動画配信サービスの米Netflixは、自社のビデオゲームを初めてテレビ向けで提供する。
グレッグ・ピーターズ共同最高経営責任者（CEO）が8日、ロサンゼルスで開催された「ブルームバーグ・スクリーンタイム」会議で明らかにした。重要な成長戦略分野で大きな一歩となる。
ピーターズ氏は「われわれが目指すゲーム分野の一つは、テレビで楽しめるソーシャルゲームだ」と述べた。この分野でのこれまでの取り組みは「Bマイナス」だったと評価した。
Netflixのプラットフォームでのビデオゲームについて語るグレッグ・ピーターズ共同CEO
Source: Bloomberg
グループで遊べるゲームとして提供するのは、「Boggle Party」「Pictionary: Game Night」「Tetris Time Warp」「Lego Party」など。
同社は映画やドラマ以外の分野に裾野を広げる戦略の一環として、4年前からゲームを提供。これまでは携帯端末でのプレーに限られていたが、今度はスマートフォンをコントローラー代わりにしてテレビの大画面で遊ぶことができる。
サンディエゴ・コミック・コンベンションでのNetflixのブース
Photographer: Chris Delmas/AFP/Getty Images
ゲーム分野は収益性が高いが、ハリウッドの多くのスタジオが苦戦している。Netflixのゲーム事業拡大を主導してきたピーターズ氏は、テレビ向けゲームに注力する理由について、スマートフォン向け市場は「既に成熟し、競争の激しいエコシステム」だと指摘した。
経営陣は重点分野として、子ども向けゲーム、パーティーゲーム、「グランド・セフト・オート」といった一般向けヒット作、「ストレンジャー・シングス 」など既存のNetflix作品を題材にしたゲームの四つのカテゴリーを挙げている。
第1弾として今回提供されるタイトルはすべて無料。プレーするにはスマートテレビか、ロク社製などのストリーミング端末が必要になる。スマートフォンをコントローラーとして使う際はQRコードをスキャンする。
ゲームを成長の一つの柱と位置づけるNetflixは、クラウドサーバーの増設などインフラ投資を進めている。
原題：Netflix Brings Video Games to Its TV Service for First Time (1)（抜粋）
— 取材協力 Hannah Miller