多くの人は「『Linux』の習得はマニア向け」と考えがちだ。しかし、ありがたいことに、現在のデスクトップLinuxは非常に使いやすくなっている。導入をためらうような問題はほとんどなくなっており、心配する必要はない。今のLinuxディストリビューションでは、コマンドラインや高度なツール(例えば、「YaST」など)を使いこなす必要はない。
とはいえ、Linuxをより深く活用したい人や、Linux管理者としてのキャリアを目指す人にとっては、コマンドラインを含め、さらに多くの知識が求められるだろう。これを聞いて不安になる人もいるかもしれない。特に、ターミナルウィンドウを開いたことがない人や、コマンドを入力した経験がない人にとっては、ハードルが高く感じられるかもしれない。
そんな人に朗報がある。Linuxの高度な概念を、ゲームを通じて楽しく学ぶことができるのだ。
「ゲーム化された学習」をまだ体験したことがない人は、ぜひ試してみてほしい。ゲームを使えば、学習が簡単になるだけでなく、楽しく続けられるようになる。
Linuxスキルの習得に特化したゲームは幾つか存在しており、ここではその中でもお薦めのものを紹介する。
1. 「OverTheWire」
OverTheWireはウェブベースのゲーム集で、ユーザーはさまざまな課題に挑戦できる。Linuxコマンドやファイル権限、ネットワークプロトコル、テキストエンコーディングなどの問題を、自力で解決する方法を学べる点が魅力だ。
現在、12種類のゲームが用意されている。例えば、「Bandit」は完全な初心者向けで、他のゲームをプレイするために必要な基礎を教えてくれる。
「Natas」:サーバーサイドのウェブセキュリティの基礎について
「Leviathan」:基本的なLinuxコマンドについて
「Krypton」:ファイルエンコーディングについて
「Narnia」:基本的なエクスプロイトについて
「Behemoth」:一般的な脆弱(ぜいじゃく)性について
「Utumno」:より高度な概念について(説明が省略されているため、実際にやってみないと内容が分からない)
「Maze」:より高度なエクスプロイト手法やプログラミング、リバースエンジニアリングについて
「Vortex」:非標準ポートへの接続方法について
「Manpage」:Linuxでの「C」プログラミングに関するよくある誤解について
「Drifter」:Vortexに似ているが、より高度について
「Formula One」:セキュリティの概念について
2. 「cmdchallenge」
cmdchallengeの狙いは、コマンドラインだけを使って与えられた課題を解くというシンプルなウェブベースのゲームで、インストールは不要だ。例えば、echo “hello world”で「hello world」と表示させたり、pwdで現在の作業ディレクトリーを表示させたりといった課題に挑戦できる。
正しいコマンドを実行すると次の課題に進むよう促され、難易度は徐々に上がっていく。プレイを重ねるほど、より多くの知識が身につく仕組みだ。
提供:Jack Wallen/ZDNET
3. 「Terminus」
” target=”_blank”>Terminusは、Linuxコマンドを使って仮想世界を探検する、ユニークなターミナルアドベンチャーゲームだ。例えば、lsコマンドでアクセス可能な場所を確認し、WesternForestが表示されたら、cd WesternForestでその場所に移動できる。すると、その場所の画像が表示される仕組みだ。
このゲームでは、lsやcd、lessなどの基本的なコマンドを使ってさまざまな場所を探検し、パズルを解いていく。目的は、Linuxのファイルシステムの操作方法を楽しく学ぶことにある。
提供:Jack Wallen/ZDNET
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