Annapurna Interactiveはアメリカを拠点にインディゲームのパブリッシングを行うメーカー。東京ゲームショウ2025では、ブースを出展し、新作タイトルをアピールしている。「D-topia」、「People of Note」、「Demi and the Fractured Dream」の3本の新作タイトルを出展。試遊台を準備しゲームをプレイできる。
本稿では、その中でも一押しの「D-topia」の開発者に話を聞き、試遊バージョンを触ることができたのでリポートしていきたい。話を聞いたのはMarumittu Gamesで本作のプログラムを担当する三橋彰氏と、本作のアートを担当する椎野央子氏。
今回ゲームを解説してもらったMarumittu Gamesで本作のプログラムを担当する三橋彰氏(左)と、本作のアートを担当する椎野央子氏
「D-topia」は2026年発売予定のパズルアドベンチャー。対応ハードはプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch2/Switch/PC。開発は日本のデベロッパーであるMarumittu Games.。AIによって人々の生活が管理され、幸福度が最大になることを目指している未来社会を描いている。
プレーヤーが操作する主人公はその社会において、社会がきちんと機能するように不具合を修正する「施設整備士」となってこの世界に関わっていくこととなる。この世界はすべての人に食事や住居が提供され、本来は「働かなくても生きていける世界」なのだが、人々の幸福度を満たすためにも仕事が与えられている。
AIに管理された白く清潔な世界、「D-topia」はすべての人が幸せになるように設計されている
主人公は「施設整備士」として、人々の幸せと向き合っていく
「D-topia」の世界は白が基調のまるで病院のような清潔な世界で、あらゆる所にAIの「トロイド」がいて、生活をサポート、人々はトロイドの指示に従っていくことで幸せを感じられる人生を生きられる。主人公は施設整備士に就任。朝ベットから起きるとしっかりした朝食が用意されており、それを食べ、施設整備士の制服に着替えて指示を出してくれるトロイドの元に向かう。
ちなみに顔を洗わないとドアが開かず、外に出ることができない。しっかり朝食を食べ、制服に着替え、顔を洗うことで主人公は出勤することができる。このように人々の生活が細かく管理されているのが、「D-topia」の社会なのだ。
「D-topia」はフィールドを歩き人々やトロイドと会話することに加え、「パズル」に挑戦する。施設整備士のテストから、機械の修理などもパズルで解決していく。このパズルはブロックを決められた場所に運ぶ「倉庫番」のようなルールのゲームで、数字が振られたブロックや、ブロックを置くことによって解除される仕組み、線を通ると数字が増える仕組みなど少しずつ複雑になっていく。ゲームが進んでいくことでより頭をひねることとなる。
ブロックを指定された場所にはめ込んでいく「倉庫番」のようなパズル。このパズルで様々なことを解決していく
施設整備士として依頼された仕事は、トロイドの故障。お店の中のトロイドが動かなくなってしまったという。主人公はその場所に向かう。トロイドを直すため施設整備士である主人公は「ブロックサイド」へ視点を切り替える。
ブロックサイドとは、“AIが人間に見せたくない、世界”。実は白く清潔な世界の姿は、AIが人間に見せたいと望んでいる世界なのだ。施設整備士は装置を使うことで自分だけその世界と異なる真の世界を見ることができる。
ブロックサイドの世界は黒く殺風景な、まるで舞台裏のような世界。空中に浮遊しているように見えたショップトロイドも実は柱で支えていることが見えたり、故障した機械が合ったりする。一般の人には故障した機械や、場合によっては人間すらブロックされ、見えなくなってしまうのだ。体験版ではこの驚くべき“真の世界”を提示したところで終わる。
ショップトロイドが故障してしまったという。故障してしまった機械は、住人には見えなくなる
AIが見せる完璧な世界の機能をOFFにした「ブロックサイド」の世界。本当はこんなに殺風景な世界なのだ
今後の物語に関わってきそうなキャラクターとの出会い
「D-topia」はこのようにちょっとダークな要素も持っているが、ユーモアがあり、「自分の幸せって何だろう?」ということを考える作品になっているという。今後深く関わりそうなキャラクター、さらには「しゃべるネズミ」の様な奇妙な生き物との出会いも描かれ、本編が楽しみになる要素に詰まっている。
ゲームを解説してくれたプログラム担当の三橋氏はこれから来場する人に向かってのメッセージとして「AIが見せたい世界と、ブロックサイドの本当の世界の違いを探ると楽しい部分が見えてきます」と語った。アート担当の椎野氏は「見た目も展開もほんわかしたゲームですが、ちょっとだけゾクッとしたり、おやっと思う要素を入れています。こういった所を気に入っていただければ、製品版を手に取っていただけるとうれしいです」とのこと。非常に楽しみなゲームだ。
会場では「D-topia」の試遊バージョンをプレイできる
【スクリーンショット】