Epic Gamesは、Twinmotion 2025.2をリリースした。既存のユーザーは、Epic Games Launcherから、登録者は、デベロッパーポータルからダウンロードできる。
今回のリリースでは、作業方法を根本的に変える大きな新機能の追加と、既存のツールやワークフローの生産性を高める機能強化の両方が施されている。
Twinmotion 2025.2 の新機能は以下の通り。
Nanite仮想化ジオメトリ
今回のリリースでは、Unreal Engine 5から画期的な機能であるNanite仮想ジオメトリシステムがTwinmotionに加わる。
表示されるデータのみをオンデマンドでNaniteが自動的にストリーミングする。この機能により、リアルタイムのパフォーマンスを維持しながら、数億、数十億個のポリゴンで構成されるきわめて解像度の高いメッシュを使用して作業することができる。
インポート時やインポート後にメッシュをNaniteに変換可能。あるオブジェクトを親とするメッシュすべてを一括変換する機能もある。
他にも、NaniteにMegascansの3Dアセットと3D観葉植物を変換することもできる。Sketchfabアセットも同様だ。今のプロジェクトが少し重い、遅いと感じている場合は、Naniteを試すと違いがわかるという。
ビジュアライゼーション関連の時間の節約に役立つ機能
今回のリリースでは、時間の節約に役立つ2つの新機能が登場した。視差窓の新規サポートと、VFXフォルダに新しく追加された17個のアニメートされたフォグカードである。
視差窓の新規サポート
Open Shading Language(OSL)シェーダーを使用し、室内の奥行を感じる錯覚を生み出す。錯覚の基になっているのはシンプルで軽量な平面であり、部屋や建物の内装を模すために複雑な3Dジオメトリは不要だ。しかも、窓の開口部をモデリングする必要もなく、建物の外面に視差窓を配置するだけだ。
ライブラリの視差窓フォルダには、オフィス、住宅、ジム、小売店など、テーマに沿った27種類の内装が含まれている。カスタムウィンドウを使えば、wParallax や Evermotion などから提供されたデータを自分のマップに追加できる。視差窓には、ガラスのオーバーレイをシミュレーションしたり、ナイトライフ ライティングをランダムなアニメーション付きでシミュレーションしたりする機能もある。
VFXフォルダに新しく追加、17個のアニメートされたフォグカード
これを使うと、単純なドラッグ&ドロップ操作で簡単に霧の配置を演出できる。パフォーマンスへの影響も最小限です。霧はシーンの風と各フォグカードに具体的に設定された風速と風向の両方に反応できる。
また、FXポストプロセスシステム全体を作り直し、ハッチング、桑原フィルタ、ペン風の輪郭描画といった、絵画風やスケッチ風のエフェクトに重点を置いて、柔軟性の向上とビジュアル品質の改善を行った。パラメータはすべて公開されており、詳細にカスタマイズしてプリセットを保存できるようになっている。
さらに、.cubeファイル形式のLUTをインポートできるようになった。静的オブジェクトに線形または放射線状のモーションブラーを、動的オブジェクトには高品質のモーションブラーを適用するオプションを追加した。静止したシーンに動いているかのような表現をすばやく追加するのに便利だという。
アニメーションの追加機能
今回のリリースには、アニメーション能力を強化するたくさんの新機能がある。新しいタイプのアニメーターであるExploderが追加され、分解図のアニメーションや劇的なエフェクトの作成が簡単になる。
プリセットが豊富に用意されているため、やさしい押し出し、分解、膨張、リングピール、加圧、平面分割、積み直しなど、さまざまなアニメーションを簡単に作成できる。移動距離、時間差オフセット、移動方向を編集した独自のアニメーションを作成してプリセットとして保存可能だ。
既存のトランスレーターとローテーターアニメーターも時間差オフセットが追加されて強化された。空からの落下や地上からの上昇でシーンを構成するなど、ダイナミックなカスケード エフェクトを簡単に作成できる。同様に、時間差回転も追加されている。
