9月25日~9月28日にかけて幕張メッセで開催の「東京ゲームショウ2025」では、商業施設「PARCO」などで知られるパルコのゲームレーベル「PARCO GAMES(パルコゲームズ)」がブースを出展。そんなPARCO GAMESのキーパーソン2人に、PARCO GAMES立ち上げの経緯や東京ゲームショウブース出展の狙いについて聞いた。

“今までパルコがやってきたことと相性がいい”――「PARCO GAMES」立ち上げやブース出展の狙いを聞く【TGS2025】の画像

パルコでは2023年にゲーム事業専門チームを発足し、2024年9月から「ゲーム事業開発部」として、催事・EC・メディア・コラボレーションなど多様な展開を実施。PARCO GAMESはゲームパブリッシング事業へ本格参入するにあたって、8月に立ちあげられたレーベル。パルコのゲーム事業を総合するブランド名称として、より戦略的かつ継続的な事業推進をするために設けられたものとしている。

東京ゲームショウ2025ではブースを構え、インディーゲームの「南極計画」、「CONSTANCE」、「the Berlin Apartment」の3タイトルを試遊出展している。

“今までパルコがやってきたことと相性がいい”――「PARCO GAMES」立ち上げやブース出展の狙いを聞く【TGS2025】の画像

インタビューでは、事業を推進するパルコ ゲーム事業開発部 部長の西澤優一氏ならびに、担当役員であるパルコ フェロー 文化創造事業本部 オンラインビジネス部、ゲーム事業開発部、ライセンス事業開発部担当の手塚千尋氏にお話を伺った。

左から西澤優一氏、手塚千尋氏左から西澤優一氏、手塚千尋氏
ゲームだけでなくクリエイターの思いも含めた物語性を重視

――まずパルコとして、ゲームというジャンルをどのように見ていて、そのうえでゲーム事業へ本腰を入れるのかを教えてください。

西澤氏:まずゲームが持っているカルチャーの熱は、日本国内だけでなく世界的に見てもすごく高いものがあります。なにより、ゲームは日本が誇れる文化のひとつであると見ています。

一方でパルコは商業施設事業の側面もありますが、エンターテインメント事業をいろいろなジャンルで行っており、さまざまなカルチャーと向き合ってビジネスを行ってきました。そこでのやり方や感覚というのは、ゲームの分野でも応用ができるものと考えたので、パルコとしての新しいエンターテインメント事業のひとつとしてゲーム事業を行うという着想に至ったのが経緯となります。

――そのなかでもパブリッシング事業まで踏み込むということについて、自然な流れだったのでしょうか。それとも推進する方がいらっしゃったのでしょうか。

西澤氏:自分で言うのもなんですが、旗を振ったのは自分かなと思います。ただ、初めからパブリッシャーを目指していたわけではありませんでした。ゲーム事業をスタートさせたときにイベントやマーチャンダイズなど、パルコがもともと他のコンテンツやカルチャーで扱ってきたノウハウを、ゲームジャンルに応用してやってきたというのがあります。そして、業界の方と知り合ったり、ゲーム好きなユーザーを現場で見たり肌で感じてきたなかで、パルコなりのゲーム事業として何ができるのだろうということを、ずっと考えてきました。

ゲームパブリッシャーの役割について勉強するなかで「これは、今までパルコがいろいろやってきたことと相性がいい」と思ったのです。パルコがパブリッシャーを行うことで、今まで手がけてきたイベントなどとワンストップで、トータルコーディネートができるようにもなりますので、パブリッシャーを目指すのがいいと。それでここまできたというのが経緯になります。

ただ、パブリッシャーを目指すことは最初からではなかったとはいえ、イベントやマーチャンダイズの経験はパブリッシャーとして特別な武器になるであろうとは思っていたので、早い段階でイメージはしていました。8月にPARCO GAMESを発表させていただきましたけど、パブリッシャーでマーチャンダイズもイベントもできる、また、イベントを起点としてタイトルと出会うこともできる機会を提供するという、それをトータルでできるのがPARCO GAMESというポートフォリオを考えていました。

――今回展示している3タイトル、ひいてはPARCO GAMESとしてパブリッシングしていくタイトルについて、どのような理由であったり、基準となるものがあって選出したのでしょうか。

西澤氏:基準というのもおこがましいところですし、理由もひとつとは限らないのですが、感覚的なところも含めて、ゲームが持っている物語性をすごく重視しているということは言えます。それはゲームのストーリーや世界観だけではなく、クリエイターが持っているバックボーンや、その方の物語もあわせてです。クリエイターの思いがゲームに反映されているということも含めての物語性ですね。それが僕たちの目線とあっていたり、共感できたりといったことを大事にしていますし、いろいろな形でアウトプットできる面白さもあると思います。

あと、デモである程度遊べる状態からきちんと検討していくことを絶対にします。メンバーが徹底的にプレイをして、すごくいいところを見つけ出したり、一緒に取り組んだりすることでもっと伸びるものがあるとかを、何人かでいろんな目線から細かくチェックして、ひとつひとつ掘り下げていくということは、変わらないと思います。

――今回はデジタルのインディーゲームを扱っていますが、アナログゲームなどに関心はあるのでしょうか。

西澤氏:実は1年前に、フロンティアワークスと共同開発したマーダーミステリーゲームがあります(※2024年9月に発売した「悪意に染まったプレゼント」)。

この経験も示すように、アナログゲームやボードゲームも、PARCO GAMESのターゲットとして考えております。ゲームというものをハブにして体験価値を提供するということを考えているので、デジタルやアナログだけとは捉えていませんし、もっと広く考えています。

