セガが11月5日にプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC(Steam/Epic/Windows)/Mac/Netflix/Apple Arcadeの各プラットフォームで配信予定(※パッケージ版は12月4日発売予定)のサッカー経営シミュレーションゲーム「Football Manager 26」。

 本作は、プレイヤーがサッカークラブの監督となり、世界中の実名で登場する有名クラブから地域のセミプロまで、あらゆるクラブを率いることができるのが特徴だ。開発したのはイギリスのSports Interactiveで、2004年にシリーズ第1弾が発売されて以来、特に海外では非常に高い人気を誇る。シリーズ当初は日本語には対応していなかったが、2023年に発売した「Football Manager 2024」から日本語版の配信も開始している。

 以下、本稿では配信開始に先駆け、Steam版の開発バージョンをプレイすることができた筆者が、Nintendo Switch版「Football Manager 2024 Touch」と比較しつつ気付いた点を中心に、本作ならではの特徴をお伝えしよう。

 なお、本稿の中で使用しているスクリーンショットは英語版だが、国内版では日本語でのプレイが可能だ。

【Football Manager 26 | ファーストルック トレーラー】

【スクリーンショット】

製品概要

「Football Manager 26」
プラットフォーム:PC(Steam/Epic Games Store/Windows)/ Mac
11月5日 配信予定
価格:7,990円

「Football Manager 26 Console」
プラットフォーム:PS5/Xbox Series X|S
デジタル版 11月5日 配信予定 / PS5パッケージ版 12月4日 発売予定
価格:7,990円

「Football Manager 26 Touch」
プラットフォーム:Nintendo Switch/Apple Arcade
パッケージ版・デジタル版 12月4日 発売/配信予定
価格:5,990円

「Football Manager 26 Mobile」
プラットフォーム:Netflix
11月5日 配信予定
※サブスクリプションサービスへの加入が必要

UIデザインを大幅刷新。下部リーグのマイナークラブも実名で登場

 筆者が初回プレイの監督メイキングでまず気付いたのが、あらゆる場面でUIデザインが大きく変わっていたことだ。

 実は筆者、前作に当たる「Football Manager 2024 Touch」を初めてプレイした際に、チュートリアルの段階でいっぺんに覚え切れないほどの基本操作やルールを説明され、場面によっては選択したいメニューを実行するための操作方法すらわからず、何度も困った経験がある。

 だが今作では、監督メイキングの段階では監督の初期データ作成に専念でき、なおかつ次の設定に進むための選択メニューがわかりやすい位置に書かれていることもあり、そのような場面が大幅に減ったことを早速実感できた。監督として試合の指揮を執るための準備段階で、余計なストレスがたまることがなくなったのは実にありがたい。

各モードの画面構成、UIデザインが大幅に刷新された「FM26」

 筆者が最初に選んだクラブは、イングランドのプレミアリーグの中では最もお気に入りのアーセナル。監督データを完成させ、自身が率いるクラブを決定すると、記者から指導方針などのさまざまな質問に答える就任記者会見へと移行し、憧れの監督になった感を早速演出してくれた。

 本作はプレミアリーグの公式ライセンスを取得していることもあり、クラブ選択メニュー画面ではプレミアリーグの全クラブが実名で登場していた。日本のJリーグも、J1~J3までの全クラブが登場しており、スペインやドイツ、イタリアなどの主要クラブも登場するのが嬉しい。

 特に驚いたのは、イングランドの2部リーグにあたるチャンピオンシップから、海外サッカー観戦歴30年超の筆者も今まで一度も聞いたことがない、同国の3部~5部と、6部に相当するナショナル北・南のクラブまでもが実装されていたこと。日本で言えば、都道府県リーグにあたるカテゴリーでも遊べることには本当に驚かされた。

プレミアリーグのブライトン所属の三笘薫選手も、もちろん実名で登場する試合の進行もスムーズに。ビジュアルがさらに進化したことも実感

 本作では、あらかじめ用意されたカレンダーに沿って、公式戦のシーズンが始まる前にフレンドリーマッチを数試合行うが、ここでもUIデザインが刷新された効果を実感することができた。

