▼自己紹介

 

こんにちは。ボードゲームデザイナー、ソーシャルゲームラボ代表の荒木勇輝と申します。

ソーシャルゲームラボでは、学習要素を含むものや社会的なテーマを扱うものを中心に、ボードゲームやカードゲームを制作しています。

 

現在、誰もが介護について楽しみながら学べるボードゲーム「カイゴクエスト」を制作しており、10月中に内容を完成されられる見通しになりました。

今回READYFORで、カイゴクエストを制作するための資金調達と、このゲームを使った体験を広げてくださる仲間集めのためのクラウドファンディングを行います。

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

前作の「サンゴクエスト」

*前作のこれからの子育てを体験するボードゲーム「サンゴクエスト」

 

介護をテーマにしたゲームを作ろうと考えたきっかけは、2年前に、妊娠・出産・育児を体験するボードゲーム「サンゴクエスト」を制作したことでした。

サンゴクエストではリリース初期から現在まで、ゲームを活用してくださる方向けの認定ファシリテーター研修を月1回程度実施しており、2025年10月時点で全国に200名近くのファシリテーターの方がいらっしゃるのですが、そのうち複数名の方から「介護版も作ってほしい」というご要望をいただいていました。

背景として、仕事と家庭を両立するにあたって多くの人が直面するテーマの1つが「育児」、もう1つが「介護」という事情があります(なお、そのほかに「(病気の)治療」などのテーマもあります)。

 

実際に調べてみたところ、育児と介護には共通点もありますが、違いも多いことが分かりました。

 

主な違いとしては、例えば、

・育児では親と子の関係が中心になりやすいのに対して、介護では親子/夫婦/兄弟姉妹/祖父母と孫など様々な関係性がある

・育児は基本的に同居して行われることが多いのに対して、介護は同居と別居(近距離/遠距離)のパターンがある

・育児は妊娠から出産までの時間で事前準備をしやすいのに対して、介護の原因はある日突然発生するため開始時期を予測しにくい

といった点が挙げられます。

 

介護のあり方の多様性はゲーム化の難しさにもつながり、ゲームデザイナーとしては制作するのは一苦労です。

一方で、「突然起きる」という性質上、知識や心の準備がないままに介護の時期を迎えてしまう方が多いということも言えます。

介護についてのリテラシーが不足していれば、「地域包括支援センターへの相談」や「要介護認定の申請」といった初動も遅れてしまいます。

 

前作のサンゴクエストを通して知り合った皆さんが後押ししてくださったこともあり、ゲーム化に挑戦しようと決心したのはちょうど1年ほど前でした。

まずは様々な参考文献/資料を収集すると同時に、専門家/支援者として介護に関わられている方へのヒアリングを行い、私自身も介護の全体像を学びながら、まだ介護を経験していない方が何を学べると良いかや、それをゲームを通してどのように実現するかを検討しました。

その後、当事者として介護を経験した方々へのヒアリングも行い、専門家/支援者の方と合わせて数十名の方に介護についてのリアルなお話を伺うことができました。

また、今年の夏以降はゲームのプロトタイプを作成してさまざまな方にプレイしてもらい、フィードバックをいただきながら内容を改善してきました。

 

▼プロジェクトの内容

 

カイゴクエストは、基本的に2人1組のペアで行うすごろくです。

最初に、本人(被介護者)役と家族(介護者)役を決め、交代でサイコロを降りながら1つのコマを進めていきます。

ゲームボードは以下のように4段階のステージに分かれており、それぞれのステージで介護に関するさまざまなイベントを擬似体験します。

 

ステージ1:自立・健康期

ステージ2:要支援〜軽度介護期

ステージ3-1:重度介護期(在宅編)

ステージ3-2:重度介護期(施設編)

ステージ4:終末期

 

全体的な流れやイベントの内容は、専門家/支援者として介護に関わられている方や、当事者として介護を経験された方など、数十名の方へのヒアリングを通して作成しました。

新書1冊分ほどの内容があるヒアリングメモを、ぐっと凝縮してゲームの形にしていますので、テストプレイでは介護の専門家の方からも「リアルすぎて驚いた」というご感想をいただいています。

 

ゲームの内容物は、

・ゲームボード(ステージ別に5枚)