パルコは創業からカルチャーを発信してきた企業

――外側から見ていて、パルコは店舗事業もそうですが、オシャレであったり独自性があるというイメージを個人的には持っています。パルコとして根幹にある考え方、そしてそれをどのようにゲームと結びつけていくのかを教えてください。

手塚氏:パルコは創業からずっとカルチャーを発信してきた企業である、というのがまずあります。そしてその時代にあったカルチャーを反映してきました。過去を振り返れば1990年代にミニシアターブームが起きたり、ライブハウスが盛り上がった時期もあって、我々としても映画館をやったり、ライブハウスを直営で運営していたこともあるんです。それが今、この時代ではゲームがひとつのカルチャーであるととらえていますし、そこからこのゲーム事業も始まっています。

また、パルコらしさということでいくと、会社のDNAとして引き継がれているものでもありまして、若いクリエイターと一緒に広告などを作るなど、出たてのインキュベーションのようなことをずっとしてきました。それは、おそらく今の時代だとインディーゲームのデベロッパーの考え方にすごく近いのではと思っています。これから羽ばたくであろう才能をパルコが見つけ、それを世に送り出すということをしていきたいです。

ブース出展は、PARCO GAMESの自己紹介

――今回東京ゲームショウに出展しましたが、その経緯や狙いを教えてください。

西澤氏:2023年にゲーム事業がスタートしたのですけど、ビジネスとして始まったその月(9月)に東京ゲームショウがあって、実際に足を運びました。そのときに、この場所でパルコのゲーム事業、今であればPARCO GAMESですけど、それをしっかりとプレゼンテーションしたいと思ったからです。その目的や意味合いについては、PARCO GAMESがどういうものであるのかという自己紹介というのがまずあります。加えて、今回はパブリッシングに特化したブース作りをしていて、3タイトルのプレイ体験ができることを軸においています。

東京ゲームショウは国内のみならず、世界中からゲーム好きな方々が来場する場所ですので、みなさんにPARCO GAMESならびに3タイトルを知っていただく機会になります。加えて、ゲームのクリエイターや業界の会社の方々、関係者のみなさまに、「パルコはゲームに対して、こういうアウトプットをするんだ」「こういう雰囲気のゲームを扱おうとしているんだ」と、プレゼンテーションにもなる場だと思っていました。なので、ゲームファン向けとしても、ビジネス向けとしてもPARCO GAMESの自己紹介をするということに大きな目的がありましたし、しっかりと取り組んできました。

手塚氏:加えると、私たちとしてもデベロッパーとの出会いの場になっています。今回我々は全スタッフが来ていて、ブースに滞在しているだけではなく、いろいろなブースを回りまして、さまざまなクリエイターとの関係性も作っています。それもできる場だと思います。

ゲームIPホルダーを目指し、オリジナルゲームの可能性も

――今後というところで、ゲームIPホルダーを目指すこともIR資料(パルコの親会社であるJ.フロント リテイリングの2024年12月10日付け「IR Day」※)に書かれていましたが、そのIPホルダーを目指すことについてどのように考えていたり、取り組んだりしていくのかを教えてください。

“今までパルコがやってきたことと相性がいい”――「PARCO GAMES」立ち上げやブース出展の狙いを聞く【TGS2025】の画像

※https://www.j-front-retailing.com/ir/library/pdf/ir_presentation/241210_IR_DAY_presentation_J.pdf

手塚氏:パルコとしてIPを持つことは、ビジネスの基軸として考えています。より川上のところもビジネスとして強化していくということですね。またパルコとして海外でのビジネスを拡大していく段階に入っています。2040年には国内と海外の売上比率を50:50にもっていくぐらい、海外の比率を上げようとしています。その意味でも、我々がIPホルダーとして海外向けに配信し、海外でビジネスをしていくことも考えています。

――記事を読んでいる方々に、PARCO GAMESのこういうところに注目してほしいといったことや、お伝えしたいことがありましたらお話しください。

西澤氏:まず、何よりも「PARCO GAMESです。初めまして」ということをお伝えしたいです。パブリッシャー参入の発表をさせていただきましたけど、イベントやマーチャンダイズなどを総合的にPARCO GAMESとしてやっていきます。活動における大事なコンセプトとして「パルコはゲームのために何ができるか」という言葉を掲げていて、ゲームが本来持っている可能性や素晴らしさについて、我々がお手伝いしながら未来や可能性を拡張していくこと、それを一緒になって作っていくのがPARCO GAMESになります。業界と一緒になっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

手塚氏:パルコの歴史は、クリエイターと向き合ってクリエイティブを作ってきたことにあります。ゲームに関しても、クリエイターの方々やデベロッパーと向き合いながら、一緒になってものを作っていくことを行っていきます。今後についてはオリジナルゲームを作っていく可能性もありますので、そのあたりを注目していただきたいです。

“今までパルコがやってきたことと相性がいい”――「PARCO GAMES」立ち上げやブース出展の狙いを聞く【TGS2025】の画像

本業はお堅い会社の会社員。かつてはテクノロジー&ビジネス情報メディアの硬派(自称)なIT系編集記者であったにもかかわらず、ゲームエンタメ担当としてこれまで特定のキャラにスポットをあてたゲーム記事や、キャラコンテンツのライブイベント記事を書き続け、特に「アイドルマスター」と「ラブライブ!」シリーズは、10年以上にわたってあわせて100本以上を執筆。諸般の事情により、副業ゲームエンタメライターとして寄稿も行うことに。 アイマス歴は、アーケード版ロケテスト1回目からのプレーヤー。

X(旧Twitter):https://x.com/310kazuya

東京ゲームショウ2025

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