スマイルゲートからリリース予定の「カオスゼロナイトメア」を先行プレイレビュー。ローグライト×デッキビルディング×RPGというユニークなシステムが生みだす、本作ならではの魅力に迫る。

「カオスゼロナイトメア」は、スマイルゲートからリリース予定のPC/スマートフォン向けRPG。インディーゲームで人気の高いジャンルとして知られるローグライト×デッキビルディングに、スマートフォンでおなじみのキャラクター収集型RPGを融合させたユニークなタイトルだ。既に制作発表会映像やPVといったかたちで同作のビジュアルが公開されているため、興味を持っている人も多いことだろう。

今回はそんな本作について、先行プレイを行う機会に恵まれた。そこで本作のユニークなシステムを紹介しつつ、本作ならではの魅力へと迫っていきたい。なお、今回はリリース前のバージョンをプレイしている。このため画像やシステムなど、実際にリリースされるバージョンとは異なる場合があることをお断りしておく。

時間が溶ける!ローグライト×デッキビルディングの進化系!「カオスゼロナイトメア」先行プレイレビューの画像
ローグライト×デッキビルディングの戦略性をお手軽に楽しめる!中毒性の高いゲームシステム

本作のゲームシステムは、ローグライト×デッキビルディングをベースとしている。ローグライト×デッキビルディングは、ローグライトが持つランダム性と、カードデッキの構築要素をミックスさせたゲームシステム。イベントによってランダムなカードを獲得し、デッキを作り上げていくという内容だ。カードの獲得こそランダムだが、進行ルートの選択によって遭遇するイベントをある程度コントロールでき、どんなカードをデッキに残すかもプレイヤーの意思次第。ランダムな運要素を戦略によってコントロールしていく…というところが面白みとなっている。

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本作はこうしたローグライト×デッキビルディングをストレートにゲーム化するのではく、キャラクター収集型RPGとして再構成。ユニークなかたちに仕上げている。基本的な構成は、スマートフォン向けのキャラクター収集型RPGのスタイルを継承しており、ホーム画面からステージを選んで挑戦するという内容。このステージの中が、ローグライト×デッキビルディング形式となっている。

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ステージの中は「エリア」単位で区切られており、プレイヤーは次に進む「エリア」を選択。選択した「エリア」に応じて、戦闘が発生したり、休息をとることができたり…などのイベントが発生する。なお、どの「エリア」でも自由に選択して進めるわけではない。「エリア」同士はルートによって繋がっていて、現在の「エリア」からルートの繋がっている「エリア」にのみ進行できる。このため、たとえばステージ後半で戦闘の発生する「エリア」を避けたいと考えるのであれば、序盤から戦略的にルートを選んでおかなければならない。

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戦闘は、毎ターンデッキからドローした手札を使い敵と戦う、ターン制カードバトル。カード毎にどのキャラクターがどんなアクションをするかが定められており、プレイヤーは使用するカードと効果対象を選択する。ただしどんなカードでも、何枚でも制限なく使えるわけではない。カードにはコストが定められており、使う度にそのターンのアクションポイント(AP)が消費されていく。APがゼロになれば、基本的にはターン終了だ。

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一般的なスマートフォン向けRPGにも、戦闘コマンドをカードで指定するというスタイルのRPGは存在する。ただ、そうしたRPGとローグライト×デッキビルディングとの違いは、カード使用時の戦術性だろう。ローグライト×デッキビルディングの戦闘は、トレーディングカードゲーム(TCG)のようにカードの連携が重要。本作でも、どのカードを、どんな順番で使うかによって勝敗が大きく左右される。

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たとえばキャラクターの一人、トレサのカードである「短剣抜刀」は、手札に「影の短剣」カードを2枚生成する。生み出される「影の短剣」カードはコスト0なので、「短剣抜刀」使用後にAPがゼロになったとしても、2回分攻撃が可能。その上、「影の短剣」カードは敵への苦痛付与効果を持っている。また、同じくトレサの「急所攻撃」は、ダメージ130%×3に加え、攻撃対象が苦痛状態であればダメージ+50%というボーナスが発生。したがって、「短剣抜刀」→「影の短剣」×3→「急所攻撃」と連携させれば、甚大なダメージを与えることが可能。敵を一方的に叩きのめすのが爽快だ。だが、この順番をミスすると、ダメージは減少してしまう。場合によっては敵の攻撃によってゲームオーバーになってしまうかもしれない。「どのカードを、どんな順番で使うかによって勝敗が大きく左右される」と書いたが、実際問題、仮に手札が同じだったとしても、カードの使い方次第では1ターンキルも、ゲームオーバーも、どちらのケースもあり得るというわけだ。

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ここまで紹介してきた通り、本作はローグライト×デッキビルディングの持つ奥深い戦略性・戦術性をバッチリ味わうことができる。とはいえ、スマートフォンでゲームをプレイするなら、もっと手軽にプレイしたいと考える人もいることだろう。実のところ、その気持ちは筆者にもよくわかる。たとえば通勤時にスマートフォンゲームをプレイしていると、乗り換えのタイミングだったり、徒歩移動や階段の昇降だったりといったタイミングによって「今はゲームをプレイできない!」という状況が断続的に訪れるため、ステージがあまりに長大でプレイ時間がかかるようだと、プレイしにくいのだ。しかし本作は、スマートフォン向けRPGの要素を巧みに取り入れることで、こうした課題に対処している。

