
Image: Adriano Contreras – Gizmodo US
モバイル志向のゲーマーには、Razer(レイザー)のゲーミングノートPC「Razer Blade 14」の2025年モデルは最適解かもしれません。幅広い用途で使えて、持ち運びもしやすい1台です。
米Gizmodo編集部員が実際に使って、レビューしました。
Razer Blade 14 (2025)

Image: Adriano Contreras / Gizmodo
長所:パワフルなパフォーマンス、軽量ボディ、入出力ポートが充実、美しい画面と音声、優れた冷却性能
短所:触り心地がしっくりこないトラックパッド、画面があまり明るくない、ますます高価に、スペックのオプションがあまりない
より薄く軽量に。見た目もいい
Razer Blade 14(2025)は、2024年のモデルよりごくわずかに小型化しました。最も厚い部分で約1.7cmという薄さです。
重量は約1.6kgと他の薄型・軽量ノートPCと比べるとやや重い印象ですが、このパワフルさと機能性を考慮すれば許容範囲といえるでしょう。

Image: Adriano Contreras – Gizmodo US
14インチのBlade 14は、より大きなサイズのBlade 16やBlade 18に比べると、RGBライトなども少なく控えめな見た目になりました。起動中、背面の「トリプルスネークロゴ」が鮮やかなネオングリーンに光るものの、底面のRGBライトはないため、キーボードのRGBライトをオフにすれば、大学の講義やオフィスなどで悪目立ちしなくて済みます。
アルマイト加工されたアルミニウム製のマットブラックは、Macbook Proくらい見た目はシックなのですが、指紋や汚れがつきやすく、傷も目立つのがやや気になるところです。
充実の入出力ポート

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入出力ポートは、8種類も備わっています。専用の充電ポートとヘッドホン端子のほか、左右両側にUSB 4のType-CとUSB-Aを搭載。さらに、HDMI 2.1とmicroSDカードスロットも備えていて、外出先での動画編集にも役立ちました。
キーボードとトラックパッドが独特
キーボードとトラックパッドの感触に慣れるのには時間がかかりました。Alienware 16 Area-51のようなクリック感大きめのメカニカルキーボードに惚れ込んでいたため、最初はBlade 14の薄型キーに苦戦しましたが、使っているうちに魅力も感じるようになりました。
もっとタイピング時の音と深いストロークが欲しいとは思うものの、キー間には十分な間隔があり、ブラインド入力でもタイプミスせずに入力できます。各キーの反応は小さいですが、柔らかすぎて好みに合わなかったHP Omen Max 16よりは断然好みだし、AppleのMagic Keyboardよりは打ちやすいと感じました。
問題はトラックパッドです。大きめのパネルと、手のひらが触れても誤動作しない「パームリジェクション機能」 は優秀ですが、触り心地には一癖あります。
トラックパッドはユーザー側の端に向かって傾斜しているため、上側を押してもクリックが反応しません。押し込んだ感覚があるのにクリックが効かない、というモヤッとした操作感です。クリック時に振動など物理的反応が欲しいのであれば、パッドの下側を押すほかありません。
最新のCPUとGPUを搭載
筆者が使ったBlade 14は、AMDの最新世代ノートPC向けCPU「Ryzen AI 9 365」と32GBのRAMを搭載したモデルです。基板は直付けされていて、増設はできません。
このCPUの同時処理能力は10コア20スレッドで、「Zen 5 」のStrix Pointマイクロアーキテクチャに基づいています。Strix Point CPUは、小型ノートでも性能と省電力を両立できるように設計されており、昨年のAsus TUF Gaming A14などでも高い効果を発揮していました。
GPUはNvidia GeForce RTX 5070が組み合わされており、Framework Laptop 16など一部の競合よりも高い性能を引き出すことが可能です。
最新のドライバとファームウェアをフリーソフトウェア「Razer Synapse」経由で導入すると、Blade 14(2025)はベンチマークで予想通りの性能を発揮しました。
「Geekbench 6」や「Cinebench 2024」 などの性能テストでは、2024年の小型競合モデルを軽々と上回りました。ただし、Intel Core Ultra HXシリーズを搭載した大型ゲーミングノートや、Appleの14インチMacBook Pro(M4搭載) には及びませんでした。
3DMarkによる複数テストでは、RTX 5080搭載ノートより数千ポイント低い結果に留まりましたが、多くのゲームで高フレームレートを実現し、14インチノートPCではトップクラスの優れたバランスを見せています。
グラフィック、レイトレーシングには限界あり

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レイトレーシング設定を上げると、フレームレートは低下します。実際にプレイしてみると、『黒神話:悟空』 ではDLSSの自動設定により持ちこたえましたが、『サイバーパンク2077』 では「レイトレーシング低+DLSS自動」でベンチマーク時65fps前後、実プレイではやや低めとなりました。
それを切ってしまうと40fps程度に落ち込みます。『Marvel’s Spider-Man 2 』のようなGPU負荷の高いタイトルでは、最大解像度でのプレイは難しく、DLSSを使ってもグラフィックやレイトレーシングを高設定にすると30fpsに届くかどうかです。
RTX 5060搭載版は試していませんが、そのGPUでは最新ゲームをフル設定で動かすのは厳しいでしょう。ゲーマーにとって重要なのは「最新タイトルを最高設定で60fps以上で動かせるか」であり、Blade 14はその点で言うと限界があります。
一方、冷却機能は優れていて、筐体から熱く感じることはほとんどありません。サーモメーターで測ってみても画面付近が約39.4度、パームレストは29.4度ほどでした。プレイ中も指が熱くならず、マウスを使う側面も熱を持ちませんでした。
価格は30万円オーバー
Blade 14のメーカー希望小売価格は、2,300ドル(約34万円)から。昨年のBlade 14の開始価格より100ドル高くなりました。この価格がずっと維持される可能性もありますが、トランプ大統領の関税発言や円安の影響を考えると、ガジェットはますます高価になる一方でしょう。

