2025年09月24日 18時00分更新
自作PCパーツの4大メーカーのひとつとなっているASRock。他社とは一線を画す斬新なコンセプトの製品や、良好なコストパフォーマンスの製品を送り出し、時には変態と称されることもある。そんなASRockが、マザーボードとビデオカードに加え、最近力を入れているのが電源ユニットだ。
ラインアップはマザーボードでもおなじみの「Taichi」シリーズを頂点に、同社ゲーミングブランドの「Phantom Gaming」、堅牢性が特長の「Steel Legend」、そしてコストを抑えた「Challenger」、「Pro」に属する全15製品が展開されている。
とくに注目したいのが鉄板人気の「Steel Legend」シリーズだ。いまゲーミングPCを構築するうえで最適な容量である750W、850Wに、アッパーミドル~ハイエンド構成のPCにおすすめな容量1000Wが主要ショップに並んでいる(ドスパラ専売モデルで650Wもある)。
そのうえ容量850Wと1000Wモデルには、ケーブルとコネクターまで真っ白なホワイトカラーモデルを用意と、旬なポイントを押さえている。
ATX 3.1&PCIe 5.1の最新規格に準拠する「Steel Legend」シリーズ。信頼性の証となる80PLUS GOLD認証、Cybenetics Platinum認証などを取得
今回着目したのは、そんなSteel Legendシリーズに新たに追加された容量1200Wモデルの「SL-1200G」(ブラック)と「SL-1200GW」(ホワイト)だ。
容量1200Wで3万円台半ばとなっている「SL-1200G」と「SL-1200GW」。ともに安心の10年保証が付帯する
電源ユニットの出力選びでは「システム消費電力の2倍が望ましい」という定説がある。電力の変換効率は、出力容量の50%負荷時が最も高くなるからだ。それを踏まえると「容量1200Wも必要?」と思うことだろう。
確かに、AMD Ryzen 5/7、Intel Core Ultra 5/7や、AMD Radeon RX 9060/9060 XT、NVIDIA GeForce RTX 5060、RTX 5070といったミドルレンジのパーツ構成なら、電源ユニットの容量は850Wで十分になる。
しかし、CPU、ビデオカードともに最新アッパーミドル~ハイエンドを組み合わせたり、CPUやビデオカードの将来的なアップグレードを見据えたりすると、1000Wクラスを選ぶのが理想的と言える。高効率な50%運用が500W台となるからだ。
さらにPCパーツにおいては、電力供給の後方互換が確実に用意されるため、電源ユニットは故障しない限り使い続けることがほぼ確実。そのため最適解のひとつ上の容量となるSL-1200Wという選択肢は十分ありと言えるのだ。
鋼の堅牢性と、良いとこ取りのスペックを持つSteel Legendシリーズ
Steel Legendシリーズの電源ユニットは、耐久性に妥協なしの「10年保証」、次世代モンスターGPUへの対応も安心の「12V-2×6コネクターを2基搭載」、大容量モデルでは貴重な「ホワイトモデルを用意」と、素直に買いと言えるポイントが詰まっている。そのため発売からわずか数ヵ月で、自作PCを組むうえでの定番製品のひとつになっている。
ケーブル過熱保護機能が省かれるなど、ハイエンドモデルの「Taichi」と「Phantom Gaming」からコストダウンされた点は確かにあるが、そのぶん「SL-1200G/GW」は3万円台半ばという価格で、容量1200Wとしては手が出しやすくなっている。
筆者も物欲を刺激されている「Steel Legend SL-1200G/GW」。とくにホワイトカラーの1000Wクラスは、貴重だ
12V-2×6コネクターを2基搭載する。2基必要とするビデオカードはないが、マルチGPU、AI学習などのニーズに対応できる
12V-2×6コネクターのケーブルが2本付属している。曲げやすいフラットケーブルを採用しているのも良い
12V-2×6コネクターは、挿し込みが甘いと破損を招くことがある。接続部からグリーンの部分が見えているとちゃんと接続できていないことになる。目視で甘挿しを防止できるのがありがたい
24ピンケーブルなど、すべてのケーブルにフラットケーブルを採用する。取り回ししやすく、ケーブルをまとめやすい
上位モデルの「Phantom Gaming」は、24ピンと12V-2×6ケーブルがゴツいメッシュタイプだったりする。代わりに、そのほかのケーブルが、カッコいいスリーブ仕様になっている
電源ユニット背面。ホワイトモデルは背面も真っ白になっている。ファンコントロールモード「iCool」のオン/オフスイッチを備える
30%までの低出力時に自動で冷却ファンを停止させる「iCool」。オン/オフスイッチがあるのは、常時ファンを動作させたい派の人には、うれしいところだ
ホワイトモデルは電源ユニット本体と接続する電源ケーブルもホワイトになっている