NetNetEase Gamesは、9月25日から9月28日にかけて開催している「東京ゲームショウ2025」(以下、「TGS2025」)にて、スマートフォン/PC用オープンワールドMMORPG「逆水寒(Sword Of Justice)」を出展している。場所はHALL8-C02。
「逆水寒(ぎゃくすいかん)」は、NetEase Gamesが手掛ける大型MMORPGタイトルだ。陰謀渦巻く北宋時代を舞台に、「武侠」をテーマとした重厚なストーリーを楽しめる一作品となっている。既に中国本土ではサービスを開始しており、高い人気を誇っているようだ。また、一部のネームドNPCには自立して思考するAIが搭載されており、ゲームの世界の中でプレーヤーが実際にテキストを打ち込みながら交流することも可能だ。早速、試遊ブースでゲームを体験してきたので、その様子をレポートしていく。
『逆水寒』実機PV – 第一章 | MMOの常識を覆すAI搭載のNPCとの交流も楽しめる「逆水寒」試遊ブース!
ゲームの試遊はおよそ20分間を想定しており、チュートリアル、ワールド探索、カジュアルコンテンツ、ダンジョンと主に4つの遊びをそれぞれ体験することができる。バトルスタイルにあたる「流派」の選択から細部までこだわれるキャラクタークリエイトを経て、まずはチュートリアルへ。物語は兄弟子を探しに都へとやってきた際に、とあるお店でトラブルに巻き込まれるところからスタートした。メインストーリーでは重要な局面で選択肢が度々登場し、プレーヤーの選択によって展開が分岐する設計を採用しているようだ。
一見、正義感の強い主人公に見えたが、態度をころころと変える客引きにこっそりイタズラをするなど、人間らしさを感じられる個性付けがなされているのが特徴的。さらに主人公の持つ義侠心が災いし、トラブルに巻き込まれるというよりかは“トラブルの渦中に自ずと飛び込んで行く”展開となる。女性主人公にすると結構なじゃじゃ馬気質だ。
こうした意思を持つ主人公キャラクターなので、ゲーム中はプレーヤーが選択肢を通じて、何かと暴走しがちな主人公の手綱をしっかり握っていくことになるのかもしれない。プレーヤーが自己投影するタイプのMMOのシナリオにしてはかなり珍しい構図だろう。とはいえ、本作の題材は“武侠”なので、正義感ゆえの失敗を重ねて、未熟な主人公が成長する過程を描くのかもしれない。
一通りのチュートリアルを終えたところで、度々話題となるAIを搭載したNPCキャラクターとの交流を体験してみた。TGSで出展されている試遊ビルドでは、4人のネームドNPCと交流を図れる。キーボードによるテキストチャットのほか、マイクでの音声入力も可能なようだ。
早速対象となるNPCに話しかけてみた。「新しい見せなの、言ってみない?」と、どうやら誘いを受けたようだ。相手のお店の評価は「装飾が素敵」というもの。なので、こちらも簡単な挨拶を交えながら「どんなところが素敵なの?」と、聞いてみたのだが答えを貰う前に「私には信頼がないのね」と予想外の不機嫌ムーブに。
慌てて取り繕うように「いやいや」と、月並みな反応を返してしまった。するとこれが裏目に出て、今度は「この店のどこがいいか教えて!」とプレーヤー側を試してくる。しかし、場所と会話のシチェーションが悪く、この付近にはお店がたくさん存在していた。「失敗した……」と思いもしたが、怒られる覚悟で「装飾がめちゃきれい」と返してみると、なんとか機嫌を取り戻してくれたようだ。まさかゲーム内でNPCの機嫌を取ることになるとは思いもしなかった。相手側のトークに対して切実に向き合わないと、こうしたことが起こり得るということだろう。
現在広く浸透しているAIチャットは、AIが比較的受け身なことから、本作のように感情をぶつけてくることもほとんどない。筆者としても「せいぜい簡単な受け応えができるくらいだろう」などと、内心甘く見ていたので、ここまで感情の起伏を見せてきたことには正直、驚いた。ゲームのNPCにしてはかなり異質な体験に感じる交流要素だ。試遊ビルドでは4人のキャラクターが交流に対応しているが、製品版は20人近いネームドキャラクターとの対話が楽しめるとのこと。
最後にバトルコンテンツとカジュアル要素全般を体験してきた。本作はMMORPGではあるが、ダンジョン系のコンテンツにNPCを動員し、ソロプレイで楽しむこともできる配慮がなされている。NPCを引き連れて、気ままに周回することもできそうだ。野良プレーヤーも安心できる便利な要素だと思う。
体験できるカジュアル要素には、プレーヤーが自分の島を作り上げていく「荘園」と呼ばれるコンテンツが楽しめる。いわゆる“ハウジング機能”だが、他のプレーヤーがサーバーにテンプレートを共有する機能も備わるという。また、公式が提供するプリセットもあるので建築要素が苦手でも、それらをベースに自分なりにアレンジを加え楽しむこともできる。作り上げた島には他のプレーヤーを呼べるとのことだ。
他にもキャラクターのダンス動画を撮影してプラットフォーム上に共有できるSNS要素や、やたら細かく設定をカスタマイズ可能なフォトモードも搭載する。プレーヤーが常に自分主導でゲーム内コンテンツを自由に楽しめる作品、といった印象を受けた。ローカライズ品質も悪くないので、今後の続報が楽しみだ。