については、第2回より新たに追加され、今回が2度目の開催となる。
予選大会は10月にオンラインで行なわれ、日本全国を東日本と西日本に分けて、さらにそれぞれ全日制ブロックと通信制ブロックを用意し、計4つのブロックごとにトーナメント方式で試合を実施。各ブロックを勝ち抜いた1校が決勝大会に進出する流れだ。参加校数は東日本の全日制ブロックが40校、通信制ブロックが31校、西日本の全日制ブロックが54校、通信制ブロックが16校で全ブロック合計141校となっている。
決勝大会に進出したのは西日本全日制ブロック代表が「呉工業高等専門学校(呉高専スト6IW)」、通信制ブロック代表が「N高等学校(雷鬼風幻)」、東日本全日制ブロック代表が「国際学院高等学校(AXiS)」、通信制ブロック代表が「S高等学校(THE・割愛)」となり、本日の全国決勝では、全日制ブロック代表と通信制ブロック代表が準決勝を行ない、勝利した高校が決勝に進出し、優勝を決める運びとなる。()内はチーム名。
本稿では全試合や選手たちのインタビューを中心にオンライン決勝のレポートを行なう。なお、全国決勝はアーカイブも公開されており、いつでも見直すことができるので、実際の試合の詳細については、NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権のYouTubeチャンネルをチェックしてみてほしい。
【【ストリートファイター6 部門】第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 全国決勝】
taketake-pianoがまさかの準決勝敗退。モダナー竹野がモダンリリーで驚異の大逆転!
ルールは3人1チームで参加する団体戦だ。先鋒戦、中堅戦、大将戦をそれぞれ2試合先取のBO3(通称2先)で行ない、先鋒、中堅戦の勝利チームは10ポイント、大将戦は20ポイントを獲得。大将戦を終えた段階で同ポイントの場合は、再度2先の延長戦で勝敗を決する。使用キャラクターの制限は特になく、途中でのキャラクター変更も可能だが、最初は事前に申告したキャラクターで必ず1戦行なう必要がある。ステージセレクトはランダムだ。
準決勝第1試合は西日本全日制ブロック代表「呉工業高等専門学校(呉高専スト6IW)」と西日本通信制ブロック代表「N高等学校(雷鬼風幻)」の1戦。先鋒戦は呉工業高等専門学校がケン(モダン)のbluebearab選手、対するN高等学校が豪鬼(クラシック)のゆーり.選手による1戦。ここはゆーり.選手の豪鬼が、ケンの波動拳に対して、弾抜けOD豪昇龍拳を決めたり、正確なリーサル判断などを見せて、2-0で先鋒戦に勝利した。
中堅戦は呉工業高等専門学校がテリー(クラシック)のKB753選手、対するN高等学校がJP(クラシック)のLucky選手の1戦で、ここはLucky選手のJPが圧倒的な攻めを見せて2-0で中堅戦に勝利。N高等学校が20-0でポイント差を広げる展開となった。
試合開始前にはストーム久保氏から両チームの予選試合のハイライトが紹介された
ハイライトでは今回の全国決勝に出場していないリザーブの選手の活躍なども紹介されていた
先鋒戦、呉工業高等専門学校のケン(モダン)を使うbluebearab選手(HIGH MASTER)と、N高等学校の豪鬼(クラシック)を使うゆーり.選手(ULTIMATE MASTER)の対戦は、ゆーり.選手が2-0で勝利
中堅戦は呉工業高等専門学校がテリー(クラシック)を使うKB753選手(MASTER)、N高等学校がJP(クラシック)のLucky選手(GRAND MASTER)による1戦で、ここはLucky選手が2-0で勝利となった
こうして迎えた大将戦。呉工業高等専門学校の大将は、今年3月からプロチームの広島 TEAM iXAに所属して、学生ながらもプロ活動を兼業するtaketake-piano選手のJP(クラシック)、対するN高等学校はリリー(モダン)を使うモダナー竹野選手の1戦となった。
初戦ではモダナー竹野選手がtaketake-piano選手のJPによるSA2「ラヴーシュカ」をバーンアウトした状態で全てガードした直後に、追撃で放たれたインパクトに対してもギリギリでインパクト返しを見せるなど、驚きの展開となった。しかし、試合としてはtaketake-piano選手が2-0で圧勝した。両校とも20ポイントで同点となり、延長戦が行なわれる展開となった。
大将同士が再度登場した延長戦は、最初のセットはギリギリの接戦をtaketake-piano選手が勝利して、モダナー竹野選手が追い詰められる展開に。ところがここで状況が一変。2セット目はモダナー竹野選手の読みが次々と通り、パーフェクト2連勝で1セットを取り返す。次の3セット目も最初のラウンドはtaketake-piano選手が取るも、そこから再度モダナー竹野選手がパーフェクト2連勝を見せるという驚きの展開で、この延長戦を2-1で逆転勝利した!