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ステージ内においてプレイヤーは、次の「エリア」を選択して選択して進んでいく…と書いたが、これは「カオス」と呼ばれるステージに挑んだ時の話。ステージによっては会話パートのみの場合もあれば、「エリア」移動なしで戦闘のみ行うというケースも存在している。また、戦闘のみのステージは「戦闘任務」としてメインストーリーと切り離されているため、ちょっとした隙間の時間に、短時間だけ戦闘をプレイしたい…という楽しみ方も十分可能だ。

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ちなみに、スマートフォン向けRPGでおなじみのオートバトル機能について、本作は部分的な実装というかたちで対応している。具体的には、育成用のアイテムを稼ぐなど周回前提のステージについては、オートバトルが使用可能。オートバトル機能を実際に使ってみたところ、かなり適切にカードを使ってくれる印象だ。周回の時はオートバトル機能に任せていいと思えた。一方、ストーリー上の戦闘や、「カオス」内の戦闘ではオートバトルの使用が不可能。お手軽にプレイできるところと、じっくり戦略性が味わえるところとを意図的に分けているのだと感じた。

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豊かな演出で思わず没入!ダークファンタジー的世界観

ここまでゲームシステムを中心に紹介してきたが、キャラクター収集型RPGという観点からみれば、世界観やキャラクターも重要だ。本作はこの点でも気合いが入っており、「ローグライト×デッキビルディング」というゲームシステム抜きで純粋なキャラクター収集型RPGとしてみても、魅力的な作品だと感じた。

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本作の世界観はダークファンタジー。舞台となるのは「カオス」という未知の存在によって汚染され、滅亡してしまった宇宙だ。本作のキャラクターたちはさまざまな任務達成のため、恐怖と混沌に満ちた「カオス」の中へ侵入することとなる。

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世界観で注目すべきは、こうした設定が決して設定だけで終わっていないところ。本作のキャラクターたちは「ストレス」というパラメーターを持っており、「ストレス」が溜まると「精神崩壊」に陥ってしまう。「精神崩壊」に陥ると行動不能になるだけでなく、デッキに崩壊カードが加わって他の有用なカードをドローする率が減るため、戦闘は一気に不利なものとなる。戦略面では「ストレス」を蓄積しないためにどう行動するか、あるいは、「精神崩壊」に陥った場合にどう打開するか、考えなければならない。

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ただ、「精神崩壊」はただゲームを不利にするだけではない。崩壊カードの使用によって回復すれば、最大HPとストレスも回復。さらにエゴスキルに必要なコストも減少するのだ。

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エゴスキルとは、各キャラクター固有のスキルのこと。要するに必殺技のようなもので、使用すると敵に大ダメージを与えたり、追加のカードをドローできたりといったさまざまな効果が発動する。エゴスキルはAPではなく、エゴポイントという固有のポイントを消費して繰り出すかたちになるので、APがゼロであっても発動可能だ。このため、カードの使用を誤ってピンチに陥った場合の挽回にも使えるし、敵を一気に追い詰めるためにも使用可能。その上、発動時のエフェクトもド派手なので、繰り出し甲斐がある。

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また、ストレスを受けたキャラクターは、「精神崩壊」するだけでなく、場合によっては「ディープトラウマ」状態に陥ってしまう。「精神崩壊」はステージ攻略中に発生するが、「ディープトラウマ」状態はステージ攻略後、ホーム画面に戻ってきてから発生する。このため即座に戦闘が不利になるわけではないが、「ディープトラウマ」状態に陥ったキャラクターをパーティーへ編成するとさまざまなペナルティが発生するので、可能な限り早い治療が必要だ。

ただ「ディープトラウマ」状態も、ただただ不利な状況をもたらすわけではない。カウンセリングによって「ディープトラウマ」状態から回復させてやると、そのキャラクターの信頼度がアップするほか、トラウマを通じてそのキャラクターへの理解を深めることができるからだ。キャラクターへの理解を深めてもゲーム的に有利になるわけじゃないが、キャラクターを理解し、思い入れと愛着をもって育成していくことは、キャラクター収集型RPGの醍醐味だろう。

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ところで、キャラクター収集型RPGの醍醐味という点では、ビジュアル演出も重要。そして本作は、この点も本作はぬかりがない。戦闘シーンでパっと目に入るのはSDキャラクターだが、会話パートではイラストレーションが挿入されたり、カード選択時には等身大のアニメーションキャラクターの後姿が挿入されたりといった演出がシームレスに行われる。しかも、イラストレーションもSDキャラクターも、非常に良く動く!キャラクターだけでなく、敵出現時やイベント時など、細かな状況に対していねいに演出を行っているので、思わず没入してしまうのだ。

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ローグライト×デッキビルディングの進化系!ハマれる日が楽しみな一作

今回、本作を先行プレイで体験して、単純にローグライト×デッキビルディングのタイトルというより、ローグライト×デッキビルディングをキャラクター収集型RPGと融合させることで一段階進化させたタイトルだと感じた。そもそもローグライト×デッキビルディングジャンルは没入感が高く、やめ時を失い時間を溶かしてしまうゲームジャンルだ。さらに本作はそこへ、お手軽さ、ストーリーの魅力、キャラクター育成の楽しさといった要素を追加し、没入感を高めている。本作がリリースしたら、ハマりまくって時間が足りなくなることは間違いないだろう。でも、だからこそリリースの日が楽しみだ。

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なお、本作ではリリースに先駆けてプレイ可能な特別先行テストが9月18日(木)11:00~21日(日)23:59の期間で実施される。募集期間は9月2日(火)12:00~9月12日(金)18:00となっているので、気になる人は公式の発表にも注目してみてはいかがだろうか。

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