・キャラクターカード(数枚)

・プレイ用や振り返り用のワークシート(数枚)

・説明書(介護の基本用語集込み)

・A4サイズのクリアファイル(ゲーム収納用、箱代わり)

を予定しています。

 

なお、クリアファイルに収納するボードゲームはめずらしいのですが、介護施設・病院・行政や企業のオフィス・学校などで、本棚や資料スペースにコンパクトに置いていただけるようにこうした形式をとっています。

 

ゲームの内容物やロゴなどのデザインやイラストは、現在、プロのデザイナーやイラストレーターの方に依頼して制作していただいているところです。

クラウドファンディング期間に仕上がってくる予定のものも多く、活動報告のコーナーで順次紹介させていただけると思いますので、ぜひご期待ください。

キャラクターイラストのイメージ。温かみのあるデザイン・イラストを目指しています

*制作中のキャラクターイラストのイメージです。介護というテーマを扱うにあたって深刻になりすぎないよう、あたたかい印象のデザイン・イラストを目指しています。

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 

カイゴクエストは介護期間や終末期(人生の最後)を扱う内容で、センシティブな部分もありますので、基本的に研修を受講して認定ファシリテーターとなられた方のファシリテーションつきで進行していただくゲームになります。

クラウドファンディング期間にご支援いただくと、年内に予定しているカイゴクエストの正式リリース後に比べて、認定ファシリテーター取得費用が1割ほど割安になりますので、ぜひこの機会にご検討ください。

 

完成後は、下記のようにさまざまな用途で活用していただける予定です。

 

・行政や地域関係者の方が主催されるイベント

・介護専門職や支援者の方が主催されるイベント

・高校、大学、専門学校などでの授業

・企業/団体での従業員向け研修

 

専門職や支援者として日々介護に関わっておられる方による、一般の方に関心やリテラシーを持っていただくためのアウトリーチにも活用していただけますし、当事者として自身が介護に関わられた方が、これからの介護にそなえたい方に情報を提供される際にも使っていただけます。

 

内閣府の『令和7年版高齢社会白書』によると、介護保険制度における要介護または要支援の認定を受けた人は2022年度で681.4万人と、10年前に比べて25%増加しています。

また、推計によると2022年度の認知症の高齢者数は443.2万人、軽度認知障害(MCI)の高齢者数は558.5 万人と、合わせて1000万人を超えています(上記の文中で紹介した政府機関や統計は、プロジェクト実行者が資料として参考にしたものであり、本プロジェクトとは無関係です)。

一般に、介護に関する話題は語られにくく、当事者の方が孤立してしまうことも多いですが、高齢化が進み・介護の当事者が増えていく現代社会において、「当事者の方に介護について語っていただくこと」や「介護を経験したことがない方がそこから学び、準備をしておくこと」の重要性は、ますます高まっていると言えます。

 

また、個人的な思いとしては、このカイゴクエストがさまざまな場所でプレイされることで、一般の方にとって介護がより身近になり、現場で日々奮闘されている介護職の方への信頼感にもつながってほしいと考えています。

保育などの分野にも同じことが言えますが、介護関連の事業所/施設/サービスは、現役世代の私たちが働く上での重要な社会インフラの1つです。

当事者になったことがない方の中には、ごく一部の施設で行われた不適切な介護の話題などからネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際に当事者として介護を経験した方の多くは「現場で頑張られている介護職の方への感謝」を感じられているのではないでしょうか。

介護職の方が働きやすい社会は、一般の方にとっても働きやすい社会とも言えますし、このゲームが少しでもそうした社会への変化に貢献できると良いなと思います。

 

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

ぜひカイゴクエストのプロジェクトを支援したり、関心を持たれそうな方に広めたりしていただけると嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

▼開発に協力してくださった専門家・支援者の皆さま

 

 

▼ヒアリングやテストプレイにご協力いただいた皆さま

 

稲毛珠里さん、猪塚修さん、大久保愛美さん、尾崎隆人さん、かいかいさん、菊地たつきさん、倉富玲子さん、立花昭彦さん、西川宏樹さん、林きよみさん、脇本美緒さん

 

*協力者の方々のお名前/肩書き/画像は、すべて許諾をいただいた上で掲載しています。また、肩書きは2025年10月時点のものです。

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