N高等学校が決勝進出を決め、優勝候補と言われていた呉工業高等専門学校が準決勝で敗退という大波乱の展開となった。
大将戦。呉工業高等専門学校はJP(クラシック)を使うtaketake-piano選手(LEGEND)、N高等学校はリリー(モダン)を使うモダナー竹野選手(LEGEND)の1戦で、ギリギリの接戦をtaketake-piano選手が2-0で制し、延長戦に突入する運びとなった
大将同士による延長戦は1セット取られてからのモダナー竹野選手の動きが劇的に変化、パーフェクト勝利を計4回見せる驚愕の展開で延長戦を2-1で逆転勝利! N高等学校が準決勝を勝利し、決勝進出を決めた
試合終了後は両チームの大将にインタビューが行なわれた。惜しくも敗れた呉工業高等専門学校のtaketake-piano選手は「自分のやりたかったことがやりきれなかったので悔しい」とコメント。具体的には弾撃ちをもうちょっと詰めておけばよかったとしており、言葉の端々から悔しさがにじみ出ていた。
一方、taketake-piano選手は現在高校2年生ということで、来年の大会について聞かれると「来年もチームメンバーが組めれば、ぜひ参加したいと思います」と再挑戦の意気込みを見せた。なお、他のメンバーたちも同じ高校2年生ということで、来年も3人同じメンバーで登場する可能性もありそうだ。また、メンバーたちは大会が決まるまではキャラクターランクがPlatinumやGoldだったが、大会参加が決まってからtaketake-piano選手が一緒にトレーニングすることでMASTERまで上達してもらったとコメントしており、今後のチーム全体の向上も期待できそうだ。
決勝に進出したN高等学校のモダナー竹野選手は「今日までずっとJP戦をいろんな方とやって対策を仕上げてきたので、その成果が今回出せたと思うと本当に嬉しい限りです」と喜びを表現した。大将戦については、チームメンバーたちが2連勝してくれたおかげでじっくりやりつつ、作戦を練ることができた。それが延長戦で出せたとコメントした。
大将戦で敗れてから、再戦となる延長戦についての心境については、とにかく落ち着いてやろうと気持ちを落ち着かせ、仲間からの言葉もあってメンタルを落ち着かせて挑んだとコメント。最後に決勝戦への意気込みを聞かれると、テンション高めに「優勝しまーす!」と一言コメントしてインタビューを締めくくった。
試合終了後にはストーム久保氏が試合での見所ポイントを紹介。タッチペンによる図解入りで分かりやすく解説してくれた
惜しくも敗れた呉工業高等専門学校のtaketake-piano選手のインタビュー
延長戦で驚異の逆転勝利を見せたN高等学校のモダナー竹野選手のインタビューS高等学校のLuciaブランカがCi+LUS選手のエドモンド本田撃破で決勝進出!
