
ロジクールは9月18日、都内にて記者発表会を開催し、新世代のゲーミングマウス「PRO X2 SUPERSTRIKE(プロエックスツー スーパーストライク)」を正式発表した。2026年初頭発売予定で、価格は未定。
「PRO X2 SUPERSTRIKE」は、9月18日に放送された配信番組「Logitech G PLAY 2025」においてサプライズ発表された次世代ゲーミングマウス。彼らの新たなスローガン「ブレイクスルー」を体現する存在だ。

同じタイミングで発表された「PRO X SUPERLIGHT 2c」、「PRO X SUPERLIGHT 2 SE」がいずれも現行世代の「PRO X SUPERLIGHT 2」の派生モデルであるのに対して、「PRO X2 SUPERSTRIKE」はその名が示す通り、現時点ではゲーミングヘッドセットにしか存在しない「PRO X2」の名を冠した次世代モデルとなる。
「PRO X SUPERLIGHT」シリーズの軽量/高性能路線はそのままに、左右のクリックボタンにまったく新しい「SUPERSTRIKE」機構を導入。物理的なアナログ機構から脱し、クリック操作を始めた瞬間に入力が完了し、プロレベルでも30msの高速化が実現できたと言う。
さらに「G HUB」を介して、まるでキーボードのようにラピッドトリガー、アクチュエーションポイント、クリック強度の設定が可能で、自分好みのマウス感度にカスタマイズできる。
会場では、日本のDFM所属アスリートをはじめ、世界中のeスポーツ選手たちがプロトタイプを試す様子が映像で公開され、一様に驚きの声を上げていたのが印象的だった。
発表会の開場時点では秘密のヴェールに包まれていたが、発表会終了後にガラスケースの中に入れられ、ライトアップされた状態で公開された。左側面にシリアルナンバーが施されており、開発中のプロトタイプであることがわかる。
基本的なデザインはPRO X SUPERLIGHTを踏襲しているが、左右クリックボタンのカラーを大胆に変えており、存在感たっぷりだ。カラバリはこの白/黒のツートンのみ。理由は早く発売するためで、SKUを最小限にして市場獲得を優先する戦略だ。
なお、今回の発表会では唯一タッチアンドトライは実施されず、その高速入力やハプティックフィードバックを体験することはできなかった。プロトタイプを触ったと言う室井氏に感想を聞くと「とにかく速い!」と言う。一方でハプティックフィードバックについては「普通ですよ」と意外な答え。
と言うのも、これは筆者自身も勘違いしていたが、SUPERSTRIKEのハプティックフィードバックは、従来のマウスクリック感を何か別のものに置き換えるものではなく、物理スイッチを廃した結果、クリックを知覚する機構そのものも失ったため、擬似クリック音を発生させるための仕組みなのだと言う。
ハプティックなしだとガスケットマウントのキーボードのように柔らかめの感触になるが、ハプティックありだと、従来通りのしっかりとしたクリック感が返ってくるという。電気自動車の擬似エンジン音のような話だが、やはりマウスにクリック感は欠かせないというフィードバックが多かったのだろう。


開発担当者によれば、開発期間は18カ月以上で、ロジクールが満を辞して放つPRO Xシリーズ待望の新モデルとなる。海外での価格は179.99ドルとなっており、日本での価格は2万円台後半の見込み。カラバリや、左右非対称のDEXモデルの展開も期待したいところだが、室井氏によれば「やりたいことはたくさんあります。正式発表をお待ちください」ということだった。
本体サイズは現行の「PRO X SUPERLIGHT 2」とほぼ同等、重量は5gほど重い65g。軽さ重視の現在のトレンドからやや逆行するようだが、これまで数々のゲーミングシーンを生み出してきたロジクールだけに、本製品がどのようなインパクトをもたらしてくれるのかマウス担当として非常にワクワクしている。年内にもベータ版を体験できるようなのでインプレッションをお届けしたい。

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