コロプラは9月7日、大乱戦パーティロイヤルゲーム「フェスバ+」の公式大会「フェスバ+グランドチャンピオンシップ(以下FGCS) 2025 SUMMER」のオフライン決勝を高田馬場のeスポーツ施設「ASH WINDER Esports ARENA高田馬場店」にて開催した。

 「フェスバ+」はMIXIとコロプラが協業で開発した6人制のチーム戦アクションゲーム。プラットフォームはAndroid/iOSなどのスマートフォンやタブレット、そしてPC版(STEAM)となっている。アタッカー、ガーディアン、キャスター、ランナーの4種類のキャラクター(ヒーロー)を操作し、各ヒーローの持つスキルや、ステージに配されたチーム毎の強力なドロースキル、ステージ毎に異なる様々なギミックやイベントなどを駆使して各種ルールのバトルで対戦する。

 スマートフォン版のリリースが2024年8月29日で当初のタイトルは「フェスティバトル」だったが、1月31日よりタイトルを現在の「フェスバ+」に変更。3月14日からは基本プレイ無料でPC版(STEAM)もリリースしている。

 本稿ではFGCS 2025 SUMMERのオフライン決勝の模様のほか、会場の雰囲気などを交えて簡単に紹介したい。なお、決勝戦の模様はについてはYouTubeの「フェスバ+公式」チャンネルにてライブ配信も行なわれていたので、試合内容について細かくチェックしたい場合は、こちらも合わせてご覧頂ければ幸いだ。

【フェスバ+公式チャンネル【生放送】公式大会決勝戦!】

会場となった高田馬場のeスポーツ施設「ASH WINDER Esports ARENA高田馬場店」場内に敷き詰められた座席はほぼ満席の状況大会のビジュアルイメージ賞金総額180万円! 「フェスバ+」全国大会が初開催

 FGCSは今回が初となる「フェスバ+」の全国大会で、予選は8月10日からオンラインで行なわれ、6人1組(任意でリザーブメンバー1人を登録可)でチームを結成して登録し、チームバトルで上位4チームを選出し、オフライン決勝でチャンピオンを決定した。

 賞金総額は180万円で、優勝チームには120万円、準優勝は30万円、3位は18万円、4位は12万円。いずれも副賞としてゲーム内の限定称号がプレーヤーのアカウントに付与される。

 ルールはステージ上のアンテナを両チームで制圧しあって勝敗を決める「アンテナハック」と、ステージ内に敷かれたルート上を進行する「キャノン」を修理して相手チームのゴールへ進める「キャノンエスコート」で、マップも事前にそれぞれ3種類の指定があり、そのいずれかで対戦を行なう。

 利用可能なキャラクター(ヒーロー)はゲーム的には36人いるが、そのうち大会で利用できるのは「フェスバ+」、「白猫プロジェクト」、「白猫テニス」、「モンスターストライク」、「魔法使いと黒猫のウィズ」登場キャラクターのみの24人で、チーム内で同一ヒーローは1人のみの制限もある。

 オフライン決勝はダブルイルミネーション形式のトーナメントとなっており、敗退した場合も、敗者復活のLoosersトーナメントでもう1度チャンスがある。従来のトーナメントと同様、勝ち続けるチームはWinnersトーナメントを勝ち進めていく。FINAL以外は全て1戦で勝負が決まる(BO1)で、FINALは2勝先取(BO3)で決着する。

 最後にWinnersに残ったチームと、Loosers側で残ったチームが決勝戦(FINAL)を行ない、優勝チームを決する。なおFINALはリセットありで、Winners側は2敗しても再戦可能。FINALでは本日両チームで使用したキャラクター(ヒーロー)を1人使用不可にできる「ヒーローBAN」も導入される。

トーナメント表。残りの4チームでの決勝戦はダブルイルミネーションで行なわれる大会ルールの説明試合中のステージの様子。ゲーム内の様子を表示するステージの大型ディスプレイの下部に机が被さっており、やや見えにくい

 FGCSの会場観戦については、事前応募で抽選に当選した人たちがオフライン会場に来られる仕組みとなっており、参加費は無料。入場開始は11時だが、開場前から「ASH WINDER Esports ARENA高田馬場店」のビル前には入場待ちの列ができており、人気の高さを感じさせた。

 会場内は、選手たちが使用する机とゲーミングPCが並ぶステージ以外は、ほぼ通路と観戦用の椅子とで占められていた。こうしたイベントではお馴染みの物販ブースも用意されており、多くのグッズが販売されていたが、入場時に整理券を配布し、人数を絞って時間毎に順次呼び出しを行なっていた事もあり、物販に長蛇の列が並ぶような様子は見られなかった。「ASH WINDER Esports ARENA高田馬場店」のように場所が限られた会場を使う際には有効な手段と感じられた。

 参加者にはFGCSロゴの入ったエコバッグと、試合中の応援に活用できる2本のスティックバルーンが配布され、試合中の盛り上がり場面では盛大にバルーンが叩かれ、会場を大いに盛り上げた。特定の選手やチームの活躍で場が盛り上がる、というよりは試合の展開その物で盛り上がる場面が多く、みんな頑張れといった空気が感じられた。