準決勝第2試合は東日本全日制ブロック代表「国際学院高等学校(AXiS)」と東日本通信制ブロック代表「S高等学校(THE・割愛)」の1戦。先鋒戦は国際学院高等学校がJP(クラシック)を使う魔法少女三十路マジカ 凪選手、対するS高等学校はキャミィ(クラシック)のgura選手の1戦。gura選手のキャミィの動きが抜群で、1ラウンドも落とすことなく連勝を決めて、2-0で先鋒戦を制した。
中堅戦は国際学院高等学校がジュリ(クラシック)を使うtetuo選手、対するS高等学校はエド(モダン)使いのZAKANA選手による1戦で、tetuo選手のジュリが接戦を制して1セットを先制。続く2セットはZAKANA選手のエドが反撃を見せてここを取り返す。迎えた最終3セットはZAKANA選手の動きがよくなっていき、2-1で中堅戦を逆転勝利。S高等学校が20-0と点差を広げる形となった。
先鋒戦は国際学院高等学校のJP(クラシック)使い、魔法少女三十路マジカ 凪選手(MASTER)と、S高等学校のキャミィ(クラシック)使いのgura選手(HIGH MASTER)の1戦で、ここはgura選手の動きが見事で2-0で先鋒戦を勝利。解説の立川氏はLegendクラスの実力があるとコメントしていた
中堅戦は国際学院高等学校がジュリ(クラシック)を使うtetuo選手(ULTIMATE MASTER)、対するS高等学校はエド(モダン)使いのZAKANA選手(ULTIMATE MASTER)による1戦は前半固い動きだったZAKANA選手が後半は伸び伸びとした動きを見せて2-1で逆転勝利した
大将戦は国際学院高等学校がエドモンド本田(クラシック)を使うCi+LUS(シトラス)選手、対するS高等学校はブランカ(クラシック)使いのLucia(ルチア)選手の1戦。1セットはLucia選手のブランカのペースで試合が展開し先制。続く2セットはCi+LUS選手のエドモンド本田も反撃を見せ1セットを取り返す。最終3セットはギリギリの接戦をCi+LUS選手のエドモンド本田が制して2-1で逆転勝利。延長戦に突入する運びとなった。
大将同士の延長戦も、お互い一進一退の五分の攻防が続き、ギリギリの攻防をCi+LUS選手のエドモンド本田が「ODスーパー百貫落とし」を決めて1セット先制するも続く2セットはLucia選手のブランカが取り返す。白熱の最終3セットは「ODスーパー百貫落とし」を駆使するCi+LUS選手のエドモンド本田と相手の守りの隙をつくようになってきたLucia選手のブランカがフルラウンド・フルセットにもつれ込む攻防を展開。最後は相手の動きを読み勝ちしたLucia選手のブランカが2-1で延長戦に勝利した。S高等学校が30-20で国際学院高等学校に勝利した。
大将戦、国際学院高等学校がエドモンド本田(クラシック)を使うCi+LUS選手(LEGENDランク)、対するS高等学校はブランカ(クラシック)使いのLucia選手(MASTERランク)は、「ODスーパー百貫落とし」を駆使したエドモンド本田らしい攻めでCi+LUS選手が勝利
大将同士で行なわれた延長戦は、五分の攻め合いが展開し、最後は読み合いで上回ったLucia選手のブランカが接戦を制して勝利し、チームを勝利に導いた
試合終了後は両チームの大将にインタビューが行なわれた。惜しくも敗れた国際学院高等学校のCi+LUS選手は大将戦について「全体的にゲーム内容で負けていたのはひしひしと感じていましたが、要所要所の読み合いで勝っていた」と分析した。延長戦については「ここで勝てば決勝ということで気合いを入れて挑んだが、途中からこちらの動きに対応されてしまっており、やはり相手がうまかった」とした。
Ci+LUS選手は現在2年生とのことで来年もチャンスがあれば是非挑戦してほしいと振られると「次はもっと強くなって帰ってきます!」と元気に答えたところでインタビューを締めくくった。
惜しくも敗れた国際学院高等学校の大将を務めたCi+LUS選手のインタビュー。悔しい気持ちが表情から現れていた
決勝に進出したS高等学校のLucia選手は大将戦で敗れて延長戦にも再度出場した経緯について「『俺ならやれるから行かせてくれ』と仲間にお願いして出場させてもらい、それでも勝てるか怪しい戦いでしたが、なんとか対策がはまって勝てました」と述べた。
大会前の準備としてはずっと意識して練習していたほか、1カ月ほどリプレイをずっと見ていたとコメント。さらに「たまたま昨日、ランクマッチで当たったんですが、その時は勝つことができたので楽勝と思っていましたが、今日はなんとかギリギリで勝てました」と明かした。
決勝戦については「ここからは同門対決になるので仲間を信じて、チーム全員で勝ち切りたい」としてインタビューを締めくくった。
見事に決勝進出を果たしたS高等学校のLucia選手のインタビューリリー使いモダナー竹野選手が好調もZAKANA選手のエドが撃破してS高等学校が初優勝!
