VM800(左)とVM800L(右)

 エレコムは9月下旬、ゲーミングマウス新製品「VM800」シリーズを発売する。価格は19,980円。エレコム公式ショップなどで9月9日から9月17日まで予約受付中で、予約した場合は3,000円引きの16,980円で購入できる。

 「VM800」シリーズは、エレコムのゲーミングブランド「ELECOM GAMING V custom」の最新製品となるゲーミングマウス。サイズ違いのVM800とVM800Lをラインナップし、カラーはブラックとホワイトの各2種類となっている。重さはVM800が59g、VM800Lが64g。

どんな環境でも高速&安定する通信を実現

 VM800シリーズの最大の特徴は通信帯域にUWB(Ultra-Wideband:超広帯域無線通信規格)となる7.25GHz~9.30GHzを使用している点と、送受信ともにポーリングレート8,000Hzで通信する「True8,000Hz通信」を実現している点だ。

 現在通信帯域の主流となっているのは2.4GHz帯だが、無線のマウスやキーボード、ヘッドセット、またBluetoothやWi-Fiでも多く使われており、特に通信機器の多い配信環境や大会環境では機器同士の電波干渉が起こる可能性が高まる。

 一方でUWBであれば2.4GHz帯の約20倍以上の帯域幅があるほか、そもそもUWB帯を使用する機器が少ないため、電波干渉が起こりにくくなる。つまり、使用する環境の影響を受けずに、安定した通信でVM800シリーズを使用できる、ということとなる。

 また8,000Hzを謳うマウスであっても、マウスからの送受信が1対1でなかったり、有効なデータが含まれていなかったりするなど、“完全な8,000Hz”とは言えない製品もある。VM800シリーズではPC、レシーバー、マウス間において、送受信ともに8,000Hzで通信する。「True8,000Hz通信」であることで、高速かつ安定した通信が可能になる、というわけだ。

UWBとTrue8,000Hzの説明スライド付属のレシーバー。このレシーバーとマウスの通信にUWB帯が使用される。なお、ケーブルを直接マウスに挿して使用することも可能

 これらの特性が組み合わさることで、例えばeスポーツのオフライン大会などで大きな優位性を出せる。通信機器がどうしても多くなる大会環境では、無線の使用は大きなリスクを伴うこととなる。大会では、わずかな通信の途切れもクリティカルに結果に影響を及ぼすからだ。

 しかしVM800シリーズは、そもそも環境の影響を受けない。UWBとTrue8,000Hzが組み合わさることで、どのような環境にあっても、安定した8,000Hzでのプレイが可能になる。なおエレコムでの検証によると、ポーリングレート8,000Hzにおけるクリックの応答速度は約0.45msとなった。

UWBではノイズ発生時にも安定して通信が可能となる発表会場でもデモが行なわれていた

 なお、UWBを使用することのデメリットとして、電波到達距離がレシーバーから約1.5mほどになる点がある。2.4GHz帯を使用した既存モデル「VM600PE」では約10mほどあったのに対し大幅に短くなっているが、そもそもマウスは大きく場所を移動させるものではないため、特に問題ないと考えているとした。

 今回実際に使用してみたが、机の上から多少離しても、たとえば膝の上や椅子の上くらいなら問題なく動く。座席で2席分くらい以上離すと不安定にはなるが、ゲームなどで使用する分には十分な範囲と言えるだろう。

使いやすさ抜群! 「VM800」をもう少し触ってみた

 会場での試遊とは別に「VM800」を実際に触ることができたので、その模様もお伝えしたい。

 まず上記の情報通り、操作感はかなり滑らかだ。普段はポーリングレート1,000Hzのマウスを使用しているのだが、8,000Hzになると操作がより意図通りに「ピタッ」と来る感覚がある。8,000Hzでしばらく使ったあと、1,000Hzに戻すとその違いがはっきりとわかる。

 本製品の優位性は、UWB帯であることで無線でもどんな環境でも混線の心配がない、という点だ。どんなに通信機器が多く置かれていようとも、常時快適な8,000Hz通信が実現される。環境に左右されない安心感が、まず大きく感じるところだ。

パッケージ開けたところケーブル、レシーバー、マウス本体が主な構成パーツ裏面に貼ることで摩擦を上げられるオプションシール

 製品としては、レシーバーの存在も大きい。レシーバーにはLEDライトが仕込まれていて、無料ソフトの「ELECOM GAMING Tool(EG Tool)」と接続することで光り方を変えられる。中でも便利なのが、マウスのボタンを押すと光る「反応」という設定。ひと目見ただけで、マウスがちゃんと機能しているかどうか判別できる。

 またマウス本体の充電がなくなったとき、指定の色に光らせる機能もあり、突然充電がなくなる事態をあらかじめ防ぐことができる。なお、マウスの前面にはUSB-Cの差込み口があり、ここにケーブルを挿せば充電可能だ。PCとつなげば、そのまま有線マウスとしても機能する。

レシーバーとの連携もポイントEG Toolでのレシーバーの設定画面

 EG Toolではマウス本体の設定も可能。DPIやポーリングレートの設定のほか、センサー軸やマウスパッドに合わせたリフトオフ距離なども変えられる。シンプルだが必要な機能は十分揃っている印象で、セッティングしやすいのも好印象だ。

 軽さ、高速通信、そして他にはない安定性という点で、まさに一線級のゲーミングマウスではないだろうか。ぜひ、チェックしておいていただきたい。

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