「EVO France」として、2025年に初めて欧州で開催となった格闘ゲーム大会「EVO」。2025年10月10~12日の開催期間には、バンダイナムコエンターテインメントの「鉄拳」チームと「ドラゴンボール」チームも帯同しています共に宇田川南欧社長も来場していた。今回、2つのゲームが競技タイトルとして選ばれた同社。ゲームメーカーから見たEVOの影響力を聞いた。

『鉄拳8』には1169人(ダブルエリミネーション形式)が参加(出所/start.gg)。決勝はパキスタンのArslan Ash選手と韓国のJEonDDing選手が対戦。JEonDDing選手はフランス・パリに拠点を置くeスポーツチーム「Team Vitality」所属のため、右手前のチーム関係者の応援が熱かった

『鉄拳8』には1169人(ダブルエリミネーション形式)が参加(出所/start.gg)。決勝はパキスタンのArslan Ash選手と韓国のJEonDDing選手が対戦。JEonDDing選手はフランス・パリに拠点を置くeスポーツチーム「Team Vitality」所属のため、右手前のチーム関係者の応援が熱かった

 「EVO(Evolution Championship Series)」は、開催年や地域によって、メインの競技種目に選ばれるゲームタイトルが異なる。

 2025年10月に初の欧州大会として開催された「EVO France」のメイン種目には、『ストリートファイター6』(スト6、カプコン)、『鉄拳8』(バンダイナムコエンターテインメント)、『GUILTY GEAR -STRIVE-』(アークシステムワークス)、『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』(GBVSR、Cygames)、『餓狼伝説 City of the Wolves』(SNK)、『ドラゴンボール ファイターズ』(バンダイナムコエンターテインメント)、『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』(ブシロード/アークシステムワークス)の7つが選ばれた。

 そのうち2つ、『鉄拳8』と『ドラゴンボール ファイターズ』は、バンダイナムコエンターテインメントのゲームタイトルだ。

 同社の宇田川南欧社長は「メーカーからタイトルを推薦するようなことはできない。選んでもらったタイトルのスタッフは、純粋にとても喜んでいます」と話す。

『鉄拳8』はArslan Ash選手がルーザーズから勝ち上がって優勝。2023、2024年に続き、3年連続。強すぎる

『鉄拳8』はArslan Ash選手がルーザーズから勝ち上がって優勝。2023、2024年に続き、3年連続。強すぎる

EVOに選出されてからマーケ戦略を練る

 『スト6』と並ぶ格闘ゲームの『鉄拳8』に加え、『ドラゴンボール ファイターズ』が選ばれたのは2023年以来となる。「『ドラゴンボールファイターズ』は欧州の競技人口がとても多い。それはひとえに(原作の)『ドラゴンボール』の人気が高いから。フランスは日本のIP(知的財産)との親和性がとても高い国だなと思います」(宇田川氏)

 初めての欧州大会への感想を聞くと、宇田川氏は「とても高い熱量を感じましたね。応援も熱い。選手が(ゲーム内で)技を繰り出すたびに、会場のお客さんたちが『元気玉ー!』とか『かめはめ波ー!』とか一緒にやっているのを見ると、IPの力を感じます」と笑顔で答えた。

『ドラゴンボールファイターズ』の大会には224人が参加し、米国から参加のHIKARI選手が優勝した

『ドラゴンボールファイターズ』の大会には224人が参加し、米国から参加のHIKARI選手が優勝した

 『ドラゴンボール ファイターズ』同様、『鉄拳8』も欧州での人気が高いことで知られるタイトルだ。今回、両タイトルの人気が高い欧州でEVOが開催されたことは、メーカーにとっても価値が高いという。

 「EVOのタイトルに選ばれるということは、お客さんに楽しんでもらえるということでもある。メーカーとしては、EVOから競技タイトルにしたいというアプローチを受けてから、現地のマーケティングチームと連携してEVOでのマーケティング戦略を考えます。EVOはメーカーにとって、情報発信の貴重な場ですね」(宇田川氏)

 その言葉通り、『ドラゴンボール ファイターズ』は、大会終了直後の会場で今後のアップデート情報を公開。2026年春に4年振りの新キャラクターとして孫悟空(超サイヤ人4・DAIMA)を追加することなどを発表した。これには会場のファンが騒然。Xも盛り上がった。

 『鉄拳8』は、試遊や物販のためのブースを出展。物販には、初日の10月10日から『鉄拳8』グッズを買い求めるファンが行列をつくった。会場には「鉄拳」シリーズのエグゼクティブゲームディレクター/チーフプロデューサー(取材時)の原田勝弘氏ら「鉄拳」チームも来場しており、原田氏が集まるファンの記念写真の撮影に次々に応じる場面も見かけた。

『鉄拳8』の物販ブース。グッズを買い求めるファンで長い列ができていた

『鉄拳8』の物販ブース。グッズを買い求めるファンで長い列ができていた

『鉄拳8」は試遊ブースも用意

『鉄拳8」は試遊ブースも用意

 EVOは地域のゲームコミュニティートーナメントから始まり、世界的な格闘ゲーム大会に成長したイベントだ。そして、今なおユーザーコミュニティー主導のゲームイベントであり続けている。その一方で、ゲームメーカーのビジネス戦略、マーケティング戦略に強い影響を及ぼし、ファンとメーカーが直接交流する機会にもなっている。

(写真/平野 亜矢)

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