いよいよ迎えた決勝戦は、西日本代表のN高等学校(雷鬼風幻)と東日本代表のS高等学校(THE・割愛)という同門対決となった。先鋒戦はN高等学校が豪鬼(クラシック)のゆーり.選手、S高等学校がキャミィ(クラシック)のgura選手の1戦で、ここは冷静な立ち回りを見せたgura選手のキャミィ(クラシック)が2-0で勝利。
決勝戦においては、1戦終了毎にそれぞれの選手インタビューが行なわれた。先鋒戦で惜しくも敗れたゆーり.選手は「強かったです。結構前から試合していていつも負けていたので、今回は勝ちたかったんですけど、負けてしまったので悔しい」とし、普段からgura選手に苦戦していたことを明かした。
見事に勝利したgura選手は「準決勝がかなり熱くて、大将のLuciaがよく勝ってくれたので、気を引き締め直して勝ててよかったです。緊張しましたが、豪鬼戦は頑張って練習して対策が間に合ったのでよかった」と感想を述べた。MRが実力より低いように感じられた点については、過去の最高ランクポイントは2,000くらいだったと明かしており、現在あまり高くない理由については、ランクマッチをあまり行なわず、大会対策としてカスタムマッチでしか試合をしていなかったと語った。
先鋒戦はN高等学校の豪鬼(クラシック)使いのゆーり.選手とS高等学校のキャミィ(クラシック)使いのgura選手(HIGH MASTER)の1戦で、ここはgura選手が2-0で先鋒戦を勝利
先鋒戦で惜しくも敗れたゆーり.選手
先鋒戦で勝利したgura選手
中堅戦はN高等学校がJP(クラシック)のLucky選手、S高等学校がエド(モダン)使いのZAKANA選手の1戦で、ここは、差し返しの距離感や咄嗟の反応やアドリブの攻めがうまかったZAKANA選手が2-0で勝利。S高等学校が20-0とリードを広げる展開となった。
中堅戦で惜しくも敗れたLucky選手は「元々S高等学校のメンバーとはよく対戦をしていたが、全体の勝率は2割くらいで厳しいと思っていた。大会までの準備期間に、中堅戦でgura選手が来ると想定して対策していたが、オーダーの読みを外してしまった。もちろんZAKANA選手とも対戦したことはあって、それなりに対策はしていたが内容を出しきれなかった」とし、オーダーの難しさを語った。なお、Lucky選手は現在3年生で、大将を務めるモダナー竹野選手が実は2年生であることを明かし、決勝を戦うモダナー竹野選手については「タケ(モダナー竹野選手)は勝ってくれると思います。コマ投げで相手をぐちゃぐちゃにして勝ってほしいです」とした。
見事に勝利したZAKANA選手は「相手チームのメンバー全員の対策をしていたので、勝ててよかった」と感想を述べた。対空の早さを指摘されると「モダンなので頑張って出している。対空が出た方が強いと思っているので」とコメント。格闘ゲームについては「スト6」からのスタートのため、2~3年だという。また、本日解説にいる立川について話を振られるとプレイを参考にしているとし、プロ選手の中で1番好きな選手を聞かれると「それはもちろん立川選手ですよね!」と冗談っぽい笑顔で回答した。
中堅戦はN高等学校のJP(クラシック)使いのLucky選手とS高等学校のエド(モダン)使いのZAKANA選手の1戦で、ここはZAKANA選手が2-0で勝利
中堅戦で惜しくも敗れたLucky選手
中堅戦で勝利したZAKANA選手
大将戦はN高等学校がリリー(モダン)を使うモダナー竹野選手、S高等学校がブランカ(クラシック)使いのLucia(ルチア)選手の1戦で、1セットは冷静な立ち回りのモダナー竹野選手が先制。続く2セットも怒涛の攻めで連勝し、モダナー竹野選手が勝利となり、ポイントが20-20となったため、延長戦が行なわれることとなった。
ここで延長戦を前に、惜しくも大将戦で敗れたLucia選手に話を聞くと「かなり色々準備したが、元々エドも使っているため、エド目線の対策が多かったが、ブランカを使っているとあまり刺さらなかった。対策が噛み合わなくてどうしようかなという感じ」と対策がうまくいってない点について語った。
一方で大将戦に勝利して延長戦に突入できたモダナー竹野選手は「チームメンバーが落としてしまっていたが、自信があったのであまり不安はなく、リラックスしていけたと思う。バンバンコマ投げを使っていく」として勢いを見せつける形となった。