アニメーターはシーケンストラックとしても使えるようになった。アニメーションの開始時間の変更、持続時間の調整、アニメーション要素同士の同期が簡単になる。また、アニメートしたキャラクターとコントロールパスがシーエンスツールの再生ヘッドと同期するようになった。
新しいグローバル静止/リアルタイムアニメーション再生オプションを画像のプロパティに追加。このオプションを使うと、アニメーションを一時停止して、求める画像をキャプチャできる正確なタイミングを選択できる。
シーンにアニメートしたファイルをインポートする機能は、アニメートしたファイルをローカルディスクから参照するのではなく、シーンに含めることができるようになった。この機能によって、簡単にプロジェクトをパッケージ化して共有でき、アニメートしたファイルはローカルプレゼンテーションとクラウドプレゼンテーションの両方で使用できる。しかも、アニメーションを含んでいるシーンの読み込みが速くなる。
バーチャルカメラ(VCam)
バーチャルカメラを使用するための新しいサポートが追加された。TwinmotionをUnreal VCamアプリケーションと接続し、ハンドヘルドデバイスを動かすだけでシーン内にバーチャルカメラを配置できる。
この仕組みを活かして、ショットの検討では、シーン内を自由に動き回り、カメラの配置、角度、設定を一人称視点から試行錯誤できる。デザインレビューでは、バーチャルアセットの周りを物理的に歩き回って、あらゆる角度から確認できる。どちらの場合も、移動中にスナップショットをキャプチャ可能。
マテリアルの割り当て、編集、構成の強化
マテリアル関連のUIとワークフローを改善した。マテリアルをフォルダに整理したり、名前で検索したりできるようになった。マルチドロップボタンを追加し、マテリアルをすばやく適用できるようにした。
他にも、マテリアルのプロパティパネルをタブに整理し、わかりやすく主要な設定にアクセスしやすくした。加えて、一部のプロパティ(UV、X-Ray、Two-sidedなど)を選択した複数のタイプの異なるマテリアルでまとめて変更できるようにした。
これらのタブの1つには、マテリアルが割り当てられているメッシュを確認したり、そこからそのメッシュを選択したりする新機能が用意されている。
また、複数のマテリアルが割り当てられている1つのアセットを選択して、アセットのプロパティパネルでそれらのマテリアルすべてを確認できるようにもした。それらのマテリアルは、マテリアルドックに追加もできる。
TwinmotionとDCC ビューポートの同期
新機能として、Twinmotionビューポートのカメラ位置とプロパティをDCCビューポートカメラと同期する。Archicad、Revit、Rhino、SketchUp Proで初期サポートされている。
構成の追加機能
Twinmotion 2025.1 のリリース以降、構成は進化を続けており、すべての状態を一括エクスポートする新機能によって、[Configuration(構成)]のすべてのオプションが、個別の画像、動画、またはパノラマとして簡単に表示できるようになった。
他にもいくつかの追加機能があり、状態内にカメラ位置を保存する機能、1回ボタンを押すだけですべての状態のサムネイルを簡単に再キャプチャする機能、グローバル設定ウィンドウで2Dトリガーのリボンをカスタマイズする機能などが追加されている。
クラウドでホストされたコンテンツ
以前はTwinmotionパッケージに含まれていたコンテンツがクラウドストレージに移行された。その結果、インストーラが軽く、より簡単に配布できるようになった。
従来のインストーラから削除されたレガシー コンテンツについては、引き続きオンデマンドで取得できるように仕組みになっている。また、あるカテゴリまたはサブカテゴリのコンテンツすべてをダウンロードできる新機能も追加された。
その他多くの追加機能を搭載
他にも、3D草、パノラマセット、Alias (.wire)ファイルのテッセレーションオプションなどの機能が追加されている。すべての更新の詳細については、リリースノートから確認できる。

