「BALL x PIT」

 ローグライク・ローグライト系のゲームが次々とヒットしているインディーゲーム界隈。その新たな話題作として、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Steam)用サバイバルローグライト「BALL x PIT(ボールピット)」が大きな注目を浴びている。(Switch2版10月29日に発売予定)

 同作はゲームクリエイターのKenny Sun氏が開発を手掛け、Devolver Digitalから10月16日に発売された作品で、発売初週で販売本数が40万本を突破したほどの人気だ。「ホロライブ」VTuberの兎田ぺこらさんなど、さまざまな配信者も実況を行なっている。

 一旦プレイし始めると止まらなくなる中毒性の高さこそが、同作の醍醐味。そのクセになる面白さについて紹介していきたい。

【「BALL x PIT」紹介動画】

【【BALL x PIT】圧倒的好評のブロック崩し×ローグライクで遊んでみる!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】】

ピンボール×建築? キャラクターの強化にも遊び心

 とはいえ、同作の面白さはこれだけではない。「ピット」の探索とは別に、素材集めや恒常的なキャラクターの強化といった要素が用意されているからだ。それを集約しているのが、「ニュー・ボルビロン」の建設だ。

 「ニュー・ボルビロン」はさまざまな建造物を設置できる場所となっており、まずプレーヤーは「小麦畑」や「森」、「鉱山」などを設置して、建設に必要となるリソースを集めなくてはならない。そしてそのリソースを使って、「ピット」内で手に入る設計図から新たな建造物を作っていくというのが基本的な流れだ。

キャラクターを放ってリソースを回収徐々に「ニュー・ボルビロン」を拡大させていく

 また建造物にはキャラクターのステータス上昇など、色々な付帯効果があり、新たなキャラクターの解放も建造物によって可能となる。

建造物をアップグレードすることで効果も上昇新たな建造物を建ててキャラクターを解放

 なお「ニュー・ボルビロン」でのリソースの回収はピンボール的なシステムで行なわれるため、効率よくリソースを集めるには「建造物をいかに配置するか」ということも重要となってくる。

 ローグライト系ゲームでは、キャラクターの強化や解放をポイント振り分けなどで行なうパターンがよくあるが、ここにゲーム性を加えることで作業感をなくしているのが同作の新しさではないだろうか。

時間を忘れてハマる! 中毒性の高いゲームデザイン

 実際に同作をプレイした感触としては、プレーヤーを“沼らせる”ための工夫が随所に見られるゲームだと感じた。

 その1つが、ビルド構築の自由度の高さ。たとえば単純にボールの与ダメージを増やすだけでも、「状態異常を付ける」、「クリティカルダメージを狙う」、「ベビーボールの物量で攻める」など、色々な戦い方が用意されている。しかもゲームの進行に合わせて新たなボールやパッシブが解放されるため、どんどんできることが増えていく。

新たなアップグレードの解放色々な特性をもつキャラクターたち

 かといってプレーヤーは、自由にボールやパッシブを強化できるわけではない。レベルアップした際に提示される選択肢は毎回3つだけで、“再抽選”できる回数も限られているからだ。すなわち運要素があることを前提として、もっともシナジーが生まれそうな組み合わせを見つけていく必要がある。

探索後はボールのダメージやDPSも表示されるので、ビルドの参考になる

 また難易度の設定も絶妙。序盤のステージからかなり歯ごたえがあり、何も考えずにボールやパッシブを取得していると火力が足りず、“詰み”状態になってしまうことも少なくない。ある程度キャラクターの強化が進むと火力を出しやすくなるものの、その分後半のステージは難易度が高いので、やはり一筋縄ではいかない感触だ。

慣れてきたと思って油断すると……

 「次はこの装備を組み合わせてみたい」という好奇心と、「こうすればクリアできるかもしれない」と閃いたときの気持ち良さが相乗効果を生んでおり、ついつい時間を忘れてのめり込んでしまう。またシステム面でのストレスが一切ないため、ひたすらボールで敵をなぎ倒していく快感に浸ることができる。

 一度ハマるとどこまでも時間が溶けていくのが「BALL x PIT」の面白さであり、恐ろしさ。新たなローグライトゲームを探している人にはうってつけの1本なので、ぜひプレイしてみてほしい。

Write A Comment