こうして迎えることとなった延長戦は、モダナー竹野選手のリリー(モダン)とZAKANA選手のエド(モダン)による延長戦となった。初戦はモダナー竹野選手の勢いが止まらず1セットを先制。ところが2セット目からZAKANA選手のエドによる反撃が目立ち、リリーのコンドルウィンドを読んでの攻めや、リリーのコマ投げ「メキシカンタイフーン」を読んでかわすようになっていき、フルセットフルラウンドのギリギリまでもつれる接戦ながら、ZAKANA選手のエドがそこを冷静に立ち回り、2-1で逆転勝利を収めた! S高等学校が優勝を飾ることとなった。
大将戦はN高等学校のリリー(モダン)を使うモダナー竹野選手、S高等学校はブランカ(クラシック)使いのLucia選手による1戦で、モダナー竹野選手が見事に2-0で勝利し、延長戦が行なわれる運びとなった
延長戦、N高等学校のモダナー竹野選手は変わらず、S高等学校はZAKANA選手のエド(モダン)が登場。序盤押されながらも後半は読み切って2-1の見事な逆転勝利を決めてS高等学校を優勝に導いた
試合終了後は表彰式が行われた。3位となった呉工業高等専門学校のtaketake-piano選手は、1位を狙っていたので悔しいとコメント。今後の1年については「年齢の関係で出られない大会も多いので、それに向けて練習を積み重ねたい」と今後のビジョンについて語った。
呉工業高等専門学校のtaketake-piano選手
同じく3位の国際学院高等学校(AXiS)、Ci+LUS選手は、結果は上々だったと思うとし、全国3位まで来られたことが自信になったと述べた。元々、国際学院高等学校では、「スト6」をやっておらず、Ci+LUS選手が立ち上げてここまで来たので、メンバーたちがついてきてくれてありがたかったとコメント。まだ2年生だというCi+LUS選手は最後に、「次は優勝を狙います」と力強くコメントした。
国際学院高等学校の大将を務めたCi+LUS選手
準優勝となったN高等学校のモダナー竹野選手は「ただただ悔しいし、チームメンバーに申し訳ない気持ち。ここまで来られたのもチームメンバーのおかげなので、みんなで取った結果だと思っています」とした。コマ投げについて振られると「さっきの発言を撤回したい」と苦笑いを見せつつ「もっと投げたかった」とした。解説の立川氏からも、よくランクマッチで当たるし、よく負けているが、モダン操作のリリー使いとしては抜群にうまく、まさか高校生だとは思わなかったと、そのプレイについて感想を語った。
惜しくも決勝戦で敗れて、準優勝となったモダナー竹野選手は悔しさを隠して笑顔で手を振ってくれた
見事に優勝となったS高等学校のLucia選手は、ランクマッチのレートについて触れ、「チーム内で最も高いMRは他のチームと比べて低いが、チーム平均のMRはかなり高い。今回も1人で勝ったのではなく、全員で勝った感じがすごくて、みんなで喜びを分かちあえて本当にうれしい」とチームの勝利を強調した。延長戦については「元々taketake-piano選手が来る想定でのLucia選手が大将にいた。全員の対策はしていたが、モダナー竹野選手の対策を最もやっていたのはZAKANA選手だったので出てもらった」としており、事前の対策が活きた形での延長戦の勝利であったことを明かした。
これについて、Lucia選手は続けて「ZAKANA選手が最初自信がない様子だったので自分が出ようとしたところ、任せてくれ、と言われたので任せるしかないと思った。最初は自分と同じようにコマ投げをくらっていたが、後半は避けるようになったのに加えて、微歩きから大キックのコンボなどを本番で出していて、これを成功させるのはすごいな」と延長戦での感想を語った。なお、ZAKANA選手とgura選手は3年生のため卒業するが、Lucia選手は2年生のため、来年も出ますと語った。
見事に優勝したS高等学校のLucia選手。「スト6」のゲーム内で使える称号がプレゼントされると伝えられると「去年は負けてしまっていたのでめちゃくちゃうれしい。来年は2連覇を目指したい」と思いを語ったBEST PLAYER賞はモダンエドのZAKANA選手が選出!
