大都会の片隅にあるショーレストラン「Theater Starless」(以下、スターレス)で繰り広げられるショーは、トップスターを目指す男たちによる熱いエンターテイメントバトル。ステージに立つのはチームKをはじめとした5つのチームのワルメンたち。そんな彼らを育成する人気ゲームアプリ『ブラックスター -Theater Starless-』が今年9月10日に6周年を迎えた。
ブラックカードが届いたことで「スターレス」と出会った主人公(ユーザー)を取り巻くミステリアスなストーリーは、進行するにつれて謎を深め続けている本作。「スターレス」でのショー とその公演曲とで物語を音楽とともに進めてきた本作は、周年を迎える度に記念楽曲を制作してきた。2周年では各チームの公演曲をマッシュアップした「ego」、3周年の「Too bad」と各チームのシンガーが勢揃いで歌唱したが、4周年では「Shadows in the Dark」、「SILENCER」、「月光」の3曲を全シンガーで歌い、さらにこの3曲を自由に組み合わせ、1つの曲として繋げることができたカスタムを、全27通りすべてのカスタムパターンで収録したシングル『Outsider』としてリリースして驚かせた。5周年ではチームごとに楽曲を披露。チームPの「翠花ひとつ消ゆ」、チームCの「ワールドエンド」、チームKの「約束は永遠に」、チームBの「What’s the B-boy?」、チームWの「死神の決断」(5周年公演イベント披露順)という5曲が、5周年を迎えた「スターレス」の全チームによるオムニバス公演の公演曲として披露された。
そして6周年では、レ・ファニュの小説『吸血鬼カーミラ』を原典としたオムニバス公演『Ashes & Roses』を開催。ハンガリーに生まれた作曲家・バルトークの小組曲「ルーマニア民族舞曲」を取り入れた公演をそれぞれのチームが用意し、チームのカラーの出た公演曲を歌う。その6周年公演の楽曲レビューとともにクリエイターからのコメントをお届けする。6周年記念の公演曲へ込められた思いとは。
チームW「終焉より遠く」(作詞:塚口綾子、作曲:篠崎あやと/橘亮祐)
シンガーの晶(Singer:小林太郎)の生命力に満ちたソウルフルな歌声と重厚でラウドなロックンロールが魅力のチームWの6周年の公演曲は、モチーフ曲「ルーマニア民族舞曲」からのインスパイア感あるベースのフレーズから幕を開ける疾風怒濤のパワフルな一曲。途中のシンセを響かせるパートの歌声から溢れる艶めきと色香もまたチームWの色だ。無骨なまでの反骨心と鮮やかな艶とを内包するナンバーだ。
チームK「The Velvet Sleep」(作詞:塚口綾子、作曲:GAK)
圧倒的な王者感でフロアを支配するチームKが歌うのはパワフルなケイ(Singer:藤田玲)、高音が揺らめく吉野(Singer:齋藤知輝(Academic BANANA))、情感を滲ませる夜光(Singer:松本明人)の3色の歌声がめまぐるしく交差するナンバー。原曲を思わせるクラシカルな音がドラマティックに疾走する煌びやかなロックは、グランドミュージカルのような厳かさも感じさせる。劇的で耽美な歌詞もまたチームKの華やかな色彩感を宿す印象だ。
チームP「角笛は螺旋の音色」(作詞:塚口綾子、作曲:阿部隆大)
マイカ(Singer:Kradness)、リンドウ(Singer:あじっこ)、真珠(Singer:スタンガン)の3人のシンガーを擁するチームPが歌うのは畳みかけるようなダンスビートと厳かなストリングスの旋律と賛美歌のようなコーラスに原曲の色彩が滲む一曲。3人のユニゾンとそれぞれの伸びやかなボーカルというチームPの武器を余すことなく感じさせ、彼ららしい爽快でダンサブルなテクノチューンが甘くも影ある世界観を届ける。
チームB「ハイエナ」(作詞:Takuya IDE、作曲:Takuya IDE/Ra-U)
古いレコードから鳴り出すようなイントロから原曲である「ルーマニア民族舞曲」にインスパイアされたような軽快な高音の笛の音のようなフレーズが厳かに響くなか、導かれるようにダンサブルなビートとチームBらしい攻撃力の高いラップが重なるヒップホップチューン。遊び心を散りばめたようなラップがハイスピードに紡がれ、チームBのサウンドメイクを担うヒース(MC:Takuya IDE)たちメンバーの表情までも見えるようだ。
チームC「ワールドアウェイク」(作詞:塚口綾子、作曲:石黑剛/常楽寺澪)
物語の世界へと誘われるような管楽器の軽やかで音色が紡ぐ煌めく音での幕開け感あるイントロから治安の悪さを滲ませた旋律へと繋がり、原典を彷彿とさせるような残酷さ滲むラップを挟みつつも艶めくメロディアスな歌へと展開していくチームCの6周年公演曲。柘榴(Singer:しゃけみー)、青桐(Singer:SHIN)の2色の歌声のコントラストとともにドラマティックな構成から優美なダンスパフォーマンスが脳裏に浮かぶ。