国内のゲーム開発会社のTECOPARKは10月5日、『PICO PARK:Classic Edition』の有料化を取りやめると発表した。中止の背景には、Steamの規約が関係しているという。

『PICO PARK:Classic Edition』は、最大10人による協力マルチプレイ専用の横スクロール型アクションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)。ステージにある鍵を入手して、ゴールにたどり着くことが目的となる。プレイヤーはお互いに自分たちの身体を足場にしたり、仕掛けを解く上で役割分担をしたりと、他者との連携が不可欠だ。そのほか、お互いを紐で引っ張ったり、ボールを弾いたりと、物理演算要素もまじえた多彩なギミックが用意されている。

本作は、後にリリースされた人気作『PICO PARK』の原点となる作品だ。もともとは本作が『PICO PARK』として販売されており、Steamストアページにも「Classic Edition」の副題はなかった。しかし2021年に、オンラインマルチプレイに対応し、Nintendo Switch版の要素が導入されるなど、追加要素が盛り込まれた作品がSteamで新たにリリース。新作の方が『PICO PARK』の名を継承し、もとからあった本作は『PICO PARK:Classic Edition』と改名され、無料化されたという経緯をもつ。

そんな『PICO PARK:Classic Edition』に向けて2025年9月に、約9年ぶりとなるアップデートが配信。オンラインマルチプレイへの対応が実施され、あわせて近日中に有料化される予定との告知があった(関連記事)。しかし10月5日、ふたたび公式よりアナウンスがおこなわれ、有料化は取りやめになったと発表。『PICO PARK:Classic Edition』は「永久に無料」だと宣言された。有料化中止の理由には、Steamの規約があるという。

Steamでは原則として、販売作品の価格は自由に設定することが可能。しかし規約によると、有料ゲームを無料化したり、逆に無料ゲームを有料化する場合は、Steamのサポートフォームに連絡する必要があるとされている。そしてTECOPARKの代表取締役である三宅俊輔氏のポストによると、有料ゲームを無料化する場合は、二度と有料に戻さないという規約に同意する必要があるのだという。つまり有料と無料の変更は一度きりで、自由に行ったり来たりはできないというルールが存在しているようだ。

上述の通り、本作はもともと『PICO PARK』として販売されていた作品が、無料化されたタイトル。ふたたび有料作品にすることはSteamの規約上、不可能だったようだ。ちなみにPICO PARK公式はこの規約のことを「忘れていた」という。Steamサポートよりこのことの指摘を受け、無料のままにしておくという決定に至ったようだ。

『PICO PARK:Classic Edition』は人気を博した『PICO PARK』の、リリース当時の内容が残された作品だ。ステージ数は22と少なめで、『PICO PARK』とほぼ同じステージもあるが、本作でしか遊べないステージも存在する。最大10人プレイ可能というのも本作のみの特徴だ。永久に無料で楽しめるとのことなので、興味のある人はプレイして、気に入ったら有料の新バージョンを購入するのもよいだろう。

『PICO PARK:Classic Edition』はPC(Steam)向けに無料配信中だ。

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