表彰式後は、今回から新設されたというBEST PLAYER賞がアナリストのストーム久保氏から発表。受賞したのは優勝したS高等学校より、ZAKANA選手となった。選出理由について、ストーム久保氏は、決勝戦の延長戦はプレッシャーが非常に高いが、その中で試合に出て見事に勝ち切りチームを優勝に導いた点、コメントでのユニークな対応、そしてチームメンバーとの関係性など、総合的に判断して選出したと語った。
延長戦についての感想は「大将のLucia選手が勝つと思っていたら負けてしまったので、ここは俺が出るしかないと思った」とした。試合中はめちゃくちゃ緊張しており、最初のラウンドは手が震えてまともにプレイできなかったとコメント。ふり~だ氏から練習時間について聞かれると大体6時間前後としており、MRレートについては最高で2,000前後としており、解説でもあり選手のコーチングなども手掛ける立川氏は自分が指導すればすぐに「LEGEND」に到達できると語った。
今回、初のBEST PLAYER賞を獲得したS高等学校のZAKANA選手
BEST PLAYER賞としてトロフィーが贈呈される
最後に、大会の感想を聞かれると、実況のふり~だ氏は「今年はこれまでより全体的なボトムが上がっている印象で、見応えのある試合がたくさん見られた。また、インタビューを通じて、プレイからは感じ取れない、いい意味でのギャップが高校生大会らしくてよいと感じた。来年も機会があれば是非参加してほしい」とした。
解説の立川氏は「高校の頃からこういった大会があったり、友達同士で攻略を話し合う経験を経て、このまま成長したら自分は勝てなくなるんじゃないかという怖さも感じたので、後輩たちに負けないよう、自分も必死にゲームに取り組まなければと焦りを感じる大会でした。いい試合を見させてくれてありがとうございました」とコメント。
アナリストのストーム久保氏は「どれもいい試合で、紹介する試合を選ぶのが大変だった。学校でみんなで練習して攻略を共有するという、ゲームセンターで育った世代と同じような境遇になっており、未来がとても楽しみになった。来年も参加してみてください」とした。
最後は4人が一堂に介して本日の大会の感想などを語った
以上、第3回 NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権 「ストリートファイター6」部門の全国決勝についてレポートした。高校生と言っても、taketake-piano選手のようにすでにプロ契約した選手が出場していることに加えて、全国決勝に勝ち上がった選手のほとんどがゲーム内のランクマッチにおける強さを示す指標の1つ、MRレートが「MASTER」以上となっており、さらにはプロレベルの実力を持つ「LEGEND」に到達している選手も見られるなど、改めてレベルの高さが感じられる大会となっていた。
一方でランクマッチとは異なり、大会ならではの緊張感との戦いなど、普段のゲームプレイとは異なるチームを背負っての大会という場でのメンタルの持ち方など、家でランクマッチを遊んでいるだけでは得られない経験ができるのもこうした大会があってこそだろう。
そして、個人的に気になったのは、決勝戦のみインタビューが増えるところだ。準決勝では全試合終了後の大将のみのインタビューだったのでこれはよくある形だが、決勝戦のみ先鋒、中堅、大将の全員に話を聞いており、しかも試合終了直後に都度インタビューが挟まる形となっており、このスタイルだと試合を終えた選手たちの思考もまとまっていないだろうし、試合のリズムも悪くなってしまっているように感じられた。これなら試合終了後にまとめてチームメンバーに順番に話を聞く方が流れとしてはスムーズなのではと感じた。
さらに延長戦が発生した際に、直前まで試合をしていた大将の選手に話を聞いていた点も、これから延長戦を戦う選手にとってはちょっと優しくないインタビューのように感じられたので、このあたりの意図は不明だが、次回以降の改善を期待したいポイントだ。
また、ゲームタイトルによって全国決勝をオンラインでやる場合もあればオフラインでやるものもあるなど、統一感がないのは気になったところだ。大会の決勝はやはりオフラインでやる方が盛り上がるチームも多いと思われるし、オンラインとはまた別の緊張感があるのは間違いないので、この点も、次回以降に改善が期待されるポイントだ。
学生たちのために行なわれている全日本高校eスポーツ選手権が今後さらに盛り上がりを見せ、学生たちが目指す場所の1つになることを願いたい。