 試合のスタメンとリザーブの選手を決める際に「クイック選択」を選ぶと、自動でおすすめのスタメンとリザーブを組んでくれる。試合中に特に重宝したのが、ピッチの左下に常時表示される「アドバイス」だ。ここでは試合の経過に応じて、コーチが常時プレイヤーに選手のコンディションや交代策などを提案してくれるので、まだゲームに慣れない間は大いに助けられた。

スケジュールは1日単位で、カレンダーに沿って進行する試合中は、画面左下にコーチから選手交代などのアドバイスが表示される

 プレイヤー自身が任意のタイミングで、戦術を変更したり、選手たちに檄を飛ばしたりすることももちろん可能で、これらの指示を出す際のUIデザインも「FM2024」に比べてわかりやすくなっていた。そのおかげなのか、最初のフレンドリーマッチでは選手たちにハッパを掛けつつ指揮をした結果、2部のブリストル・シティを4-1で一蹴できた。もっとも、ワールドクラスのタレントである、エースのサカをはじめ、キャプテンのウーデゴーアやハバーツが大暴れして「新米監督」を助けてくれたおかげでもあるだろうが。

 次に指揮を執ったクラブは、今シーズンJ2リーグで快進撃を披露し続けている水戸ホーリーホック。本作ではリーグ予想順位は11位に設定され、補強予算も1億円程度と、海外の名門クラブとは比較にならないほど経営規模は小さい。

 とはいえ、今シーズンの夏から加入した加藤千尋、根本凌といった選手が登場し、最新の選手データを搭載していたのは実に嬉しかった。フレンドリーマッチでは、格上となるJ1のアルビレックス新潟に2-4で敗れたが、プレミアリーグやJ1の名門クラブでタイトル獲得を狙うだけでなく、水戸のように下剋上を目指すのも、プレイヤーとしての大きなモチベーションになり得る可能性を実感できた。

 水戸を指揮している最中には選手だけでなく、上園和明コーチなどのコーチングスタッフまでもが実名で登場したことにも驚かされた(※筆者注:実際の上園コーチは、2023年より水戸のアカデミーダイレクターを務めている)。言い方は悪いが、世界から見ればマイナーな存在であろう日本の2部リーグ、それも今まで1度もJ1に昇格したことがないクラブのコーチングスタッフの名前にまでこだわっていたのも大いに感心させられた。

試合中は、カメラの視点やハイライト表示などのバリエーションも豊富に用意されている女子サッカークラブの登場にも要注目!

 本作では、シリーズ初となる女子サッカークラブおよび選手たちが実名で登場する。筆者も本作の第一報を聞いた際に、女子でも遊べるところがとても気になったので、日本人選手の多いマンチェスター・シティWFCでも遊んでみた。

 筆者の期待していたとおり、シティWFCにはクラブでもなでしこジャパンでも中心的な存在である長谷川唯選手をはじめ、山下杏也加、清水梨紗、藤野あおばの4選手がそろって登場。試しに長谷川選手を副キャプテンに任命したところ、元々「影響力の高い選手」に設定されたレギュラー格であったこともあり、本人からもチームメイトからも好意的な評価を受けたのは素直に嬉しかった。

 フレンドリーマッチのセビージャ戦では、トレーニング中のアクシデントで清水選手こそ使えなかったものの、長谷川、山下両選手は初期設定からスタメンに配置されていた。藤野選手はリザーブだったが、筆者の独断で4-4-2システムのAM(攻撃的MF)に抜擢したら味方のスルーパスに走り込み、以前に女子W杯で披露したような見事なゴールを決め、勝利に貢献してくれた。

 あくまで筆者の私見ではあるが、女子選手たちのビジュアル面で最も嬉しかったのは、例えば長谷川選手が走るとポニーテールが揺れるなど、その風貌もリアルに描かれていたこと。それぞれのモーションについても、男子選手と比べてもそん色のない迫力で「女子サッカーだから……」といった違和感などはまったくなかった。

 日本人選手が登場するだけでなく、チームの数も国ごとのレベルも経営規模も、男子のクラブとはまた違ったレギュレーションで展開される女子サッカーは、本シリーズを長時間やり込んだプレイヤーも新たなモチベーションを得たうえで楽しめることだろう。

マンチェスター・シティWFCも実名で登場。長谷川唯選手の活躍にもぜひご注目を

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