 実況解説は、ゲームキャスターの岸大河氏とゲーム内でも登場するヒーロー、マリオンの2人が務めた。両名とも「フェスバ+」はかなりガッツリやり込んでいるため、繋ぎのトークも話題に事欠かず、終始ユニークなトークで会場と配信を盛り上げた。「フェスバ+」のバトルは時間制限のあるバトルなので、試合が開始するとスムーズに試合が行なわれるのだが、チーム入れ替え毎に発生する機材セッティングにはかなりの時間を要しており、岸氏とマリオンのトークによる場繋ぎがかなり重要な要素となったのは間違いない。

開場前からビルの横には入場待ちの長い行列ができていた物販は整理券で順番が決められており、長い行列ができるようなことはなかった実況解説はゲームキャスターの岸大河氏とゲーム内に登場するヒーローの1人のマリオン。ゲーム内ではプレーヤー(キャプテン)をナビゲートする立場だが、配信を行なうなどゲームの知識も多く持っており、今回はディスプレイ越しに解説役として参加してくれた岸大河氏も「フェスバ+」をかなりやりこんでいるようで、待ち時間の繋ぎにはゲームの情報などを語るだけでなく、リプレイでもチームの動きについてかなり細かく解説しており、これがかなり分かりやすく、初心者(筆者)でも安心して試合を見られた制限時間いっぱいのギリギリ逆転の連続に観客も大盛り上がり!優勝はチーム「刻」!

 予選を通過した4チームのうち、優勝したのはチーム「刻」(こく)だ。

 決勝戦ではWinners側がチーム「FS」、Losers側がチーム「刻」となり、チーム「刻」が優勝するためには先に2勝した上で決勝戦をリセットし、再度2勝する必要があった。

 つまりチーム「FS」の方が立場的には有利だったのだが、圧巻だったのはチーム「刻」がまず2連勝を決めたこと。ルール「キャノンエスコート」で迎えた1試合目こそ「FS」が序盤を有利に進めていたが、チーム「刻」が得意とする攻めの火力で「FS」を圧倒。ルール「アンテナピック」となった2試合目も勢いそのままに押し切り、一気にリセットまで持っていった。

 「刻」の勢いは止まらず、ルール「アンテナハック」のリセット1戦目でも「刻」が勝利。後がなくなった「FS」は、つづく2戦目で再びルール「アンテナハック」を選択すると、最終盤までリード。リベンジ成功なるかと思った残り時間2分、ついにチーム「刻」が反撃を開始した。「FS」の達成率33%のところ、「刻」は0%からどんどんと26%まで盛り返していく。そのまま試合が終わるかと思われた残り3秒、「刻」が+8%のポイントを獲得し、33%対34%でギリギリ逆転勝利し、優勝を決定づけた。

 試合終了後のメディア向けインタビューでは、チーム「刻」のリーダー、キャプテンにFINALとリセットマッチのBANルールになってから怒涛の4連勝した点について話を伺った。キャプテンは「チームのメンバーに司令塔がいて、そいつと一緒に1ヶ月以上前から全員の持ちキャラのヒーローBANを想定してずっと練習を繰り返してきました。それが活きたかなと思います」と教えてくれた。

 また、声掛けについて聞かれると「お互い声は掛け合っていたんですが、リーダーとしてちゃんと皆を励ますように、落ち着こうという声掛けなどは結構意識していたので、それが少しでもみんなの力になれたのはよかったです」とコメント。

 次に向けての改善ポイントについて聞かれたキャプテンは「みんな最初はすごい緊張していて、初戦でこけちゃったので、そこはもうちょっと自信を持って臨めるようにみんなで練習を頑張っていきたい」とした。

今後さらに盛り上がる予感を感じさせる魅力的な大会

 「フェスバ+」の全国大会、FGCS 2025 SUMMERでは会場全体が一丸となって、試合をしている両チームを応援している雰囲気が印象的だった。今後プレーヤーがさらに増えてくれば、さらなる盛り上がりも期待できそうだ。

 今回優勝したチーム「刻」は作戦を考える司令塔のプレーヤーが別にいたり、1か月以上大会のFINALでの特殊ルールであるヒーローBANへの対策を徹底しているなど、チームとしての洗練度がかなり高く感じられた。その他の参加チームについてもゲームプレイの洗練度は高かったが、チーム「刻」のFINALを見据えた事前の練習と戦略がチームを優勝に導いた一端なのは間違いないだろう。

 大会終了後は、チームに関係なく出場メンバー同士で楽しげに会話する様子も見られた。こういった上位勢の仲が良いコミュニティはうまく発展すればゲーム全体の発展にも繋がる部分があるので、今後も大事にしていきたい要素だと感じた。

 実際に会場を訪れると、観戦者や出場したメンバーの誰もが「フェスバ+」が好きで集まっていることが伝わってきて、配信終了時のエンディング映像を大会の参加者全員でじっくりと堪能している様子も印象的だった。

 現段階ではまだ事前抽選による比較的小規模な大会となっているが、今後、よりオープンな大会となっていけば、コミュニティがより大規模なものになっていく可能性も感じさせた。「フェスバ+」のゲーム自体も大会シーンも、コロプラによる施策にぜひ期待したいところだ。

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