自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今回の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第32回では、Jake Donkersgoedが開発・販売を手がけるオープンワールドサバイバル伝統的ローグライク『The Doors of Trithius』をご紹介します。

『The Doors of Trithius』とは

本作は「完全ターン制」「世界やクエストが自動生成」といった、伝統的な「ローグライク」要素を取り入れたゲームです。但し、さすがに『Rogue』『NetHack』『Angband』のように画面構成がテキスト表示という事はなく、描き込まれたピクセルアートによるビジュアルタイルとマウスによる直感的操作が可能なUIを取り入れています(キーボードによる操作も可能)。

本作の特色の1つは「広大なフィールドマップ」が用意されていることです。世界は広大なフィールドマップと、そこに点在する村や街といった人々が生活する領域、そして遺跡や洞窟といったダンジョンからなります。

また独立した勢力が各地域を治めており、勢力の相性やプレイヤーの行動次第では勢力が大規模な抗争を始める……という、ワールドシミュレーター的な要素も用意されています。

本作は「伝統的ローグライク」といっても、深い迷宮の奥から宝を持ち帰ることや特定のボス敵を倒すことが目的ではなく、「この世界の冒険者の1人として自由に生きる」ことが目的といえます。

キャラクターを作って、街に出てクエストをこなして、スキルを鍛えて……どう遊ぶかはプレイヤーの自由だ

本ゲームは、まずはキャラクターメイキングから始まります。まずはキャラクターの背景となる職業の選択で、これによって初期の所持品やメインスキル・初期特性などが決まります。

職業を選んだら、サブスキルを設定します。戦いを繰り返すことの多い伝統的ローグライクでは戦闘に役に立つスキルを習得したいところですが……本作、戦闘”以外”のスキルもメチャクチャ重要です(後述)。

スキルとは別枠で、身体の特性も選ぶことができます。適当に好みで選んでいいでしょう。

続いて初期所持品と容姿の選択をします。初期の所持品・装備は何度でもリロールが可能なので、納得いくまでリセマラすることをお勧めします。納得のいくアイテムが揃ったら、容姿を自分好みに整えるとよいでしょう。

最後に名前入力をして、キャラクター完成です。

ゲームを開始すると、チュートリアルダンジョンに閉じ込められています。まずはここで基本的な操作を覚えることが目的です。マウスで移動しながら樽や宝箱を調べ、アイテムを拾いながら進んでいきましょう。

敵は近接してクリックすることで近接戦闘が行えます。初期のダンジョンの敵はそんなに強くないので、ガンガン倒しましょう。

武器を使い込んでいくと、その武器に対応した「フォーカスポイント」が得られます。フォーカスポイントと引き換えにさまざまな強化パッシブスキルや攻撃用アクティブスキルを習得できるので、同じ種別の武器に熟練していくのが望ましいと言えるでしょう。

部屋の中にあった調理台を調べると、料理スキルとレシピがあればここで料理ができることが判明します。

本作は伝統的ローグライクとしては、かなり食糧事情に悩まされるタイプです(『不思議のダンジョン』のような伝統的ローグライクでは当たり前では?と思われた方も多いかもしれませんが、『Angband』系は安価で大量に食料が買えるので満腹度に悩まされることは少ないし、『Tangledeep』や『Tales of Maj’Eyal』のような満腹度を排した伝統的ローグライクも少なくない)。

本作では頻繁にお腹が空くわ、序盤の食料は少ないわで、食糧確保の手段の一つである料理は有用なスキルの1つといえるかもしれません。

冒険を続けると、「ウィズダムレベル」が上昇……というメッセージが表示されます。このウィズダムレベルが本作のキャラクターレベルに相当するものです。

ウィズダムレベルの上昇確認メッセージが表示されてから、どこでもいいのでベッドで寝ると、スキルポイントが1ポイント上昇します。

このスキルポイントで、「料理」などの多彩なスキルを獲得することができます。レベルを上げるために必要な経験値(ウィズダム)は敵との戦闘だけではなく、これらの各種スキルを活かすことによっても獲得できるので、さまざまなスキルを試してみるのも良いかもしれません。

序盤に役に立つスキルとしては、「植物学」が挙げられます。このスキルを習得すると野生の植物・キノコが鑑定できるようになり、それらを原料としてポーションを作ることも可能になります。野生植物は街の外に出るとすぐに見つかり、鍛えやすいスキルであるのも利点です。

キノコには有毒なものもありますが、植物学スキルを伸ばすことによりそれらの危険性を減らせるのも大きな利点です。

チュートリアルダンジョンを出て、ワールドマップから近くの町へと移動すると、掲示板に多数のクエストが張られています。モンスターの討伐からアイテムの収集、変わったクエストとしては「特定のアイテムを配って宣伝してほしい」など、さまざまなクエストが用意されています。

ここで筆者は「グレムリンの討伐」クエストを受注し、意気揚々とグレムリン討伐に挑みました。

しかしながら、敵はなかなか強い!

遠距離攻撃を仕掛けてくる敵がいたこともあり、筆者はクエストの途中で無念の死を遂げてしまいました。しかしながら本作の大きな特徴として、「伝統的ローグライク」として珍しく本作は直前オートセーブからのやり直しが利きます。たとえミスをしても、何度でもチャレンジが可能なのです。

今回の死因はいきなりモンスターの討伐クエストに挑んだことが原因なので、しばらくは植物収集などの簡単なクエストで経験を積み、モンスター討伐系クエストは充分に実力をつけてから挑んだ方が無難だと思ったのでした。

というわけで、伝統的ローグライクながら、オープンワールド世界で自由に冒険者として生きることができる本作。死んでもやり直しが利きますし、少しずつ自らのスキルを鍛え上げながら、自由な冒険を楽しみたい方にとっては本作は充分に楽しめるローグライクかもしれません。

『The Doors of Trithius』は、PC(Steam)にて1,600円で発売中です。

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