夏の風物詩イカメタル。これを聞くと、日本海を思い浮かべる人が多いと思う。ところがその日本海に負けず劣らずのフィールドが、三重県・熊野灘だ。昨年は1人3ケタ釣果続出の大当たり年。今年はそこまでの釣れっぷりではないが、連日順調な釣果を出している。今回はそんなイカメタルで出船している南伊勢町礫浦の光栄丸に乗船し、ハイシーズンのスクイッドゲームを取材した。
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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
TSURINEWS編集部
2025年8月29日
エギング&イカメタル ソルトルアー
光栄丸でアカイカ釣り
日本海でも熊野灘でも、狙うイカは同じケンサキイカ。ただイカは地方名が非常に多彩だ。ケンサキイカは、若狭湾ではマイカ、山陰地方ではシロイカ、そして今回の舞台となる三重県・熊野灘沿岸~和歌山にかけては、アカイカと呼ばれる。
光栄丸(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
今回はこのアカイカを狙うわけだが、志摩、南伊勢、紀北、尾鷲など各エリアからアカイカ狙いの遊漁船が出ている。今回の出船地は南伊勢町礫浦。お世話になったのは中村伸也船長が舵を握る光栄丸。イカダの渡船も合わせて営業している当地の老舗遊漁船だ。
釣行日は8月8日。事前に中村船長に確認すると、台風で休船する日もあったが、今年も安定した釣果が続いているとのこと。午後5時前に礫浦に到着すると、すでにこの日の乗船者である加藤さんら6人が、着々と準備を進めていた。
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熊野灘のイカメタルについて
ここで熊野灘でのアカイカメタルについて、少し説明しておこう。フィールドは志摩沖から尾鷲沖まで幅広く、水深は総じて60~80m前後を攻めることが多い。
イカメタルでゲット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
例年6月半ばから開幕し、7月に半ばにはハイシーズンに突入。例年であれば台風上陸をきっかけに終息に向かっていくのだが、台風の直撃がほとんどない年が続いてロングラン傾向にある。事実、大当たり年だった昨年は9月第2週まで釣れ盛っていた。今年も台風は発生すれど、本州に上陸することがほとんどなさそうで、9月までは楽しめるだろう。
タックル
使用するタックルは、日本海で使うものと変わらない。6~7ftのイカメタル専用ロッドに、カウンター付きのベイトリール。ラインは潮切れのいいPEライン0.6号がお勧めだ。これにリーダー2~3号を2mほど結束し、イカメタルリーダーといわれる枝スの付いた専用リーダーを結ぶ。
点灯前からヒット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ただ、できれば硬軟2本のサオを用意できればベスト。というのも、台風が遠くにあっても、熊野灘は日本海と違い、そのウネリの影響を受けることが多い。ウネリでスッテが必要以上に暴れてしまい、結果イカの乗りに影響してしまう。
ウネリによる船の上下を吸収できる、少し軟らかめのロッドがあるとベストだ。その際は6ft台後半の少し長めのものがいい。リーチがあると、その分船の上下によるスッテの暴れを吸収してくれる。
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スッテ
使用するスッテは25号まであれば、ほとんどの状況に対応できるはず。また集魚灯の明かりでイカが浮き、水深10m台で入れ乗りになることも珍しくないため、10~15号の軽いスッテも必要だ。まとめると、20号を中心に10~30号を各色準備すればいい。カラーについては後述する。
試行錯誤が楽しい(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ドロッパーと呼ばれる枝スには、浮きスッテやエギを付ける。浮きスッテは専用のものが販売されているが、エギはアオリイカやヒイカ用の1.8~2号を選ぶ。ただしエギにはシンカーが付いているので、ずっとステイさせたままだとドロッパーが垂れ下がってしまうため。エギの沈下速度を頭に入れておき、沈下しきる前に次の誘いに入る必要がある。ロングステイを多用するのであれば、浮きスッテ一択で良いと思う。
さてカラーについてだが、一般的に基本とされてる赤緑、赤白、赤黄などを中心に、ピンク、パープル、ブラックなどさまざまなカラー、模様が販売されている。基本カラーさえしっかり押さえておけば、後は好みで良いと思う。
イカメタルでキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
ただ中村船長によれば、特定のカラーにヒットの偏りが出ることも事実。そのためいかに多くの引き出しを持っているかで釣果が変わってくることもあるのだ。
参考までに、アオリイカでは超ド定番の紫、これにアカイカも異常なまで反応すると言う話は聞いたことがある。1つはタックルボックスに忍ばせておいてもいいかも。
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