マジックのカードやデッキのクールさを語りたい!そんな思いが炸裂するコーナー、今週のCool Deck。今回は……まずは新セットのお話から。遂に発売日を迎えた『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』。アメリカで制作され人気を博したアニメとのコラボセットであり、同作品のキャラクターが一堂に会している。

 この物語は世界にバランスをもたらすアバターであるアンとその仲間たちの冒険を描く。この手の冒険バトルもので重要なのは悪役ポジションだ。悪役や主人公のライバルにあたるキャラがクールであれば自ずと作品もクールになるというもの。アバターの世界でアン達が主に戦うのは火の国。火の国は世界への侵略を狙い、邪魔者となるアバターの捜索を行っている。アンを探し出し戦いを挑むのは火の国の王子であるズーコ。そして彼の妹であるアズーラ……この兄妹は同じ火の国の王族の血筋でありながら、それぞれに歩む道は異なる。彼らがアンとその仲間と繰り広げる戦い、そして築いていく関係がこの作品をクールなものにしているのは間違いない。

 二人はそれぞれ火の国の王族だけあって火を自在に操る火の技の使い手である。マジックのカードになる際に、火の技はマナを生み出す能力となった。攻撃時にそれぞれ指定されただけの赤マナを加えて、それは戦闘終了時まで残る。使い道は限られた限定的なマナ加速ではあるが、しっかりとマナを使い切ることができればゲームの主導権を握ることができるクールな能力だ。


 

 火の技といえば、我々マジックプレイヤーは別の形でそれを操ってきたものだ。赤のマナ加速呪文である。マジック黎明期からしばらくの間は、《》に見られるように黒が使い捨てのマナ加速を担当する色だった。しかし後に色の役割が再編され、炎やマグマが沸き起こり爆発的なエネルギーを発生させる赤にその役割が移った。この変更に筆者は当初こそ違和感があったものだが……気付けばもう20年以上の時間が経過し、今ではそれが常識に。《》や《》などなど、手札を浪費しても瞬間的にマナを発生させる呪文がクールなアクションを成立させている。今回はそんな火の技的なカードに満ちたデッキを紹介しよう。


Maxime Jourdan – 「ルビー・ストーム」

Thursday Night Event 優勝 / レガシー (2025年10月30日)[MO] [ARENA]


4 《》

12 《》
-土地(16)-

4 《》

-クリーチャー(4)-
3 《》

3 《》

4 《》

4 《》

4 《》

1 《》

4 《》

4 《》

3 《》

3 《》

1 《》

1 《》

1 《》

4 《》
-呪文(40)-
2 《》

1 《》

2 《》

1 《》

1 《》

1 《》

1 《》

1 《》

1 《》

1 《》

1 《》

2 《》
-サイドボード(15)-


 


 

 レガシーの「ルビー・ストーム」!キーカードは《》、そして《》。それぞれにインスタントやソーサリー、赤い呪文のマナ・コストを{1}軽減するパーマネントだ。これらを展開すれば、《》や《》などのマナ加速の効率は大幅に上昇し、より多くのマナを生産してビッグ・アクションに繋げることが可能となる。マナ加速の数々に《》《》などの手数を増やすアドバンテージ源とを組み合わせ、呪文を連打。1ターンの間に唱えた呪文の数だけコピーされるストーム能力を持った呪文に繋げてフィニッシュ……というモダンでも定番デッキの1つである「ルビー・ストーム」。レガシーでは使用可能なカードプールが拡がり、そのクールさはさらに極まるというもの。


 

 モダンになくてレガシーにある呪文の1つが《》。ゲーム外からカードを探して手札に加えるというクールすぎるアクションを行うソーサリーで、通常の構築戦ではこのゲーム外とは自分のサイドボードを意味する。この手のカードのためにサイドボードに1枚挿しのカードをずらりと並べた構築をウィッシュボードと呼ぶ。赤の願いである《》がもたらすのはソーサリーだ。《》のようにコンボを阻害する者への対策となる呪文から、《》に《》とコンボのための手数を大きく稼ぐ手段、そして……ストームによりゲームを終わらせる《》《》とクールなラインナップがプレイヤーを待っている。総出や《》でトークンをズラリと並べてからの《》を持ってきて追加ターンで勝ち、というのも最高にクールだな。《》と《》からなるウィッシュボード、一度経験してみる価値アリだ。


 

 レガシーのカードプールは広大であり、単に古いカードが使えるというだけではない。多人数戦用のセットに収録されたカードも使用可能になるので、思わぬカードと遭遇することも。このリストでは《》が特徴的だ。これを唱えたターンにプレイヤーが唱えるインスタントやソーサリーをコピーするもので、これは『バトルボンド』に収録されていることから、双頭巨人戦にて自分だけでなく味方の唱える呪文も倍増させるという意図で作られている。しかしながら「ルビー・ストーム」であればこれをマナ・コストを軽減させて唱えられ、一度決まればとてつもない手数をもたらすとんでもない呪文だ。こういった多人数戦用のカードで言えば、統率者用セットや各セットの統率者デッキに収録されたカードもそうだね。


 

 《》と《》は共通してモードを持つ呪文であり、また統率者をコントロールしていれば……というデザインも同じ。勿論レガシーなので統率者などコントロールしようもないのだが、片方のモードしか選べなくともこれらの呪文を十分に強力なので採用されている、という寸法だ。

 《》は変則的なマナ加速と、ライブラリーの上から3枚を唱えられるようにするというアドバンテージ、どちらもストームデッキにとって大変に魅力的なモードだ。《》は手札を全て捨てて新たに5枚引き込む大量ドロー呪文であるが、対戦相手もそのアクションを行えるため状況によっては敵に塩を送る結果になることも。もう1つのモードでは墓地のインスタントとソーサリーにフラッシュバックを与える、《》と同様の使い方が可能だ。どちらのモードでもコンボのフィニッシュに繋げる起爆剤として文字通り火を噴いてくれることだろう……ところでこれらの2枚、いくらなんでも名前が似すぎじゃないか?《》《》、ここまで似通ったカードが同じデッキ活躍している……しかも統率者戦を強く意識してデザインされたのにレガシーにてという……クールだよなぁ。いやでもカード名を指定するカードを使う場合、おじさん間違えてしまいそうだな……。

 赤が司る要素の1つ、マナ加速で火の技を再現したのはクールで見事なデザインだ。さあ『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードに触れ、また原作であるアニメやその実写版の映画やドラマにも触れてみよう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Become a firebender!!

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